コンテンツに進む

コラム

家で水風呂に入るには?浴槽と冷やし方の組み合わせを水温・費用で比較|自宅サウナ向け

家で水風呂、どう用意する?(自宅サウナの水風呂)

はじめに

サウナは決まった。置き場所もだいたい見えてきた。そこでふと手が止まるのが、「水風呂はどうしよう」という問題ではないでしょうか。

家のお風呂に水を張るだけで足りるのか。氷を買えばいいのか。それとも、水を冷やしながら循環させる「チラー」という機械まで要るのか。調べるほど選択肢が増えて、決めきれなくなりがちです。

実は、家の水風呂は「どこで冷えるか」と「どう冷やすか」の2つを決めれば形になります。この記事では、その決め方を順番に整理しました。

  • どこで冷えるか…浴室の水シャワー、浴室の浴槽、水風呂用の浴槽
  • 冷やし方…水道水だけで何月まで冷たいか、夏は氷かチラーか
  • 費用…全部でいくらかかるか


自宅サウナに水風呂は要る?シャワーとの違い

サウナ室の隣にあるガラス張りのシャワールーム

最初に考えたいのは、自宅サウナに水風呂が本当に要るかどうか。結論からいえば、水風呂がなくてもサウナは楽しめます。ただ、シャワーと水風呂では、体の芯の冷え方が違います。

自宅サウナのあとは、浴室の水シャワーでも体を冷やせる

お湯を混ぜずに水道水だけでシャワーを浴びれば、サウナで温まった体を冷やすことができます。浴室があれば、初期費用はいらず、かかるのは水道代だけ。首や手足など、冷やしたい場所に当てられるのも利点です。

ただし、シャワーで冷やせるのは水道水の温度まで。この「水道水の温度」は季節で大きく変わるのですが、それは後の章で詳しく見ていきます。

自宅サウナの水風呂とシャワーでは、深部体温の下がり方が違う

サウナで上がるのは、肌の温度だけではありません。体の芯の温度、つまり深部体温が上がります。水風呂とシャワーではこの深部体温を冷やすことに差が出ます。それぞれどう下がるかについては、参考になる実験があります。

  • 水シャワー…運動で深部体温(直腸温)を39℃前後まで上げた人が、約21℃のシャワーを15分浴びた実験では、下がる速さは平均で毎分0.07℃。何もしない場合(毎分0.04℃)よりは速いものの、差はわずかでしたButts ほか, 2016
  • 全身で浸かる…深部体温を40℃まで上げた人を水に浸けた実験では、20℃の水で平均で毎分0.19℃、14℃で毎分0.15℃でしたProulx ほか, 2003

同じ20℃前後の水でも、浴槽で全身で浸かったほうが、深部体温が冷えやすいのです。

ただし、どちらもサウナではなく、運動で体温を上げた人を冷やした実験です。参加者も、冷やし始めの体温も、冷やした時間も若干違うため、数字は目安として見てください。

差が出る理由として考えられるのは、水が肌に触れる広さと、触れ続けるかどうかです。水は空気よりずっと熱を伝えやすく(熱伝導率はおよそ20倍以上)、水風呂では全身の肌が水に包まれたまま冷やされます。シャワーは全身を濡らすこともできますが、水が当たる場所は動き続け、当たっていない肌は空気に触れています。

注意!

これらは「ととのう」の仕組みを調べた研究ではありません。確かなのは、サウナで上がった体の芯の熱を短い時間で逃がしたいなら、シャワーより水風呂が向いているということ。冷たい水に急に入ると心拍や血圧が大きく変わることがあるため、かけ水をしてからゆっくり入り、無理に長く入らないようにしましょう。注意点はサウナ後の水風呂は危険?6つのリスクと安全に楽しむためのポイントにまとめています。

では、家で水風呂を用意するとしたら、何を決めればいいのでしょうか。


家庭用の水風呂は「どこで冷えるか」×「どう冷やすか」で決まる

水風呂用チラーと浴槽を2本のホースでつないだ様子

家で水風呂を用意するときに決めることは、2つだけ。どこで体を冷やすかと、その水の冷やし方です。まず、どこで冷えるかは3通りあります。

どこで冷えるか 初期費用 置ける場所 向いている自宅サウナ
浴室の水シャワー 0円 浴室 浴室の近くに置く屋内サウナ。まず手軽に始めたい
浴室の浴槽に水を張る 0円 浴室 浴室の近くに置く屋内サウナ。全身で浸かりたい
水風呂用の浴槽に水を張る 約6万円〜 庭・テラス・ベランダなど 屋外サウナ、浴室から離れた屋内サウナ

水シャワーは、水道水のシャワーのこと。冷やせるのは水道水の温度までです。

次に、浴槽に張る水の冷やし方は3通り。どちらの浴槽とも組み合わせられます(家庭用チラーを浴室の浴槽に付けるのはハードルが高く、水風呂用の浴槽向きです)。

冷やし方 初期費用 1回の費用 張った直後の水温 要る季節
水道水のまま 0円 水道代 約110円 水道水と同じ 通年(冷たいのは冬〜春)
氷を入れる 0円 氷 約2,500〜4,300円 15℃前後まで下げられる 水道水がぬるい6〜10月
家庭用チラー 約49.5万円〜 電気代 数十円 設定した温度まで冷やせる 6〜10月(通年でも使える)

※水量320L(1人用の水風呂用浴槽の一例)で計算。水道代は東京23区の料金、氷は25〜28℃前後の水道水を15℃にする場合。浴槽とチラーの価格は、idetoxで扱う水風呂用の商品の最安値(税込・2026年9月時点)。水温は張った直後の目安で、屋外や日なたでは時間とともに上がります。

決める順番は、「どこで冷えるか」が先、「冷やし方」があとがいいでしょう。水風呂用浴槽の置き場所は、家の間取りやサウナの位置でほぼ決まってしまう一方、冷やし方はあとから足せるからです。

使える浴槽とチラーは → 自宅サウナの水風呂(チラー・浴槽の一覧)


どこで冷えるかを決める|自宅サウナの置き場所から考える

木の浴槽と洗い場、シャワーのある浴室

ではまず、水風呂の置き場所について考えていきましょう。サウナを出てから水風呂までが遠いと、そのあいだに体が冷めてしまいますし、面倒くさくなりますね。基本的にサウナに近い空きスペースに配置することが最適です。

サウナ・水風呂・休憩場所のつなぎ方は水風呂と外気浴のポイントにまとめています。

自宅サウナの近くに浴室があるなら、家庭用の浴室がいちばん手軽

屋内サウナを脱衣所や浴室の近くに置くなら、今ある浴室をそのまま使うのが最短ルート。買い足すものはなく、水道代だけで始められます。まずは水シャワーで試し、肩まで浸かりたくなったら浴槽に水を張る、という順番でも構いません。

浴槽に張る場合の冷やし方は、水道水のままか、夏は氷を足すのが現実的です。

ただし、浴室の浴槽に家庭用チラーを付けることは非常にハードルが高いです。まず給排水の穴を開けることはバスタブそのものを加工や交換することになるため大きな工事がいります。浴槽の上からホースを入れる方法もありますが、チラー本体は防水でない機種も多く、置き場に困るかもしれません。チラーを使う場合は、水風呂用の浴槽のほうが向いているのです。

屋外の自宅サウナなら、庭やテラスに水風呂用の浴槽を置く

バレルサウナなど屋外に置くサウナなら、水風呂もその隣に置くのが自然です。水風呂用の浴槽には、使わないときにしまえる空気注入式と、置いたまま使う据置型があり、価格は約6万円から。

選ぶときに見たいのは、リットル数より浴槽の内寸。肩まで浸かれるかは、内寸と座り方で決まるからです。詳しくは水風呂の浴槽の選び方で扱っています。

ベランダ・屋上に家庭用の水風呂を置くなら、重さと排水を先に確認

ベランダや屋上に置く場合は、買う前に確かめたいことが2つあります。

  • 重さ(耐荷重)…水300Lは約300kg。人が入ればさらに重くなります
  • 排水…使い終わった水をどこへ流すか(マンションなら管理規約も)

浴槽を買ってから気づくと、置き場所から決め直すことになりかねません。具体的な数字と確認のしかたは、同じく水風呂の浴槽の選び方の「屋外に置くときの注意」で紹介しています。

どこで冷えるかが決まれば、次は冷やし方。まずは、水道水だけでどこまで冷たいのかを見ておきましょう。


冷やし方を決める①|自宅サウナの水風呂は、水道水だけで何月まで冷たい?

蛇口から浴槽へ流れ出る水

答えは季節しだいです。比べるために、まず水風呂の目安の温度から確認しておきます。

自宅サウナの水風呂は、施設と同じ15℃前後がひとつの目安

サウナ施設の水風呂は、15℃前後に設定しているところが多いようです。もっと冷たくしている施設もあり、10℃を下回る水風呂は「シングル」と呼ばれます。自宅でも、15℃前後をひとつの目安にして、ぬるいか冷たいかは好みで調整すると考えるとよいでしょう。

では、蛇口から出る水は何℃なのか。東京都水道局が公表している、都庁付近の蛇口の水温(令和5年度の月平均東京都水道局)を見てみます。

月 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3
水温(℃) 14.1 18.5 22.5 27.2 28.6 27.4 22.2 18.3 13.6 10.5 10.6 11.2

12〜4月は、家庭用の水道水を張るだけで施設並みの冷たさ

12月から4月までの月平均は10〜14℃。目安の15℃前後と同じか、それより冷たく、冷やす手段は要りません。1〜2月は施設の水風呂より冷たいくらいなので、入る時間を短めにして調整したい季節です。

5月と11月は18℃台で、目安より3℃ほど高め。少しぬるいと感じたら、氷を数袋足すだけでも変わります。

6〜10月の自宅サウナの水風呂は、水道水だけではぬるい

6月と10月は22℃台、7〜9月は27〜29℃。夏の水道水は、水風呂というより「ぬるめのお風呂」に近い温度です。この時期に冷たい水風呂に入りたいなら、氷かチラーで冷やす必要があります。

※都庁付近の1地点・1年分のデータです。お住まいの地域、建物の受水槽の有無、その年の気温で変わります。

つまり、(地域によりますが)冷やす手段が要るのは主に6〜10月。残る問題は、その時期を氷で乗り切るか、チラーを買うかです。


冷やし方を決める②|夏の自宅サウナの水風呂は、氷か家庭用チラーか

氷を浮かべた水風呂用の浴槽

氷とチラーの違いは、お金の払い方の違いと考えると分かりやすくなります。氷は「毎回払う」、チラーは「最初にまとめて払う」。どちらが得かは、夏に入る回数で決まります。

氷なら、家庭用の水風呂1回に約2,500〜4,300円

320Lの水風呂を15℃にするには、6月や10月(水道水22℃台)で約23kg、真夏(28℃台)なら約40kgの氷が要ります。3.5kg入りの純氷(1袋356円の例)で7〜12袋、1回あたり約2,500〜4,300円。

初期費用がかからず、入れたそばから冷えるのが氷の良さ。その一方で、毎回20〜40kgの氷を買って運び、溶ければ水温が上がっていくのは避けられません。

家庭用チラーは本体約49.5万円から。入る前に冷やしておける

チラーは、水を冷やしながら循環させる装置です。家庭用コンセントで動く機種なら、本体は約49.5万円から。320Lを25℃から15℃にするのに、冷却能力2,350Wの機種で約1.6時間(理論値)かかります。

時間はかかるものの、タイマーで先に動かしておけば、サウナを出たときには冷えています。2セット目、3セット目も冷たさを保ちやすいのがチラーの強み。ただし、真夏の日なたにふたなしで置くと冷えにくくなるので、日陰に置いてふたを用意するのが前提です。

POINT

1回の電気代は数十円程度。水まわりで使う機械なので、アースと漏電遮断器のあるコンセントなど、取扱説明書の電源の条件も確認しておきましょう。選び方は水風呂用チラーの選び方で解説しています。

自宅サウナに夏だけ週1回なら氷、週2回以上ならチラーも候補

では、何回入ればチラーの元が取れるのか。氷を使うのは6〜10月の5か月だけとして、年間の氷代を概算しました。

6〜10月に入る回数 年間の氷代(概算) チラー本体の元が取れるまで
月2回 約3.4万円 約15年
週1回 約7.5万円 約7年
週2回 約15万円 約3年

※1回の氷代は、前の章の水温から15℃にする場合(袋単位)。チラー本体は約49.5万円、元が取れるまでの年数はチラーの電気代を差し引いて計算しました。

氷代だけで比べれば、夏に週1回くらいまでなら氷のほうが安いという結果です。ただ、これは冬〜春に水道水だけで済む前提の話。1年中氷で冷やすなら、週1回でも約3年で元が取れます(水風呂を冷やすのは氷かチラーか)。回数が増えるほど、毎回の氷の買い出しが要らないチラーの手軽さも効いてきます。


まとめ|自宅サウナの水風呂は、どこで冷えるかを決めて冷やし方を足す

木製の水風呂用バスタブ

自宅サウナの水風呂は、次の順番で考えると迷いません。

  • どこで冷えるかを決める…サウナの近くに浴室があれば浴室の水シャワーか浴槽(0円)、なければ水風呂用の浴槽(約6万円〜)
  • 冬〜春は水道水のまま…東京なら12〜4月は張るだけで施設並みの冷たさ
  • 夏の冷やし方を決める…6〜10月に週1回くらいまでなら氷(1回約2,500〜4,300円)、週2回以上入るならチラー(約49.5万円〜)も候補

浴槽とチラーは別々に買えるので、まずは浴槽だけで始め、夏に入る回数が増えてからチラーを足しても無駄にはなりません。浴槽とチラーがセットになった商品(約56.7万円〜)もあります。

いちばん覚えておいてほしいのは、冷やす装置が要るのは水道水がぬるい季節だけということ。冬から春にかけては、水を張るだけで自宅に水風呂ができます。

置き場所や水量からご相談いただけます → サウナ選びサポート


よくある質問

Q. 自宅の水風呂は何℃にすればいい?

施設と同じ15℃前後が、自宅サウナの水風呂のひとつの目安です。冷たさに慣れるまでは短い時間で上がり、持病のある方は事前に医師に相談してください。

Q. 家のお風呂の浴槽を自宅サウナの水風呂にしてもいい?

使えます。12〜4月なら、水道水を張るだけで十分冷たい水風呂になります。夏は氷を足すのが現実的です。家庭用チラーをつなぐ場合、追い焚きの循環口は給湯器の配管につながっているため使えません。

Q. 冬の自宅の水風呂は水道水だけで足りる?

東京(都庁付近)の水道水は12〜4月の月平均が10〜14℃で、自宅サウナの水風呂なら張るだけで足ります。1〜2月は目安の15℃前後より冷たいので、入る時間は短めにしてください。

Q. 自宅サウナの水風呂にチラーは必要?

必須ではありません。夏に週2回以上入るなら検討する価値がある、という位置づけです。家庭用チラーは本体が約49.5万円からと高く、夏に入る回数が少ないうちは氷のほうが安く済みます。一方で、入る前に冷やしておけることと、2セット目以降も冷たさを保ちやすいことは、チラーならではの良さです。

アンケート - idetoxアンケート

サウナアンケート

最後までご覧いただきありがとうございます。 いつも行くサウナについて教えてください。 質問は3つ・30秒で終わります。

よく行くサウナで、一番気になることは?
好きな水風呂の温度は?
一番よく行くサウナまで、片道どれくらい?
質問 1 / 3
ご回答ありがとうございました!
家なら混雑も移動もなく、水風呂も好きな温度に。
理想の自宅サウナを3Dでつくってみませんか?
自宅サウナを3Dでつくってみる
送信中にエラーが発生しました。もう一度お試しください。

サウナにハマり「サウナ・スパ 健康アドバイザー」や「サウナ・スパ プロフェッショナル」「サウナ・スパ 健康士」の資格を取得。 サウナの利用は週に1回程度のミドルユーザーです。主に記事の執筆を担当しています。

SNSをフォローしていただくと、サウナに関する情報を随時お届けいたします。

NEXT

RECOMMEND BOX SAUNA