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サウナの内装材の選び方|壁材・天井材・床材と、ストーブ周りの不燃材

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サウナの内装材の選び方

はじめに

サウナ室の内装を決めるとき、「壁は何の木にするか」「床はタイルか木か」「ストーブのまわりは何で仕上げるか」で手が止まることがあります。サウナ室は高温で、水も使い、肌が直接触れる場所だからです。

サウナの内装材は、見た目より先に部位ごとの役目で選びます。肌が触れる壁とベンチは熱くなりにくい木、床は洗えて水が流れる材、ストーブのまわりは燃えない材、という分け方です。

この記事では、施設のサウナ室を計画する方に向けて、内装材の選び方を部位ごとに解説します。

  • 早見表…壁・天井・ベンチ・床・ストーブ周りに向く素材
  • 壁材と天井材…板に使う樹種の違い
  • ベンチ…肌が触れる所の材
  • 床材…洗えること、水が流れること
  • 不燃材…ストーブのまわりの、どこを何で仕上げるか
  • 外装…屋外サウナとサーモウッド

この記事の内容について

調査日:2026年10月13日。ここで扱うのは、ストーブでサウナストーンを温めるフィンランド式(ロウリュのできる)サウナ室です。不燃材の範囲や内装の制限は、自治体と建物、ストーブの機種で変わります。設計の前に、管轄の消防署・建築の窓口と、使う機種の説明書で確かめてください。

仕上げ材を選べる既製のサウナ室や、ストーブの機種の相談は、業務用サウナの導入相談で承っています。

サウナの内装材は部位で選ぶ:壁・天井・ベンチ・床の早見表

木の板で仕上げたサウナ室の壁とベンチ、石を積んだストーブ

はじめに、サウナ室のどこに何を使うかを一覧にします。それぞれの理由は、あとの章で順に説明します。

部位 向く内装材 選ぶ理由
壁・天井 節の少ない木の板(スプルース、アスペン、アルダー、レッドシダー、ヘムロックなど) 熱を伝えにくく、触れても熱くなりにくい。ヤニや節の少ないものを選ぶ
ベンチ 節のない木(アスペン、アルダーなど) 肌が直接触れる。金属の留め具が表に出ない作りにする
床 タイルなどの陶磁器質の仕上げ 水で洗え、勾配を付けて排水できる。石のかけらが落ちても傷みにくい
ストーブ周り 不燃材料(石、タイル、コンクリートなど) ストーブとの距離を詰めるときに、その範囲を燃えない材で仕上げる
屋外サウナの外装 雨と日差しに耐える木、熱処理した木(サーモウッド) 寸法の狂いと腐れを抑える。表面の塗装で色を保つ

なお、板の裏側に入れる断熱材や防湿層は、内装材というより壁の構造の話です。室内側から何を重ねるかは「サウナ室の設計・構造の基本」で断面図つきで解説しています。

サウナの内装に木を使う理由:熱を伝えにくい素材

サウナストーンを積んだストーブと木のベンチ

早見表で、壁とベンチが木になっている理由から見ていきます。サウナ室の空気は80〜90℃になりますが、木の壁やベンチには触れられます。木は、熱を伝えにくい素材だからです。

建築研究所が公表している建材の熱伝導率の表で比べると、差がはっきりします。数字が大きいほど、熱を伝えやすい素材です。

素材 熱伝導率(W/m・K) 木と比べると
天然木材 0.12 —
タイル 1.3 約11倍
コンクリート 1.6 約13倍
岩石 3.1 約26倍
鋼 55 約460倍

同じ温度の室内でも、石や金属は触れた肌に一気に熱を伝えます。だから、肌が触れる所は木で仕上げ、金属は表に出さないのがサウナの内装の基本です。厚生労働省の「公衆浴場における衛生等管理要領」も、入浴者が触れるおそれのある金属部分は断熱材で覆うなどの措置を求めています。

この表は樹種を分けていないので、「どの木がいちばん熱くなりにくいか」までは分かりません。樹種の違いは、次の章で別の観点から比べます。

サウナの壁材・内装の板:樹種の違いと比べ方

サウナの内装に使うレッドシダー・ヘムロック・パインの板の見本

木が向く理由が分かったところで、どの木を選ぶかです。サウナの壁材に使われる樹種は、国やメーカーで少しずつ違います。

フィンランドのサウナメーカーHarviaは、屋内用のサウナ室の壁と天井の板に、スプルース・アスペン・アルダー・熱処理したアスペンを挙げています。北米向けの説明書では、レッドシダーやパインも例に入っています。日本で販売されている既製のサウナ室には、レッドシダーやヘムロックを使うものもあります。

樹種 色と特徴 気をつける点
スプルース(欧州トウヒ) 白に近い明るい色。軽く、手に入りやすい 節からヤニが出ることがある。節のない板を選ぶ
アスペン 白〜薄い灰色。軟らかく軽い。ベンチにも使われる 水や菌に強い木ではない。屋外には向かない
アルダー 赤みのある色。伸び縮みが少ない 時間とともに色が濃くなる
レッドシダー(ウェスタンレッドシダー) 赤茶色で香りがある。軽く、加工しやすい 材が酸性で、鉄の釘は錆びやすい。留め具はステンレスに
ヘムロック 白に近い色。においが少なく、ヤニが出にくい やや割れやすい。釘打ちの位置に注意
熱処理した木(サーモアスペンなど) 中まで濃い茶色。ヤニが抜け、寸法が安定する 強度は下がる。扱いはていねいに

表の特徴は、フィンランドの木材情報機関(Puuinfo)とサウナの業界団体、北海道立林産試験場、国際サーモウッド協会の資料をもとにまとめました。

選ぶときに見るのは、次の3つです。

  • 節とヤニ…節のまわりはヤニが出やすく、抜けることもあります。肌が触れる壁には、節のない板(無節)が向きます
  • 色とにおい…白い木は明るく、赤い木は落ち着いた室内になります。香りの強さも樹種で違います
  • 乾燥…十分に乾燥した板を使います。乾燥が足りない板は、高温で反りや割れが出ます

「アスペンやアルダーは熱くなりにくい」と言われますが、これはメーカーや業界団体の説明で、樹種ごとの熱の伝わり方を比べた公的な数値は、今回調べた範囲では見つかりませんでした。密度を比べても、アスペン・スプルース・アルダーの差は大きくありません。樹種の差より、木か石・金属かの差のほうがずっと大きいと考えてください。

ちなみに、レッドシダーは日本で「米杉(ベイスギ)」とも呼ばれますが、日本のスギとは別の、ヒノキの仲間の木です。

サウナの天井材:壁と同じ板に、ストーブの上の備えを足す

木の板で仕上げた天井と、ストーブの上の遮熱板

壁の次は天井です。サウナ室でいちばん温度が高くなるのは天井の近くですが、天井材は壁と同じ木の板で仕上げるのが一般的です。厚生労働省の要領は、サウナ室の床・内壁・天井を「耐熱性の材料」で造るとしています。

天井で壁と違うのは、ストーブの真上です。日本サウナ・スパ協会の「サウナ設備設置基準」は、電気ストーブの上の天井に、金属などの不燃材料の防熱板を、天井面から15cm以上離して設けるとしています。大きさは、ストーブを上から見た外形以上です。

天井の裏側には、壁と同じく断熱材と防湿層を入れます。Harviaの設置説明書は、断熱材を厚さ50〜100mmとし、アルミ箔の防湿層を、光る面を室内側に向けて張るよう書いています。熱は上に集まるので、天井の断熱が足りないと、必要なストーブの出力が上がります。

サウナのベンチの材:肌が触れる所は、節のない木で

サウナ室の木のベンチと桶

天井とは逆に、利用者の肌がいちばん長く触れるのがベンチです。ベンチの材は、壁よりも一段ていねいに選びます。

Harviaのサウナ室やベンチの部材では、座面にアスペン、アルダー、リンデン(シナノキの仲間)、熱処理したアスペンが使われています。どれも色が淡く、節の少ない板が取れる木です。

ベンチで大事なのは、樹種よりも作り方です。

  • 節のない板を使う…節は硬く、ヤニが出たり、抜けたりします
  • ビスは下から留める…熱くなった金属が肌に触れないようにします(Harviaの説明書)
  • 洗いやすい作りにする…汗を吸う場所です。施設では毎日の清掃が基本で(厚生労働省の要領)、それとは別に、Harviaの説明書は、ベンチ・壁・床をブラシとサウナ用の洗剤でていねいに洗う手入れを、少なくとも半年に1回行うよう勧めています

ベンチの段数や奥行の考え方は「サウナ室の設計・構造の基本」のベンチの章にまとめています。

サウナの床材:洗えること、水が流れること

サウナ室の入口まわりの、木のすのこ状の床

ベンチの下に広がる床は、木の壁とは選び方が変わります。施設のサウナ室の床材は、水で洗えて、水が流れることが条件です。

厚生労働省の要領は、サウナ室の床に、おおむね100分の1.5以上の勾配を付け、隙間がなく、清掃しやすい構造にすること、掃除の水を外に流す排水口を設けることを求めています。同じ要領は、サウナ室を毎日清掃・洗浄し、1か月に1回以上消毒するとしています。

この条件に合うのが、タイルなどの陶磁器質の仕上げです。Harviaの設置説明書も、床は陶磁器質の仕上げ材にし、目地は濃い色にするよう書いています。ストーブの石から落ちたかけらや、ロウリュの水の汚れで、弱い床材は傷みやすいからです。

  • タイル(陶磁器質)…施設のサウナ室の床の基本です。水洗いと消毒に耐えます。目地は濃い色にします
  • コンクリート・モルタル…ストーブの下や、タイルの下地に使います。日本サウナ・スパ協会の設置基準は、ストーブまわりの床をコンクリートなどの不燃材料としています
  • 木のすのこ…足ざわりをよくするために、床の上に敷く材です。外して洗い、乾かせるようにします

既製のサウナ室には、床に木のすのこを敷くものがあります。ただ、すのこについて定めた公的な基準は、今回調べた範囲では見つかりませんでした。施設では、すのこの下の床が洗えて水が流れることを先に満たしてください。なお、東京消防庁と船橋市の運用基準は、サウナ室にカーペットなど可燃性の敷物を使わないこととしています。清掃の手順は「サウナ施設の清掃と衛生管理のポイント」で解説しています。

サウナのストーブ周りの不燃材:どこを、何で仕上げるか

ストーブのまわりを石で仕上げたサウナ室

最後の部位が、ストーブのまわりです。「サウナ室は全部を木で仕上げてよいのか」という疑問には、ストーブとの距離しだいと答えることになります。

日本サウナ・スパ協会の「サウナ設備設置基準」は、対流型の電気ストーブについて、2つの置き方を示しています。

置き方 7.5kW以下 7.5kWを超え15kW以下 15kWを超え30kW以下
まわりを不燃材で仕上げない(木の壁のまま) 25cm以上離す 50cm以上離す 100cm以上離す
上の距離の範囲を不燃材料で仕上げる 壁まで10cm以上 壁まで20cm以上 壁まで20cm以上
ストーブの上(防熱板まで) 100cm以上 100cm以上 100cm以上

この表は、定格30kW以下の電気ストーブを室内に置く場合の、協会の自主基準です。つまり、距離を十分に取れば木の壁のままでよく、ストーブを壁に寄せたいときに、その範囲を不燃材にするという考え方です。同じ基準は、不燃材で仕上げる範囲の材料を、壁は抗火石などの石、床はコンクリート、天井はロックウールの吸音板か、これらと同等以上の不燃材料としています。その裏の断熱材は、厚さ25mm以上・密度24kg/㎥以上のロックウールやグラスウールです。

この基準は業界団体の自主基準で、法令ではありません。東京消防庁と船橋市の運用基準には同じ数値の表がありますが、消防本部の基準は自治体ごとに違います。一方、ストーブの説明書には、機種ごとの安全距離が書かれています。どちらの距離で設置できるかは、管轄の消防署との相談で決まります。ストーブの仕様書を持って、早めに確認してください。

なお、屋外に置くテント型や木製のバレル型で、ストーブが6kW以下のものは、2026年3月から「簡易サウナ設備」として別の基準で扱われます。

あわせて、次の2点も押さえておきましょう。

  • 囲い…設置基準は、人が簡単にストーブに触れないよう、囲いや柵を設けるとしています。ストーブに付属のガードがある機種は、必ず付けて使います
  • 石やガラスの壁とストーブの出力…石・タイル・ガラスの壁は熱を逃がします。Harviaの説明書は、断熱のない壁面1㎡につき、室の体積に1.2㎥を足して機種を選ぶよう求めています

建物の用途によっては、建築基準法の内装の制限が別にかかります。条文と確認先は「サウナを施設・事業で置くときの許可と届出【2026年版】」で解説しています。

屋外サウナの外装材とサーモウッド

屋外に設置した木製のバレルサウナ

ここまでは室内の話でした。屋外に置くサウナでは、雨と日差しを受ける外装材も選ぶことになります。

外装でよく使われるのが、木を高温で熱処理した「サーモウッド」です。薬剤を使わず、熱と蒸気だけで木の性質を変えます。国際サーモウッド協会の資料(ThermoWood Handbook 2025)によると、熱処理で変わるのは次の点です。

良くなること 気をつけること
木がふくむ水分が減り、伸び縮みが小さくなる 曲げや衝撃への強さは下がる。柱や梁など、荷重を支える部分には使えない
腐りにくくなる 土や水に直接触れる使い方は勧められていない
ヤニが抜ける。中まで濃い茶色になる 塗装をしないと、日差しで灰色に変わる。屋外は表面の塗装が勧められている
熱を伝えにくくなる(北欧の針葉樹で20〜25%) 材が酸性になる。留め具はステンレスを使う

サーモウッドは、屋外サウナの外装に向いた材ですが、手入れが要らなくなるわけではありません。色を保つには、定期的な塗装が必要です。

既製のサウナ室では、どの木が使われているか

屋内用の既製のサウナ室

内装材を一から決める造作のほかに、工場で作ったサウナ室(ユニット)を置く方法もあります。ユニットの場合、内装材はメーカーが用意した樹種から選ぶ形になります。

idetoxで扱うサウナ室を例にすると、次のとおりです(2026年10月時点の商品ページの記載)。

  • 屋内用のサウナ室…レッドシダー・ヘムロック・アスペン・パインの4種から選ぶモデルが中心
  • 屋外用のバレルサウナ…レッドシダー・ヘムロック・パインの3種から選び、サーモウッド加工を足せるモデルがある
  • ヒノキ製のバレルサウナ…ヒノキを主な材にしたモデルもある
  • 石の壁…壁の一部を石で仕上げるモデルがある(石の面積は、ストーブの出力の選び方に関わります)

樹種による見た目の違いは、商品カタログ(PDF)の写真で見比べられます。施設のサウナ室で、仕上げ材と不燃材の範囲、ストーブの機種を合わせて決めたい場合は、図面の段階からご相談ください。

まとめ:サウナの内装材は「触れる所・洗う所・熱い所」で分ける

木目の見える木の板

サウナの内装材の選び方を、決める順に並べ直すと次のとおりです。

  1. ストーブの位置と機種を仮に決める…壁との距離で、不燃材の範囲が決まる
  2. ストーブ周りの仕上げを決める…距離を取るか、不燃材で仕上げて寄せるか。消防署に確認する
  3. 床を決める…洗えること、勾配と排水
  4. 壁と天井の板を決める…樹種は、節・色・におい・乾燥で比べる
  5. ベンチを決める…節のない板、ビスは下から、外して洗える作り

肌が触れる所は木、洗う所はタイル、熱い所は不燃材。この3つを分けて考えれば、内装材は迷わず選べます。

施設へのサウナ導入や、施主様からサウナのご相談を受けた工務店・設計事務所様は、事業者向けのご案内ページをご覧ください。機種の選定から、仕様書のご用意、概算のお見積りまで、まとめてご相談いただけます(お電話: 092-407-7887)。

導入全体の進め方は「業務用サウナの導入ガイド」にまとめています。

サウナの内装材・壁材に関するよくある質問

サウナの壁材には、どの木がおすすめですか?

サウナの壁材には、節が少なく、ヤニの出にくい木が向きます。メーカーのHarviaが挙げるのはスプルース・アスペン・アルダーで、既製のサウナ室にはレッドシダーやヘムロックを使うものもあります。施設のサウナ室では、色とにおいの好みに加えて、節のない板が手に入るかで選んでください。

サウナの床材は、木とタイルのどちらがよいですか?

施設のサウナ室の床材は、水で洗えて排水できるタイルなどが基本です。厚生労働省の要領は、床に勾配と排水口を設け、清掃しやすい構造にするよう求めています。木のすのこは、その上に敷く足ざわりのための材として使います。

サウナのストーブの周りは、どこまで不燃材にする必要がありますか?

ストーブと壁の距離で変わります。日本サウナ・スパ協会の設置基準では、7.5kW以下の電気ストーブなら、木の壁から25cm以上離せば不燃材の仕上げは求められず、それより寄せる場合に、その範囲を不燃材料で仕上げます。施設のサウナ室では、管轄の消防署に確認してください。

サウナの天井材は、壁と同じ木でよいですか?

同じ木の板で仕上げるのが一般的です。ただし、電気ストーブの上の天井には、不燃材料の防熱板を天井面から15cm以上離して設けるという基準があります。施設のサウナ室では、天井の裏の断熱と防湿もあわせて計画してください。

サウナにハマり「サウナ・スパ 健康アドバイザー」や「サウナ・スパ プロフェッショナル」「サウナ・スパ 健康士」の資格を取得。 サウナの利用は週に1回程度のミドルユーザーです。主に記事の執筆を担当しています。

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