業務用サウナ導入のメリットと家庭用サウナとの違い
はじめに
「客室単価を上げる材料がほしい」「近くの施設と違いを出したい」。そんな理由から、サウナの導入を考え始める事業者様は少なくありません。一方で、本当に元が取れるのか、どんな負担が増えるのかが見えないと、決めきれないですよね。
厚生労働省が2026年に行った調査では、サウナのある施設は旅館業で5,240、公衆浴場業で7,812ありました(2026年4月20日時点。157自治体のうち4自治体は未回答)。施設・事業用のサウナは、全国ですでに数千の施設が持つ設備ということ。だからこそ、入れる前に「何が得られて、何を背負うのか」を整理しておきたいところです。
この記事では、施設・事業用のサウナについて、次の4つを順に解説します。
- 業務用サウナのメリット(収益・集客・差別化)
- 導入の前に知っておきたい負担(費用・清掃と点検・工事中の営業)
- 家庭用サウナとの違い(手続き・使い方・大きさ)
- 業種別の業務用サウナの例
業務用サウナをご検討中の方は、ご希望の条件を添えてお気軽にご連絡くださいませ。

事業者向けサウナのメリット

まずは、施設・事業用にサウナを入れて得られるものから見ていきます。大きく分けると、収益・集客・差別化の3つ。あわせて、既存の施設に後付けで入れやすいという導入面での利点もあります。どれも「入れれば必ず得られる」ものではなく、施設の条件しだいで大きさが変わる点は先に押さえておきましょう。
業務用サウナで収益を上げる:客室単価と利用料金
宿泊施設なら、サウナ付きの客室を別の料金で売る、サウナを有料のオプションにする、といった形で単価に上乗せできます。エネルギー費や人件費が上がるなか、単純な値上げではなく付加価値と一緒に価格を見直せるのが、サウナを入れる理由のひとつです。
上乗せした分で何年かけて投資を回収できるかは、客室単価と稼働率で変わります。導入の前に「ROIシミュレーター」で試算しておくと、社内の説明もしやすくなるはずです。
宿泊者以外にもサウナだけの利用料金を設ける方法もありますが、宿泊者以外に使わせると、公衆浴場の許可が要る場合があります。料金の形を決める前に、保健所へ確かめておきましょう。サウナハットなどの物販を組み合わせる方法もあります。
施設のサウナで集客と顧客満足度を上げる
サウナを目当てに宿や施設を探す人にとって、サウナがあるかどうかは選ぶ理由のひとつ。施設・事業用のサウナは、こうした人に検索や比較の段階で選ばれる入口になります。
反対に、サウナを使わないお客様がいるのも事実。サウナを有料のオプションや一部の客室だけに入れる形にすれば、使わない人の料金や使い勝手を変えずに済みます。
- ロウリュのイベントを開く
- 季節ごとのサウナの楽しみ方を発信する
こうした発信で、サウナをきっかけに施設を知ってもらう機会も作れるでしょう。集客の打ち手は「サウナ事業をPRする効果的なプロモーション方法」でも紹介しています。
業務用サウナで差別化とブランディングをする
近くにサウナのある施設がなければ、サウナがあること自体が違いになります。ただ、冒頭の調査のとおり、サウナのある施設は全国にすでに数千規模。差別化になるかは、近くの競合の状況で決まるので、まず周辺の施設を調べることから始めましょう。
すでに競合がサウナを持っているなら、違いを出すのは体験の中身です。サウナ室の大きさ、窓からの眺め、ロウリュができるか、水風呂や外気浴の場所までを含めて、施設のコンセプトに合う形を考えましょう。サウナを新しく入れること自体が、施設の新しさを伝える話題にもなります。
既存のスペースに後付けで入れられる機種もある
大がかりな建築工事を避けたい場合に向くのが、工場で仕上げた資材を現地で組み立てるボックス型(ユニット型)のサウナです。既存の客室やフィットネスルーム、スパの一角など、空いているスペースに後付けで設置でき、事業の成長や改装に合わせて移設・増設がしやすいのも利点です。
ただし後付けには、既存スペースの広さや形状、電源の容量、換気設備による制約がつきまといます。サウナ本体が基準を満たしていても、設置する部屋や区画の側で安全基準の確認が必要になることもあるため、置き場所の寸法・電源・法規の確認が先です。手続きの詳しい中身は、下の「事業者向けと個人向けのサウナの違い」の章と、「サウナを施設・事業で置くときの許可と届出【2026年版】」を参考にしてください。
業務用サウナの導入前に知っておきたい負担:費用・清掃と点検・工事中の営業

メリットが見えたところで、次に気になるのは「その代わりに何を背負うのか」でしょう。施設・事業用のサウナで先に見ておきたい負担は、費用・清掃と点検・工事中の営業・置く場所の4つです。
業務用サウナの導入費用は、サウナ室だけでは決まらない
業務用サウナの見積もりには、本体のほかに配送・組立・電気工事が入ります。さらに、サウナのまわりにシャワー・水風呂・休憩の場所・更衣室を新しく設けるなら、給排水の工事や内装の費用が別にかかるということ。屋外に置くなら基礎の工事も必要です。
費用の項目ごとの目安と、金額が変わる要因は「業務用サウナの導入ガイド」にまとめています。投資の回収まで含めて判断したいときは、前の章のROIシミュレーターも合わせてどうぞ。
施設のサウナは、毎日の清掃と定期の点検が要る
導入したあとにかかるのが、清掃と点検の手間です。目安になるのが、厚生労働省の「公衆浴場における衛生等管理要領」。サウナ室について、次のような管理を示しています。
- 毎日清掃・洗浄し、1か月に1回以上消毒する
- 1か月に1回以上保守点検し、室内の温度と湿度を定期的に測って、記録を3年以上保存する
この要領は国の技術的助言で、実際の基準を決めるのは都道府県などの条例。旅館の客室のサウナなど、施設の種類によって当てはまる基準も違うので、自分の施設の基準は保健所に確認してください。電気ストーブの点検(運転電流・漏電遮断器など)や、電気代などの光熱費も、運営の費用として見込んでおきましょう。清掃の進め方は「サウナ施設の清掃と衛生管理のポイント」、電気設備の点検は「サウナ導入時の電気設備の注意と定期点検」で解説しています。
業務用サウナの工事中は、営業に影響が出ることがある
営業中の施設にサウナを入れると、工事のあいだは音や人の出入りが増え、場所によってはその区画を閉める必要も出てくるでしょう。電気工事で一時的に電源を止める場面もあります。
影響の大きさは、搬入の経路・電気工事の範囲・給排水の工事の有無で変わります。工事の範囲と日程を、見積もりの段階で施工する側とすり合わせておくと、閑散期に合わせるなどの段取りが組めます。納期の目安と導入までの流れは、導入ガイドで紹介しているとおりです。
施設のサウナは、置く場所と動線で使い心地が変わる
サウナを入れるには、サウナ室そのものの広さに加えて、出入りやメンテナンスのための余白が必要。もうひとつ見落としやすいのが動線です。サウナから水風呂・シャワー・休憩の場所までが遠いと、せっかくのサウナが使いにくくなってしまいます。
客室・大浴場・屋外のどこに置くかで迷ったら「客室と大浴場、サウナを設置する場所ごとのメリット」、サウナ室の寸法や扉・ストーブの配置は「サウナ室の設計・構造の基本」が参考になります。
事業者向けと個人向けのサウナの違い

負担まで見えてくると、「家庭用のサウナを置くのではだめなのか」という疑問も出てくるかもしれません。idetoxを含め、部屋の一角や庭に置ける家庭用サウナを扱う販売店は増えてきました。では、施設・事業用のサウナは家庭用と何が違うのでしょうか。違いは大きく3つあります。
- 手続きと安全の基準
- カスタマイズ性
- サイズと収容能力
業務用サウナは、手続きと安全の基準が家庭用と違う
いちばん大きな違いは、施設・事業で置くサウナには、消防署への届出が関わることです。サウナのストーブは、工事の前に消防署へ届け出るのが基本。届出が要らない例外は、個人が私生活で使うものに限られます(扱いは市町村の条例で違います)。
使い方によっては、保健所の許可や基準も関わります。たとえば公衆浴場の衛生等管理要領が、サウナ室の中を見通せる窓・温度計・非常用ブザーなどを示しています。2025年12月の東京都港区の個室サウナの火災のあとは、扉の構造や非常用ブザー、緊急時の駆けつけ体制についても、国が自治体に指導を求め、条例で義務にした自治体もあります。
使う人数と時間も、家庭とは違うところ。1日に何人が、何時間使うのかを伝えたうえで、ストーブや本体の仕様を機種ごとの仕様書で確かめると安心です。手続きの全体と2026年の改正は「サウナを施設・事業で置くときの許可と届出【2026年版】」で詳しく解説しています。
※法令・条例の扱いは2026年10月時点の情報です。自治体ごとに違うので、設置の前に管轄の消防署・保健所・建築の窓口に確認してください。
業務用サウナはカスタマイズの幅が広い
業務用サウナは、施設の広さや使い方に合わせて、サイズ・形・ガラスの入れ方などを選べる機種が多くあります。
もちろん何でも自由に変えられるわけではありません。それでも、照明や給排気の配置まで含めて、施設のコンセプトに合わせたサウナ室を組み立てられるのが、施設・事業用ならではの点です。
業務用サウナはサイズと収容能力が大きい
温浴施設やジムなど、大人数が同時に使う場所には、家庭用より大きな機種が選ばれます。
大きな機種なら、混んでいてもゆったり座れる空間を利用者に用意できるでしょう。その分、サウナ室が大きいほどストーブの出力と必要な電源も大きくなるので、置く場所の電源の容量は早めに確かめておきたいところです。
【業種別】業務用サウナ例
手続きと使い方の違いが分かったところで、実際の機種を見てみましょう。事業の形態によって、合うサウナの種類も変わるもの。ここからはidetoxで販売している業務用サウナを、業種別に紹介していきます。
【宿泊施設・銭湯】外に設置する大規模サウナ小屋
- 屋外に置くフィンランド式サウナ(ロウリュ対応)
- レッドシダーなどの無垢材を使ったシンプルなデザイン
- 選べる3サイズで最大10人収容可能
- Harvia製の電気ストーブを採用
- 壁厚5cm・8mmガラスの構造
【宿泊施設】客室に置けるプライベートサウナ

- お部屋の角にぴったりと収まるコーナータイプ
- 4種類の木材から素材を選択可能
- 2面にガラスを使い、圧迫感を抑えたつくり
- お部屋のサイズに合わせて選べる3サイズ展開
【宿泊施設】シャワー・休憩スペース付き高級サウナ小屋

- サウナ室、シャワールーム、休憩スペースを備えたサウナ小屋(最大4人)
- レッドシダー材、ステンレス鋼メッキの外装、10mm強化ガラスのドア
- 休憩スペースは窓から自然光が入る
【ジム・整骨院・オフィス等】屋内に設置する大規模サウナ

- 最大8人まで利用できる、大型のフィンランド式の屋内サウナ
- ガラス壁を多く採用し、開放感のあるサウナに
- 用途やスペースによって選べる2つのサイズ展開
- 4種類の木材から好みの素材を選べる
機種のイメージがついたら、次は導入の進め方です。消防・保健所・建築の窓口、電源、費用の内訳、導入までの流れは、「業務用サウナの導入ガイド」で順に解説しています。
条件にあったサウナをご提案いたします
施設・事業用のサウナは、収益・集客・差別化の材料になる一方で、費用・清掃と点検・工事中の営業という負担も伴うのが現実です。どちらが大きいかは、施設の立地・競合・使い方で変わるもの。得られるものと背負うものを、自分の施設の条件で並べてから決めるのが、後悔しない導入の近道です。
idetoxでは、施設の広さや用途に合わせてサウナをご提案いたします。
業務用サウナの導入をご検討中の方は、業務用サウナの導入相談から、ご希望の条件を添えてお気軽にご連絡くださいませ。

業務用サウナの導入に関するよくある質問
業務用サウナを導入するメリットは何ですか?
施設・事業用のサウナは、客室単価や利用料金の上乗せ、施設を選んでもらう理由づくり、競合との差別化につながります。ただし効果の大きさは、施設の立地や近くの競合の状況しだい。
投資を何年で回収できるかは、客室単価と稼働率から「ROIシミュレーター」で試算できます。
業務用サウナのデメリットは何ですか?
業務用サウナの主なデメリットは、導入費用、清掃と点検の手間、工事中の営業への影響の3つです。シャワーや水風呂、休憩の場所を新しく設けると、費用はサウナ室の分だけでは収まりません。
導入したあとの管理について、公衆浴場の衛生等管理要領は、毎日の清掃や定期的な消毒・点検を示しています。施設の基準は保健所に確認してください。
業務用サウナと家庭用サウナの違いは何ですか?
施設・事業で置くサウナは、消防署への届出が基本で、使い方によっては保健所の許可や基準も関わります。使う人数と時間も家庭より多いため、機種の大きさやストーブの出力、電源も変わってきます。
手続きの詳しい中身は「サウナを施設・事業で置くときの許可と届出【2026年版】」で解説しています。
宿泊施設のサウナを日帰りの利用者にも使わせられますか?
宿泊施設のサウナを宿泊者以外にも使わせる場合は、公衆浴場の許可が要ることがあります。旅館業の施設で宿泊者だけが使う浴場は、公衆浴場法の対象外になるものがありますが、扱いは自治体によって異なるのが実情。
料金の形を決める前に、管轄の保健所に確認してください。
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