コラム

異なる発展をしてきた世界の代表的な3つのサウナ

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はじめに

異なる発展をしてきた世界の代表的な3つのサウナ

サウナの起源はどこだと思いますか?

 

おそらく多くの方が「フィンランド」と答えるでしょう。

実際これは間違いではありません。「サウナ」という言葉はフィンランド語が語源となっていますし、フィンランドではサウナが自宅や職場にあるほど、文化として広く普及しています。

しかしフィンランド語の「サウナ」の意味は「浴場」です。世界にはフィンランドとは異なるルーツを持ったり、独自の進化をしてきたサウナ(浴場)がたくさんあります。

今回は世界で代表的なサウナ3つを特徴や歴史などを踏まえながら紹介していきます。

 

1. フィンランド式サウナ

フィンランドのサウナは、フィンランドの文化において重要な役割を果たしており、フィンランドにあるサウナの数は一世帯に1つのサウナほどです。寒い地域で生き残るために体を温めるという行為は重要な要素だったと想像できますね。

フィンランド式サウナは今から約2,000年前に作られた痕跡が見つかっています。そこでは、火の中に石を入れて、熱した石にきれいな水をかけてその蒸気を浴びていたようです。

この古代のサウナは現在のフィンランド式サウナと原理的には同じです。つまりこの形のまま約2,000年間、人々に親しまれているのです。

現在では、一般的に木製独立した小屋がサウナスペースに使われ、その中で薪を燃やして室内を温めます。同時に火の上に石や岩が並べて、これらも温めます。そして特徴的なのがサウナ内の湿度や温度を調節するために石に水がかけられる点です。いわゆる「ロウリュ」ですね。

条件を見てみると温度が60~80℃湿度が20~30%となっており、熱すぎずぬるすぎず、世界的に見ても中間ぐらいの温度帯です。

フィンランドのサウナでの裸は非常に一般的です。小さなタオルは問題ありませんが、フィンランドではサウナで裸になるのが基本的には普通です。

 

2. ロシアのバーニャ

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ロシアにバーニャと呼ばれる浴場文化があります。バーニャはロシア語でいわゆる「サウナ」のことを指しており、ロシアでは何世紀にもわたって親しまれてきました。

 

フィンランドのサウナと同じように、バーニャは薪を使ったやや高湿度なサウナです。フィンランド式サウナのロウリュと同じように、暖炉に水をかけて湿度を上げていきます。

他との大きな違いはプロセスにあります。

バーニャの中では、白樺の葉などでつくった「ベニク」と呼ばれる「はたき」で体を叩きます。これは汚れを落とす効果があります。そしてバーニャから出る際には冷たい水で洗い流します。

もちろんフィンランド式サウナにも「ヴィヒタ」と呼ばれる同じような「はたき」があるのですが、どちらかというと世間的なフィンランド式サウナのヴィヒタがサウナのオプション的な位置づけに対して、バーニャではベニクは必須のアイテムとなっています。

また条件面でも少し違いがあり、温度が40℃程度のものがあるほど、フィンランド式サウナに比べてややぬるいのが特徴の一つです。反面、水をかける量が多く、湿度はかなり高めにあります。

さらに意外にもバーニャのルーツはフィンランドではないようです。バーニャはギリシャの蒸し風呂がロシアに持ち込まれたことがきっかけだったようです。とはいえ場所的にもフィンランドに近いため、少なからずお互いに影響を与えていたのかもしれません。

 

3. トルコのハマム

「トルコ式公衆浴場」とも呼ばている「ハマム」。これは中東式の公衆浴場で、クレンジングとリラックスを目的としたものです。何世紀にもわたってトルコや他のイスラムの文化に浸透してきました。

 

起源は15世紀のオスマン帝国時代とされています。当時のローマとの戦争でオスマン帝国が現在のイスタンブールを征服したときに、ローマの浴場文化とイスラムの浴場文化が融合して出来上がりました

トルコのハマムは3つのステップで構成されていて、それぞれ違った部屋があります。

 

まず、お湯に浸かったり、お湯をかけたりして体を軽く洗い流します。

次に40~50℃温められた部屋の大理石に横たわり、20分ほど体を温めます。ここで石鹸などを使いながら体を洗います。場所によっては施術師の方が体を洗ってくれます。

最後に比較的涼しい部屋で体を冷やしていきます。

 

石に横たわって体を温める点はフィンランド式サウナと大きく異なりますね。またハマムは石やレンガ、土壁で作られており、木造のものは基本的にないのも特徴です。

 

 

(番外)アイスランドのスパ

最後に蒸気浴や熱気浴とは外れますが、アイスランドのスパ(浴場)をご紹介します。

アイスランドには非常に屋外プールの文化が強いです。この国では非常に多くの火山があるため天然の温泉(地熱で温められたお湯)が多いのです。

 

日本の温泉と基本的には同じ文化ですが、アイスランドでは人工的にお湯を冷ましたりする文化がありません。そのためほとんどが源泉かけ流しの状態です。またご存じの方も多いかと思いますが、アイスランドのスパでは水着を着て男女一緒に楽しみます。

 

基本的な流れは変わらない世界のサウナ

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温泉があまりない世界の国々では細かい違いはあるものの、どのサウナ(浴場)でも「体を温め」、「洗い」、「冷やす」という3工程があります。

しかし日本のように温泉が豊富な地域では、温泉で体を温めて体を洗うパターンが多いです。逆に言えば日本などにはサウナの「冷やす」という文化がありません。おそらくサウナに比べて体の温まり方がややゆっくりだからではないかと思います。

 

何百年にも渡って親しまれ続けているサウナ。時にはいつもとは全く違ったサウナに入りに行くと世界観が広がりそうですね。

idetox管理人

自称!?日本初のサウナコンシェルジュとして活動。 初心者の方でも、安心・安全に楽しんでいただくために、サウナにまつわる疑問やお悩み解決を日々発信中。 サウナの入り方やマナーまでご不明な点などございましたら、お気軽にご相談ください。

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