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最高のサウナ室を作るための条件【温度・湿度・換気】

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最高のサウナ室を作るための条件【温度・湿度・換気】

はじめに

サウナの本場フィンランドでは、最高なサウナの条件として「温度」「ロウリュ(湿度)」「換気」の3つを整えることが重要だと考えられています。

ここではこの3つを事業用サウナの目線で詳しく解説していきます。最高のサウナを目指すヒントにしていただければと思います。

※「ドライサウナ」「フィンランド式サウナ」を前提としています。

※idetoxでは屋内・屋外問わず、豊富なカスタマイズができるサウナを多数販売しています。建築条件やご要望に合わせた最適なサウナをご提案し、設置までをサポートいたします。お気軽にお問い合わせください。

 

 

3つの条件がある理由

まずは、なぜ「温度」「ロウリュ(湿度)」「換気」の3つを整えることが、フィンランドで最高のサウナの条件になっているのでしょうか。

大きく理由は2つあります。

 

体感温度

理由の1つはこれらが「体感温度」に関わるからです。

どういうことかというと、人間の体感温度は「温度」「湿度」「風速」によって変化します。

ただ温度が高いだけでは、なかなか体感温度は上がりません。湿度を上げたり、適度な風の流れを起こすことによって効率よく体感温度を上げることができるのです。

もちろん、事業用サウナにもロウリュ非対応のドライサウナの選択肢があります。ロウリュによって湿度を上げない場合は温度と風速(換気)を調整していくことで体感温度を上げることになります。

 

快適な呼吸

「換気」に関しては、環境を整えることで新鮮な空気を取り込んで、気持ちのいい呼吸が出来るようになる、という理由もあります。

人が多く行き来したり、長時間連続で稼働する事業用サウナでは室内の空気が汚染したり酸素濃度が薄くなってしまいがちです。そんな中に新鮮な空気を循環させることで利用者に快適な呼吸を提供することができるのです。

  

最適な温度と計測時の注意

ではここからそれぞれの条件について深掘りしていきます。まずは温度についてです。

日本サウナ・スパ協会のサウナ・スパプロフェッショナル公式テキストによると

サウナ室における入浴者の頭の位置の温度は80~90℃が適当

とされており、また

若い人は高温を、老人は低温を好む傾向がある

ことも記載されています。

つまり、基本的に頭の位置の温度計で80~90℃を目安にしながらも、運営するサウナがどのターゲット(年齢層)を狙っているかによって調整したほうが良いようです。

 

温度に関する注意①:温度を決める要素

温度設定を決めるのは当然ストーブ(ヒーター)になります。

しかし部屋の温度は単にストーブの火力(出力)や部屋の広さだけではなく、壁・天井・ベンチなどの材質や構造、また換気する空気量によっても変わってきます

例えば電気ストーブの場合「面積(㎡)の10倍の出力のストーブ(KW/h)を設置する」という簡易的な目安もありますが、一概にこれだけでは正しく判断できないのです。

 

温度に関する注意②:壁からの輻射熱

サウナではストーブや空気から熱を感じるだけでなく、壁や天井などからの輻射熱も感じます。

特に壁面に木材を使用している場合は、輻射熱が十分に発生するまでに時間がかかってしまいます

温度を測る際には十分に壁面が温まってから計測するようにしましょう。

 

温度に関する注意③:計測する位置

天井付近の壁に温度計を設置して計測しているサウナ室をよく見かけますが、サウナ室の温度は床面からの高さによって温度が大きく変わります

最も計測が必要な場所は入浴者の頭の高さです。そして壁や天井などの輻射熱も考慮して、利用者が実際に座る位置で計測するようにしましょう。

間違っても天井の高いサウナ室で、天井付近の温度を確認して満足しないように注意しましょう。

 

最適な湿度

湿度は体感温度を効果的に上げる役割があるなど、サウナ室内を快適な空間に感じるための重要な要素の1つです。

湿度が低すぎると、サウナ室内で呼吸をしたときに喉や鼻などの粘膜に痛みが生じたり、耳や手足などの末端が熱く感じすぎてしまいます。逆に湿度が高すぎると、サウナ室内に入っただけで皮膚で結露をおこしてしまい、ジメジメとした嫌な感じや熱さを直に感じやすくなってしまいます

そのためロウリュに対応したサウナ室はもちろんのこと、ロウリュ非対応のドライサウナであっても最低限の湿度管理は必要です。

 

結論から言うと湿度が低すぎず高すぎない、サウナ利用者にとっての最適な基準は「比湿(絶対湿度)で50g/kg前後」とされています。

物理学的な詳しい理由は省きますが、最適な湿度を考える場合は「%」で表す相対湿度ではなく、温度によって変化しない「比湿」を利用するほうが正確です。

しかし、一般的に湿度の話をしたり計測するときには「相対湿度(%)」を使用しますね。実は、比湿から相対湿度への変換は、そのときの温度によって変わってきます。

そこで分かりやすく比湿50g/kgを、いくつかの温度で相対湿度に変換して以下の表にしてみました。サウナの湿度管理を行うときには参考にされてみてください。

 温度(℃) 相対湿度(%)
70 25.3
80 16.6
90 11.2
100 7.7

 

最適な換気

先に説明した通り、換気は長時間稼働し続けるサウナ室内の酸素濃度を安定化させたり、汗などで空気が汚染されるのを防いだり空気循環を促して体感温度を上げるなどの役割があります。

換気をするためには、新鮮な空気を取り込む給気口と汚染された空気を排出する排気口が必要です。通常はサウナ室にそれぞれ1個、計2箇所の穴を設けることで空気は通り抜けるようになります。

注意点としては市町村の条例などにより給排気口の穴の大きさや位置、給気元・排気先の空間などに指定がある点です。このあたりは日本サウナ・スパ協会の「サウナ設備設置基準」や市町村などの担当窓口で確認しておきましょう。

換気に関して重要な要素は、「換気する空気量」と「給排気口の位置」とです。

 

換気する空気量

電気ストーブの場合、給排気する空気は、1時間あたりにサウナ室の総体積の5倍以上を循環させることを目安にしておきましょう。これは一般的に酸素濃度の観点で考えるよりも大きい数字ですが、夏場に不快に感じにくくするための目安となります。

夏と冬で温度や湿度が違うため快適に感じる換気の量が変わります。そのため、給排気口には出力を変更できるファン(機械換気)を使用すると安心です。

また、給気と排気の量を揃えることが標準的ですが、サウナ室の扉が開いたときに、室内の温度が下がらないように(外の空気があまり入らないようにするために)、給気の量を増やして「部屋をやや陽圧にしておく」という手もあります。

こちらも市町村の消防法関連の条例などに規定されている場合が多いので、検討する際には一度確認しておきましょう。

 

給排気口の位置

給排気口の位置次第でサウナ室内の空気の循環の仕方が大きく変わります

これについてはサウナ室の広さや形状、また自然換気か機械換気かによって変わってくるため一般的な正解はありません。

考え方としては、まずストーブによって熱された空気が天井に向かって上昇することを念頭に、室内の隅々までしっかり暖かくて新鮮な空気が流れるイメージを作れる構造を目指していきましょう。

 

例えばサウナストーブ側の下段の壁に給気口を設置したとき、反対側(対角線上)の壁の上段に排気口があると自然な空気の循環ルートが出来ます。しかし、空気が直線的に流れてしまうと、部屋の一部にどうしても空気が淀むエリアが発生してしまいます。そのため、給気口をストーブ側の下段に、排気口を反対側の下段に設置することで、部屋全体の空気循環の効率を上げることができます。

この方式はサウナ室の換気システムの最も代表的な例です。

しかしこれにも欠点があります。天井付近の空気がなかなか流れずに滞留してしまい、天井付近だけ極端に高い温度になりがちな点です。特に広いサウナ室になれば、この欠点は大きく影響するでしょう。

 

給排気口のアイデア

最後に場所による温度差や、新鮮な空気を隅々まで広めるための給排気口の位置のアイデアを2つ紹介していきます。

1つ目は以下の図のような形で、特に長方形型のサウナ室で有効なものです。

まずストーブ側の壁の上段と近くの天井に給気口とファンを設置します。そして反対側の下段に排気口を設置します(給気口:2、排気口:1)。これによってストーブから上方向に流れる熱した空気を横方向や下方向に流すことができるのです。

このとき給気口はファンを設置して機械換気にした上で、やや出力を強くしないと、暖かい空気が逆流してしまうので注意しましょう。

 

2つ目は代表的なサウナ室の換気口の位置を応用したものです。

まずストーブ側の壁の下段に給気口を設置します。そして反対側の上段と下段にそれぞれ排気口を設置します(給気口:1、排気口:2)。これによって天井付近でも床付近でも適度に空気を排出して新鮮な空気を循環させることができるようになります。

このとき排気口の直径やファンの出力は給気口の半分にして給排気のバランスを取っておきましょう。

 

2つのアイデアをご紹介しましたが、地域によっては給排気口の位置が明確に定められている場合もあります。ただ、例外的に認めてもらう申請も一般的に可能です。

換気が適切に行われる資料を持参して「特例承認申請」を行うか、給排気口の位置は諦めて室内をブロワー等で強制的に循環させるようにしておきましょう。

 

 

「温度」「湿度」「換気」のいずれにしても、調整する際には管轄の保健所などと(設計段階から)綿密なコミュニケーションを取るようにしてください。

 

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サウナにハマり「サウナ・スパ 健康アドバイザー」や「サウナ・スパ プロフェッショナル」「サウナ・スパ 健康士」の資格を取得。 サウナの利用は週に1回程度のミドルユーザーです。主に記事の執筆を担当しています。

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