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コラム

自宅サウナは火事が心配?統計で分かる実際のリスクと安全対策

自宅サウナは火事が心配?統計で分かる実際のリスクと安全対策

はじめに

「毎日好きな時にサウナに入れる生活って、どんなに幸せだろう...」

サウナ好きなら誰もが一度は夢見る究極のプライベート空間。心身ともにリセットできる癒しの時間を自宅で味わいたいと思う一方で、火災など安全面での不安もあるのではないでしょうか?

「自宅サウナって火災のリスクは本当に大丈夫?」

「高温の設備だから、もし何か事故が起きたら...」

 

しかし実際、2人に1台ほどサウナがある本場のフィンランド安全化学庁の調査によるとサウナ火災の多くは適切な安全対策で防げると報告されており、正しい知識があれば安全に楽しめるものなのです。

この記事では、海外の統計データや業務用の安全基準も参考に、自宅サウナの様々なリスクを科学的に分析し、安心して「ととのう毎日」を実現するための具体的で実践的な安全対策を、初心者の方にも分かりやすくお伝えします。

 

統計で見る!サウナで本当に多い火災とは?

まず、どんなリスクがあるのかを知るところから始めましょう。サウナ先進国フィンランドの統計データなどを分析すると、サウナの火災原因には明確なパターンがあることが分かります。

フィンランド安全化学庁(Tukes)の2023年統計によると、サウナ火災は年間98件発生しており、最も多い原因は「サウナ内での洗濯物の乾燥」と「ストーブの上に物を置くこと」です。これらは主に人的ミスに分類されます。その他の原因として「加熱素子の故障」や「サーモスタット・タイマーの不具合」などの電気系統の問題も報告されています。

フィンランドのサウナ火災統計
92
2021年
107
2022年
98
2023年

サウナ内での洗濯物の乾燥(最多原因)

ストーブの上に物を置くこと

加熱素子の故障・サーモスタット不具合
フィンランド安全化学庁(Tukes)PRONTOデータベースより

この統計が示す通り、火災の多くは防ぐことが可能です。また、火災以外にも転倒や低温やけどといった事故も一定数発生しています。これらのリスクを正しく理解し、一つ一つ対策していくことが安全なサウナライフの第一歩です。

 

【設置編】安全は購入・設置の段階で大きく変わる

自宅サウナの安全性は、実は購入・設置の段階でそのほとんどが決まってしまうと言えるかもしれません。この段階での正しい判断が、その後何年にもわたる安全で快適なサウナライフの土台となるのです。

電気工事は必ずプロの資格者へ

まず本格的な多くのサウナヒーターは非常に大きな電力を消費するため、専門の電気工事が法律で義務付けられています。絶対にDIYで行ってはいけません。

  • 専用回路の設置:サウナ専用のブレーカーを設ける
  • 漏電遮断器の設置:万一の漏電時に電気を止め、感電や火災を防ぐ
  • 適切な配線:熱に強い専用の電線を使用する
  • アース工事:電気を安全に地面に逃がす

注意!

市場には100Vの家庭用コンセントで使える小型サウナも存在しますが、その場合でもタコ足配線や延長コードの使用は避けましょう。また、200V電源が必要な本格的なサウナヒーターは有資格者に電気工事を依頼しましょう

離隔距離 - ヒーターと壁の「安全な距離」

サウナヒーターと壁や可燃物との間には、法律で定められた「離隔距離」という安全なスペースを確保する必要があります。これは、長期間の熱で木材が炭化し、低温でも発火しやすくなる危険な現象を防ぐためです。

消費電力別 最小離隔距離(日本の業務用基準参考)
7.5kW以下
25cm以上
7.5kW〜15kW
50cm以上
15kW〜30kW
100cm以上
出典:日本サウナ・スパ協会「サウナ設備設置基準」

ヒーターのパワーによって必要な距離は異なりますので、製品の取扱説明書や専門の設置業者の指示に必ず従ってください。

この距離が、あなたと家族の命を守る空間になります。適切な距離にヒーターガードを作るなど対策し、この中に近づくだけでなく、物を置かないように注意しましょう

命を守るための安全なサウナ室の構造

安全なサウナ室には、万一の際に利用者を守るための工夫が設計段階から盛り込まれています。

  • 外開きのドア:体調不良時にも、もたれるだけで脱出できる
  • 鍵をつけない:緊急時に外から助けを呼べる
  • 適切な換気:新鮮な空気を取り入れ、のぼせを防ぐ
  • 滑りにくい床:濡れた足でも安全に歩ける

 

【利用編】今日からできる!安全なサウナの入り方

完璧な設置が完了したら、次は毎日の安全な使い方です。難しいルールはありません。シンプルな習慣を身につけるだけで、事故のリスクは大幅に削減できます。

知っておきたい3つのリスクと安全対策

サウナでの事故は火災だけではありません。健康被害やケガを防ぐための基本的なルールを習慣にしましょう。

リスク 主な原因 安全対策
健康トラブル 脱水症状、血圧の急変動 水分補給、飲酒後NG、無理しない
やけど ヒーター・金属・ベンチ アクセサリーを外す、タオルを敷く
転倒 濡れた床、段差 足元に注意、マットなどを活用

注意!

飲酒後のサウナ利用は絶対に禁止です。血圧の急激な変動や脱水症状により、意識を失い命に関わる重大な事故につながる危険性があります。

ヒーター周りは常に「何もない状態」を保つ

フィンランド安全化学庁の統計でも明らかなように、サウナ火災で最も多いのがヒーター周りでの可燃物の発火です。

  • タオルや衣類を乾かさない
  • 雑誌や本、スマートフォンを持ち込まない
  • 可燃性のアロマオイルを直接かけない

 

【メンテナンス編】安全を維持するための定期チェック

サウナの安全性は、一度設置したら終わりではありません。フィンランドサウナ協会「サウナ火災を防ぐ最も重要な方法は、適切な設置だけでなく、メンテナンスと点検も同様である」と結論付けているように、日々の管理が将来の安全を支えます。

年に1〜2回はプロの目でチェックを

自分で行う日常的な清掃に加え、年に1〜2回は(可能なら専門家による)以下の点のチェックをお勧めします。

  • サウナストーン:割れた石はヒーターの故障や火災の原因に
  • 電気系統:配線の劣化や接続部の緩みがないか
  • ヒーター本体:温度センサーなどが正常に作動しているか
  • 薪ストーブの煙突:煤が溜まると煙突火災の原因に

POINT

idetoxでは、ご購入頂いた方を対象に定期メンテナンスやアフターサポートの体制を整えています。ご自身での管理に不安がある場合や、異常を感じた際は、いつでもご相談ください。

 

 

 

まとめ - 正しい知識が最高の「ととのい」を実現する

自宅サウナの安全性について、具体的な対策を解説してきました。重要なポイントを改めて確認しましょう。

自宅サウナ安全化の3つの鉄則

・【設置】プロによる正しい施工

・【利用】基本ルールの習慣化

・【管理】定期的なメンテナンス

「火事が怖い」という漠然とした不安は、具体的な対策を知ることで「これなら安全に管理できる」という安心感に変わります。

フィンランドの統計が示す通り、適切な対策により自宅サウナのリスクは大幅に削減可能。正しい知識があれば、安全に「ととのう」毎日を手に入れられます

idetoxは、お客様が心から安心してリラックスできるサウナを楽しめるよう、国際的な安全基準をクリアした製品設計はもちろん、設置からアフターサポートまで、専門的な知識でお客様の安全なサウナライフをお支えします。

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サウナにハマり「サウナ・スパ 健康アドバイザー」や「サウナ・スパ プロフェッショナル」「サウナ・スパ 健康士」の資格を取得。 サウナの利用は週に1回程度のミドルユーザーです。主に記事の執筆を担当しています。

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