コンテンツに進む

コラム

自宅サウナの正しい塗装|屋内外の違いと専用製品の選び方

自宅サウナの正しい塗装|屋内外の違いと専用製品の選び方

はじめに

自宅サウナを購入検討する際、多くの方が注目するのはストーブの種類や木材の品質です。しかし、実は塗装・木材保護の方法が、サウナの快適性と寿命を大きく左右することをご存知でしょうか。

サウナの塗装は一般住宅とは全く異なる考え方が必要で、特に屋内設置屋外設置では求められる対策が異なります。間違った塗装を行うと、健康被害や木材の劣化を招く可能性があるため、正しい知識が不可欠です。

本記事では、自宅サウナの購入を検討している方、すでに導入済みの方、DIYでサウナを作りたい方を対象に、安全で効果的な塗装方法について詳しく解説します。

 

塗装で変わる自宅サウナの3つの重要要素

耐久性の向上

適切な塗装により、無塗装時と比べ寿命を大きく伸ばすこともできます。特に屋外サウナでは、紫外線や雨風から木材を保護し、サウナの寿命を大幅に延ばすことができるのです。

メンテナンス性の改善

汚れや汗のしみ込みを防ぎ、日常の清掃が格段に簡単になります。適切に保護された木材は、カビや細菌の繁殖も抑制できるため、衛生面でも大きなメリットがあります。

経済効果

定期的な塗装メンテナンスは、サウナ全体の交換と比べて圧倒的に経済的です。初期投資を惜しまず適切な保護を行うことで、修理や交換費用を削減でき、長期的にコストパフォーマンスが高くなります。

間違った塗装が招くリスク

しかし、間違った塗装は深刻な問題を引き起こします。一般住宅用塗料をサウナ内部に使用すると、高温でVOC(揮発性有機化合物)が発生し、健康被害の原因となる可能性があります。また、木材の自然な呼吸を妨げ、かえって劣化を早める結果になることもあります。

 

屋内サウナの塗装

内装は基本的に「無塗装」が最適

屋内サウナの内装に関しては、基本的に無塗装が世界的にも一般的です。これは、木材の自然な「呼吸」を保持することで、温度や湿度を自然に吸放出し、木の反りなどを防いでくれるためです。反対に内装すべてを塗装してしまうと、温湿度の変化により木材の劣化を早めてしまうのです。

雰囲気を作るために、サウナ内を暗い色や明るい色に塗装したいかもしれませんが、結果的にサウナ本体の寿命を縮めてしまうため、塗装ではなく木材の種類で色を調整したほうが良いでしょう。

例外的に塗装できる内装

しかし、例外的に塗装を行う内装もあります。塗装ができるのは箇所と種類は主に以下の3つです。

  • ベンチ:パラフィンオイル(年1-2回)
  • :高湿度対応の専用フロアオイル(防カビ剤配合)
  • ドアハンドル:木材シーラント

上記のように、人が触れる箇所にオイルやワックスを塗る場合に限り塗装をすることもあります。これらの塗装をすることで汗や皮脂の染み込みを軽減し、清掃の負担を減らすことができます。ただし、塗膜ができると木の調湿作用が失われ、ベタつきを感じることもあるので厚塗りはNGです。また、必ずサウナの高温に対応したオイルやワックスを使用しましょう。

注意!

一般住宅用の室内塗料やニス、ポリウレタン系塗料は絶対に使用禁止です。高温多湿環境で有害ガスが発生し、健康被害の原因となる可能性があります。

外装は塗装してもよい

屋内サウナの外側はサウナ室内ほど高温多湿にならないため、外装は塗装しても問題ありません。周りのインテリアに合わせて好みの色合いに塗り替えることもできます。

塗装の際には、浸透型の塗料(水性ステインや天然オイル)を選び、木目を生かす仕上げにする(厚塗しない)のがおすすめです。また、サウナ室の熱による膨張や乾燥に対応できる塗料を選ぶようにしましょう。

塗装箇所のメンテナンス

日常のお手入れ

  • タオルを敷いての使用を心がける
  • 使用後は柔らかいブラシや布で軽い清掃
  • 使用後はドアを開放し、(可能なら床板を持ち上げて)完全乾燥

塗装周りの定期メンテナンス

  • ベンチ:年1〜2回のオイル再塗布
  • 床:使用頻度に応じて年1回程度
  • 外装:2~3年ごと、または色あせや乾燥が見え始めたら再塗布
  • カビやシミが出たらサンドペーパーで軽く削り再塗布

 

屋外サウナの塗装

内装は屋内サウナと同じく「無塗装」が基本

屋外サウナの内装についても、基本は屋内サウナと同じく無塗装です。木材本来の調湿作用を活かすようにしましょう。

また、屋内サウナと同じくベンチや床などの人が直接触れる箇所に限り、パラフィンオイルやサウナ専用ワックスを薄く塗ることは可能です。必ずサウナの熱や湿度、温度変化に対応した塗料を選ぶようにしておきましょう。

外装塗装は「推奨」

設置環境にもよりますが、基本的に屋外サウナは雨風や紫外線に常時さらされるため、外装塗装は強く推奨します。無塗装では数年で灰色化し、腐食や劣化が急速に進み、サウナ本体の寿命が短くなってしまうおそれがあります。

屋外環境では、木材は以下のような劣化要因に常時さらされます:

  • 紫外線:木材の表面を劣化させ、灰色化の原因
  • 雨水:木材内部への浸透により腐朽菌の発生リスク
  • 湿度変化:収縮・膨張による割れやねじれ
  • 温度変化:材料の劣化を加速

 

また、直射日光や雨などが直接当たる場所に設置する際には「屋根」も推奨しています。

 

推奨される塗装箇所と塗料

屋外サウナでは、各部位に適した塗料を選択することが重要です。

  • 屋根:耐UV塗料、防水塗料
  • 外壁:屋外用木材保護塗料(ステイン系やサーモウッド専用オイル)
  • 土台・基礎部分:防腐・防虫塗料
  • 窓枠・ドア枠:木材用プライマー+屋外用塗料

外装全体に塗装を施し、定期的に再塗布することで寿命を大きく伸ばせます。特に南側や直射日光が当たりやすい面は劣化が早いため、年1回以上のメンテナンスが理想です。

屋外サウナ特有の塗装ポイント

屋外サウナでは気候条件を考慮した塗料選択が重要です。地域の気候に応じて、以下の特性を重視しましょう:

  • 多雨地域:防水性と防カビ性能の高い塗料
  • 積雪地域:凍結融解に対応できる弾性塗料
  • 高温多湿地域:通気性を保ちつつ耐久性のある塗料
  • 海岸地域:塩害対応の防錆・防腐塗料

塗装箇所のメンテナンス

日常のお手入れ

  • タオルを敷いての使用を心がける
  • 使用後は柔らかいブラシや布で軽い清掃
  • 使用後はドアを開放し、(可能なら床板を持ち上げて)完全乾燥
  • 外装の汚れや落ち葉などは定期的に除去

塗装周りの定期メンテナンス

  • ベンチ:年1〜2回のオイル再塗布
  • 床:使用頻度に応じて年1回程度
  • 外装:年1〜2回、特に南面や直射日光が当たる箇所は頻繁に
  • 屋根:2〜3年ごと、または色あせや劣化が見え始めたら再塗布
  • カビやシミが出たらサンドペーパーで軽く削り再塗布

 

屋外サウナのメンテナンス重要度

屋外サウナは屋内サウナと比べてメンテナンス頻度が高くなります。定期的な点検と適切な塗装メンテナンスにより、10年以上の長期使用が可能になります。

 

一般住宅用塗装では代替できない理由

サウナの塗装において、コスト削減を理由に一般住宅用塗料を使用することは非常に危険です。サウナ特有の過酷な環境条件に対応するためには、専用製品が不可欠であり、その理由は大きく3つの要因にあります。

耐熱性の不足

一般住宅用塗料の耐熱温度は通常80℃前後で、サウナ内部から伝わる80〜100℃以上の熱に長期間耐えることができません。特に屋内サウナでは、塗料が軟化・剥離し、有害ガスが発生する危険性があります。

サウナ専用塗料は120℃以上の耐熱性を持ち、長時間の高温環境でも安定した性能を維持します。一方、一般塗料では数回の使用で劣化が始まり、結果的に頻繁な再塗装が必要となり、コスト面でも不利になります。

高湿度環境への対応不足

サウナ特有の急激な湿度変化に対応できず、塗膜の割れや剥がれが短期間で発生します。また、木材の膨張収縮による影響も考慮されていません。

サウナ内ではロウリュによって湿度が10%から90%まで急激に変化することがあります。この環境変化に対応するため、サウナ専用塗料は柔軟性と透湿性を兼ね備えた特殊な配合となっています。一般塗料では、この湿度変化により塗膜が硬化し、ひび割れから水分が浸入して木材の腐朽を招く原因となります。

VOC放出のリスク

高温環境では、一般塗料に含まれる溶剤や添加剤が揮発し、呼吸器系に悪影響を与える可能性があります。サウナは深呼吸を行う場所のため、特に注意が必要です。

サウナでは高温により化学物質の揮発が促進されるため、健康への影響が深刻化します。サウナ専用塗料は低VOC(揮発性有機化合物)で、高温時でも有害物質の放出を最小限に抑える配合となっています。

POINT

コスト削減のために一般住宅用塗料を使用することは、長期的に見ると健康リスクと修繕費用の増大を招きます。必ずサウナ専用製品を使用しましょう。

 

DIYで塗装する際の注意点

サウナの塗装をDIYで行う場合、専門知識と適切な準備が不可欠です。安全性を最優先に考え、以下の重要ポイントを必ず守って作業を行いましょう。特に内装の塗装は健康リスクが高いため、不安がある場合は専門業者への相談を強く推奨します。

安全性の確保

DIY作業において最も重要なのは安全性の確保です。サウナ専用塗料であっても、取り扱いには十分な注意が必要です。

  • サウナ専用製品使用
  • 十分な換気確保
  • 保護具着用必須
  • 取扱説明書遵守

施工時の環境条件

塗装の品質は施工時の環境条件に大きく左右されます。適切な条件下で作業することで、塗料本来の性能を発揮できます。

  • 直射日光回避
  • 雨天時作業禁止
  • 適切な温湿度管理
  • 十分な乾燥時間

品質管理のポイント

長期間の効果を得るためには、各工程での品質管理が重要です。特に下地処理は仕上がりを左右する重要な工程です。

  • 下地処理徹底
  • 適正塗料量使用
  • 均一塗布実施
  • 乾燥時間厳守

注意!

内装への塗装は健康リスクが高いため、不安がある場合は専門業者に相談することを強く推奨します。特に初回の塗装は、プロの技術と知識を活用することが安全です。

 

idetoxのサウナと塗装について

idetox(アイデトックス)では、ご購入頂いたお客様のサウナが長期間にわたって安全かつ快適にご利用いただけるよう、適切な木材保護についてもアドバイスを提供しています。

私たちは単にサウナを販売するだけでなく、お客様がサウナライフを長く楽しめるよう、設置後のメンテナンスサポートも重視しています。塗装に関する疑問から、定期的なメンテナンススケジュールの相談まで、幅広くサポートいたします。

特に屋外設置のサウナをお考えの方には、設置環境に応じた最適な保護方法と製品選択についてご相談いただけます。塗装に関する疑問や、メンテナンス方法についても、専門スタッフがお答えします。

まとめ

自宅サウナの塗装は、設置場所と使用目的に応じた適切なアプローチが重要です。以下のポイントを押さえることで、安全で長持ちするサウナライフを実現できます:

  1. 屋内サウナは基本無塗装
  2. 屋外サウナは外装保護が推奨
  3. 一般住宅用塗料は使用禁止
  4. 定期的なメンテナンスを行う

適切な塗装とメンテナンスにより、自宅サウナを20年以上安全かつ快適に使用することが可能です。初期投資を惜しまず、正しい知識に基づいた保護を心がけることが、理想的なサウナライフの実現につながります。

ご購入頂いたサウナの塗装に関する詳しい相談や、あなたの環境に最適なサウナ選びについては、idetox(アイデトックス)の専門スタッフまでお気軽にお問い合わせください。

 

アンケート - idetoxアンケート

アンケート

最後までご覧いただきありがとうございます。 皆さまの声を参考に、より良いサウナや情報を提供していきたいと思います。 質問は3つです。ご協力よろしくお願いします!

サウナ室の素材・色合いはどれが好みですか?
サウナ室のスタイル・形はどれが好みですか?
あると一番うれしい設備・機能は?
質問 1 / 3
ご回答ありがとうございました!
皆さまの貴重なご意見を参考に、
より良いサウナや情報を提供してまいります。
送信中にエラーが発生しました。もう一度お試しください。

サウナにハマり「サウナ・スパ 健康アドバイザー」や「サウナ・スパ プロフェッショナル」「サウナ・スパ 健康士」の資格を取得。 サウナの利用は週に1回程度のミドルユーザーです。主に記事の執筆を担当しています。

SNSをフォローしていただくと、サウナに関する情報を随時お届けいたします。

NEXT

こちらもおすすめの記事

RECOMMEND BOX SAUNA