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水風呂の浴槽の選び方|自宅サウナに合う水量・サイズ・置き場所

水風呂の浴槽は水量で選ぶ

はじめに

自宅サウナの計画が進んでくると、ふと手が止まるのが「水風呂はどうするか」、ではないでしょうか。

サウナからお風呂の浴槽やシャワーまでの距離が近い方は問題ないかもしれませんが、屋外に設置するバレルサウナなどを検討している人の場合、専用の水風呂用の浴槽が欲しいところですよね。

しかし、サウナ本体やチラーは数字で比べられるのに、浴槽となると「何リットルあればいいのか」「空気で膨らませるタイプで大丈夫か」「庭に置きっぱなしにできるのか」と、判断の軸が見えにくいもの。けれど浴槽は、水量を決め、冷やす手間と置き場所まで左右する器です。

そこでこの記事では、家庭用の水風呂用浴槽を選ぶときに見るポイントを、決める順番に沿って整理しました。

  • 肩まで浸かれる内寸と、実際に張る水量の見方
  • 空気注入式と据置型の違い
  • 屋外に置くときの重さ・日差し・排水
  • 水道水・氷・チラー、冷やし方ごとに浴槽側で確認すること


家庭用の水風呂浴槽に必要な水量とサイズ

水風呂用バスタブの外部サイズ・内部サイズ・推奨容量を示した図

では、専用の浴槽は何から決めればいいのでしょうか。最初に決めるのはやはり「大きさ」です。とはいえ、外寸やリットル数を眺めるだけでは自分が肩まで浸かれるかは分かりません。見る順番は「内寸の高さと長さ」、次に「実際に張る水量」の2段階となります。

肩まで浸かれるかは、自宅の浴槽の内寸と座り方で決まる

自宅の水風呂でも、入り方は施設とほぼ同じです。浴槽の底に腰を下ろし、肩まで沈める。このとき水深が床に座ったときの肩の高さに届かないと、肩まで浸かりたい人には物足りない水風呂になってしまいますね。

候補の商品を見つけたら、床に座って肩までの高さを測り、浴槽の内寸と比べるのがいちばん確実でしょう。注意したいのは、商品ページの寸法が内寸とは限らないこと。たとえばHarviaのPVCタブは外寸の高さが65cmで、壁の厚さが8cmあります。外寸しか書かれていない場合、実際に張れる水深はそれより浅くなると考えてください。

長さも見ておきましょう。脚を伸ばして入りたいなら、床に座った状態でお尻からかかとまでの長さを測り、浴槽の底の長さと比べてください。上にいくほど広がる形の浴槽もあるので、ふちの内寸より底の長さのほうが実感に近いはず。

表示の容量と、自宅で実際に張る水量は違う

浴槽のリットル表示は、満水時の容量のこともあれば、メーカーが推奨する水量のこともあります。どちらなのか書かれていない商品も珍しくありません。

たとえば上の画像の専用バスタブは、水の最大容量が約500Lなのに対して、推奨容量は350〜400Lとされています。張れる最大の量と、実際に張る量には100L以上の差があるということです。リットル数はメーカーの表記で確かめる必要があります。

目いっぱい張れない理由のひとつは、人が入ると水位が上がること。体格にもよりますが、肩まで浸かれば数十リットル単位の水を押しのけます。推奨水量が書かれている商品なら、その量が溢れにくい目安です。

POINT

・推奨水量や上限の水位が書かれていれば、その値に従う

・満水時の容量しか書かれていなければ、人が入るぶんと氷を入れるぶんを見込んで、満水にはしない

・最終的な水位は、取扱説明書を確認したうえで、実際に入って決める

自宅の水風呂は、水量が増えるほど冷やす手間も増える

広い浴槽で水量が多いほど快適かというと、そうとも限りません。

自宅の水風呂の冷やし方は、水道水をそのまま張る・氷を入れる・家庭用チラーで冷やすの3つ。どれを選んでも、張る水の量がそのまま手間に跳ね返ります。

  • 水道水だけ…冷やす費用はかかりませんが、水量が多いほど、張るのにも抜くのにも時間がかかります
  • …25℃→15℃だとしても、水量100Lごとに氷が約10kg増えます
  • 家庭用チラー…冷却能力2,350Wの機種で10℃下げる場合、水が100L増えるごとに理論上約30分の時間が延びます

張る水が多いほど、入れ替えの時間も、氷の量やチラーの待ち時間も増えていく点は覚えておきましょう。冷やす手間を抑えたいなら、肩まで浸かれる範囲で小さめの浴槽を選ぶことをおすすめします。

氷の量の計算は水風呂を冷やすのは氷かチラーか、必要な冷却能力の出し方は水風呂用チラーの選び方にまとめています。


水風呂用浴槽のタイプ|空気注入式と据置型

ふたを付けた空気注入式の水風呂用浴槽

サイズの目安がついたら、次はタイプです。家庭用の水風呂用浴槽は、空気で膨らませる「空気注入式」と、置いたまま使う「据置型」の2つに大きく分かれます。

どちらのタイプが向くかを決めるのはサウナの使い方。自宅サウナを一年中同じ場所で使うのか、季節や来客に合わせて出し入れしたいのか、となります。

空気注入式は、自宅に常設しなくても使える

空気注入式は、主に塩ビ(PVC)の壁に空気を入れて形を保つタイプ。重さが分かっている取り扱い品では約15kgと約21kgと比較的軽く、使わない時期は空気を抜いて畳んでおけます。まるで大きな浮き輪を立てて並べたような作りで、設置と片付けの手間が小さいのが持ち味です。

弱点もはっきりしています。直射日光や雨風にさらし続けると、PVCは傷みやすいこと。HarviaのPVCタブも、屋外で使えるものの「日光や風雨に直接さらされる場所での使用は不可」とされています。

idetoxでは以下のような商品を取り扱っています。

  • Harvia PVCタブ…水量320L(標準仕様時)。空気入れ・カバー・補修用パッチ付き
  • ポータブルバスタブ…商品ページの表記は容量377L。水を外部とつなげる穴を2つ備える(接続するチラーとの口径や部材は別途確認)
  • 冷エール+専用バスタブ…推奨容量350〜400L(最大約500L)。チラーとのセットでのみ販売

据置型は、自宅の庭やテラスに置いたまま使える

脚の付いた木製の据置型バスタブ

据置型は、木製のバスタブや桶のように、決めた場所に置いたまま使う浴槽です。取り扱いの木製バスタブは長さ120〜160cmの全5サイズで、排水口・座椅子・カバーが付き、4本の脚で床から浮かせる作りになっています。

出し入れの手間がないぶん、「思い立ったらすぐ入れる」状態を保ちやすいのが据置型の良さ。そのかわり一度置くと動かしにくいので、置き場所と排水の経路は買う前に決めておく必要があります。

比べる点 空気注入式 据置型
使わない時期 空気を抜いて畳み、収納できる 置いたまま
屋外での使い方 直射日光・雨風を避けて置く 設置条件を商品ごとに確認して常設
チラーを使う場合のつなぎ方 接続口付きの商品がある 商品ごとに確認
浴槽単体の価格
(取り扱い品・税込)
約6万〜13万円 約20万〜25万円

氷やチラーで冷やすなら、その費用も含めた総額で比べるようにしてください。


屋外に水風呂の浴槽を置くときの注意

屋外の壁際に置かれた据置型の浴槽

タイプが決まったら、置き場所です。自宅サウナが庭やウッドデッキ、屋上にあるなら、浴槽も屋外に置くことになるでしょう。

このとき注意するのが「重さ」、「日差しと雨風」、そして「水の抜き先」です。

重さ|自宅のベランダ・屋上・ウッドデッキは床の強さを確認する

水は1Lでほぼ1kg。Harvia PVCタブに標準の320Lを張れば水だけで320kgあり、浴槽本体(約21kg)と体重65kgの人を合わせると400kgを超えます。

これを外寸150×80cmの面積で割ると、1㎡あたり平均で約340kg。建築基準法施行令 第85条が住宅の居室やバルコニーの床の構造計算に用いるとしている積載荷重は1㎡あたり1,800N(約180kg)なので、床の計算に使う積載荷重の2倍近い重さが1か所に集まることになります。

注意!

1,800N/㎡は、その床が耐えられる限界の値ではなく、構造計算に使う標準的な荷重です。上回ったから即危険、下回ったから安全、とはどちらも言えません。脚で支える浴槽では、接地している部分に重さがさらに集中します。

2階以上のベランダや屋上に自宅の水風呂を置くなら、建物の図面をもとに、所有者や管理組合、建築士に置いてよいかを確認してから決めてください。

地面の上に組んだウッドデッキでも油断はできません。デッキの床板は、下の根太(床板を支える横木)や束(根太を支える短い柱)に重さを伝える作りで、重いものを一か所に置くと床板のたわみや束の沈み込みにつながるおそれがあります。デッキを施工した業者やメーカーに耐荷重と置き方を確認し、あふれた水や排水が床板にかかり続けないようにしておくと安心です。

屋上に自宅サウナごと置く場合の考え方は、屋上サウナの費用と耐荷重でも扱っています。

日差しと雨風|直射日光と雨風から自宅の浴槽を守る

屋外に置いた浴槽の敵は、夏の日差しと雨風です。日が当たれば水温は上がる要因になりますし、PVCはもちろん、木材でも浴槽本体の傷みが進んでしまいます。

理想は、屋根やオーニングの下など一日を通して日陰になり、雨が直接かからない場所です。使わないときにカバーやふたを掛けておけば、落ち葉や虫が入るのを防げます。チラーを使うなら本体も防水とは限らないため、浴槽と一緒に屋根の下へ置けるかまで見ておきましょう。

自宅の水風呂の水を抜く先と、冬の凍結を先に考える

屋外の水風呂で意外に困るのが、使い終わった水の行き先です。300Lを超える水は、一気に流すと配管や土壌への負担が大きくなる可能性があります。

  • 流してよい先はどこか(庭の雨水桝や側溝に自己判断で流さず、下水の区分を自治体や建物の管理者に確認)
  • 冬に水やホースを残したままにしない環境か(凍結で破損するおそれ)

「置いてから水の抜き先を探す」順番だと、置き場所そのものを決め直すことになりかねません。浴槽を選ぶ段階で、排水の位置と経路までセットで考えておくのが近道です。


水道水・氷・チラー、冷やし方ごとに浴槽側で確認すること

水風呂用チラーと浴槽側面の接続口をホースでつないだ様子

置き場所まで決まれば、残るは冷やし方との相性です。水道水や氷で使うのか、家庭用チラーを付けるのかで、浴槽に求めるものは少しずつ変わります。

水道水や氷で使うなら、自宅の浴槽のふたと水位の余裕を見る

自宅の水風呂を水道水だけ、あるいは氷で冷やすなら、浴槽に特別な接続口は要りません。そのかわり、一度冷えた水をどれだけ保てるかは浴槽まかせになります。

水面が開いたままの浴槽は、いわばふたを開けっぱなしにした保冷ボックス。外気や日差しの熱を受け取り続けます。ふたやカバーがあれば、冷えた水風呂を長持ちさせやすいはずです。idetoxで取り扱っている商品にもカバーやふたがセットになっています。

氷を入れるなら、水量の章で見た水位の余裕も忘れずに。カバーをしていても水の交換や清掃は必要で、その目安は浴槽の取扱説明書に従うことになります。

家庭用チラーを付けるなら、ホースを入れるか接続口につなぐか

チラーは浴槽の水を吸い出し、冷やして戻す仕組みです。つなぎ方は大きく2通りで、給排水ホースを浴槽のふちから中へ入れる方法と、浴槽側面の接続口にホースをつなぐ方法があります。

空気注入式浴槽の内側にある循環用の吸込口

たとえば冷エールは、ホース2本を浴槽に入れて冷やす方式です(直接接続できる専用バスタブもあります)。一方で、ポータブルバスタブは、循環用の穴があらかじめ開いている浴槽です。

穴のない浴槽に接続口を後から付けるには、浴槽側の加工が必要です。idetoxでは浴槽の加工や接続工事は承っていません。加工せずに使うならホースを浴槽に入れる方式のチラーを、接続口につなぐ前提なら口の有無と規格が合う浴槽を選んでください。

対応水量と、家庭用チラーの能力を合わせる

チラーには、冷やせる水量の目安が示されている機種があります。冷エールなら対応水量は200〜400L(最大500L)で、専用バスタブの推奨容量350〜400Lもこの範囲の内側。

浴槽を先に選ぶ場合も、張る予定の水量がチラーの対応範囲に入るかを照らし合わせましょう。浴槽とチラーをまとめて選べる冷エール+専用バスタブのセットなら、この確認を省けます。チラーを使う場合も、ふたやカバーがあれば、水温を保つための運転を減らせるはずです。

自宅の浴室の浴槽に家庭用チラーを付ける場合のハードル

専用の浴槽を買わずに、今ある浴室の浴槽へチラーを足せないか、と考える方もいるでしょう。ホースを浴槽に入れる方式のチラーなら、つなぐこと自体はできます。ただ、浴室ならではのハードルがいくつもあるのが実情。

  • チラー本体の置き場所…防水仕様ではない機種は、濡れる浴室の中に置くのを避けるのが基本
  • 電源…水まわりで使うため、アースと漏電遮断器のあるコンセントが要る
  • 排熱と運転音…エアコンの室外機と同じように熱と音が出るので、室内に置くなら換気が必要
  • 追い焚きの循環口…給湯器の配管につながっているので、チラーのホースをつなぐ用途には使えない

毎日お湯に入る浴槽を水風呂と兼用すると、冷やす準備とお湯に戻す片付けが、そのたびに発生するわけです。使う頻度が高いなら、専用の浴槽を別に置いたほうが続けやすいでしょう。電源まわりの確認事項は水風呂用チラーの選び方で詳しく扱っています。


まとめ|自宅サウナの水風呂浴槽を選ぶ順番

水風呂用チラーと専用の空気注入式バスタブ

ここまでの内容を、選ぶ順番に並べ直しておきます。

  1. 床に座って、肩の高さと脚を伸ばす長さを測る
  2. 実際に張る水量を見積もる
  3. 空気注入式か据置型かを決める
  4. 屋外なら重さ(ベランダ・屋上・ウッドデッキ)・日差しと雨風・排水の経路を確認
  5. 水道水や氷ならふたと水位の余裕、チラーならつなぎ方と対応水量を照らし合わせる

迷ったら1と2に戻ってください。内寸で入り方を決め、張る水量で冷やす手間を決める——浴槽選びは、この2段階で考えると整理しやすくなります。

idetoxでは水風呂用の浴槽やチラーのご購入と、自宅サウナ本体との組み合わせのご相談を承っています。設置場所と使い方さえ伺えれば、浴槽と冷やし方の組み合わせを一緒に整理しますので、お気軽にどうぞ(浴槽の加工、給排水や電気の工事は承っていません)。

自宅サウナの絞り込みからご一緒します → サウナ選びサポート


よくある質問

水風呂の浴槽を調べていると出てくる疑問をまとめておきました。

Q. 水風呂の浴槽は何リットルあればいい?

自宅サウナの水風呂に一律の答えはなく、肩まで浸かれる内寸を先に決め、そこに張る水量で考えます。取り扱いの1人用浴槽は、表記で320L・377L、推奨水量で350〜400Lです。

推奨水量が書かれていれば、その値を基準にしてください。水量が増えるほど、必要な氷の量も家庭用チラーで冷やす時間も増えます。

Q. 空気注入式の水風呂用浴槽のデメリットは?

自宅の屋外で、日差しや雨風にさらしたまま置きっぱなしにする使い方には向きません。PVCの傷みが早まるためです。

屋根の下に置く、使わない時期は空気を抜いてしまう、といった扱いが前提になります。穴が開いたときに備えて、補修用パッチが付属しているかも確認しておきましょう。

Q. 水風呂用の浴槽は屋外に置いても大丈夫?

自宅サウナの横に置くことはできますが、重さ・日差し・雨風・排水の4点を確認してからにしてください。とくにベランダや屋上、ウッドデッキは、水を張った重さに注意が要る場所です。

320Lの水を張った浴槽に体重65kgの人が入ると、外寸150×80cmなら1㎡あたり平均で約340kgになります。置いてよいかは、建物なら所有者や管理組合・建築士に、ウッドデッキなら施工した業者やメーカーに確認してください。

Q. 家の浴槽にチラーを付けて水風呂にできる?

ホースを浴槽に入れる方式の家庭用チラーなら可能ですが、自宅の浴室ならではのハードルがあります。本体の置き場所、電源の安全対策、排熱と運転音、家族の入浴との兼用などを先に確認してください。

追い焚きの循環口は、チラーをつなぐ用途には使えません。使う頻度が高いなら、専用の浴槽を別に置くほうが準備と片付けの手間は少なく済みます。

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サウナにハマり「サウナ・スパ 健康アドバイザー」や「サウナ・スパ プロフェッショナル」「サウナ・スパ 健康士」の資格を取得。 サウナの利用は週に1回程度のミドルユーザーです。主に記事の執筆を担当しています。

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