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ホテル・旅館の客室にサウナを導入するには|スペース・設備・法規・費用

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客室サウナの導入と費用

はじめに

「客室にサウナを付けて、単価と稼働を上げたい」。ホテルや旅館で、客室にサウナを導入する相談が増えています。好きな時間に、人目を気にせず入れる客室サウナは、宿泊プランの柱にしやすい設備です。

一方で、客室サウナは大浴場のサウナと違い、宿泊者が自分で操作する設備です。置けるスペースがあるか、電源は足りるか、消防や保健所の手続きはどうなるか、いくらかかるか。決める前に確かめることがいくつもあります。

この記事では、ホテル・旅館の客室にサウナを導入するときに確かめることを、順番に解説します。

  • スペース…本体の大きさと、まわりに要る余白
  • シャワーと動線…汗を流す場所までの距離
  • 電源…200Vの回路と契約容量
  • 消防・保健所・建築…2026年に変わったことと、確認先
  • 安全の備え…扉・非常用ブザー・使い方の案内
  • 費用…本体・配送・組立・電気工事の目安

すでに客室の図面や候補の部屋が決まっている方は、業務用サウナの導入相談から概算のお見積もりをご依頼いただけます。

客室サウナの導入で確かめること:6つの項目と確認先

ホテルの客室のベッドまわり

客室サウナの導入は、機種を選ぶ前に「置けるか・使えるか・認められるか」を確かめるところから始まります。確かめる項目と相手を先に並べます。

確かめること 中身 確かめる相手
スペース 本体の外寸、扉を開く側の余白、搬入の経路 サウナの販売店、設計者
シャワーと動線 サウナから汗を流す場所までの距離、床の防水 設計者
電源 200Vの専用回路、分電盤と契約容量の余裕 電気工事店
消防・保健所・建築 ストーブの届出、公衆浴場の許可の要否、内装の制限 消防署、保健所、建築の窓口・建築士
安全の備え 扉、非常用ブザー、緊急時の連絡と駆けつけ 保健所、施設の運営担当
費用とメンテナンス 本体・配送・組立・電気工事、清掃と点検の手間 サウナの販売店

客室に置くか、大浴場に置くかで迷っている段階なら、先に「客室と大浴場、サウナを設置する場所ごとのメリット」をご覧ください。ここからは、客室に置くと決めた前提で、1つずつ見ていきます。

客室サウナのスペース:本体の大きさと、まわりの余白

1〜2人用の屋内サウナの平面図と外寸(幅1,000〜1,500mm×奥行1,050mm)

最初に確かめるのは、客室のどこに置けるかです。客室サウナの置き方は、大きく3つあります。

置き方 使うサウナ 向く客室
客室の中(浴室の隣など) 屋内用のボックスサウナ 浴室まわりに余裕のある客室。天候に左右されない
客室のテラス・庭 屋外用のバレルサウナ、キャビン型 離れ、ヴィラ、露天風呂付きの客室。外気浴の場所を取りやすい
貸切の別室 屋内用・屋外用のどちらも 客室に置く場所がない施設。予約制で複数の客室から使う

このうち客室の中に置く場合は、部屋の中に箱型のサウナ室を置く「屋内用のボックスサウナ」を使います。

大きさの目安として、idetoxの1〜2人用の屋内サウナは、外寸が幅1,000×奥行1,050×高さ1,900mmからです(J-WSD-1408の例。サイズは変更できます)。畳でいえば、およそ3分の2枚ぶんの床に収まります。

ただし、本体の外寸だけで場所を決めないでください。次の3つを合わせて確かめます。

  • 扉を開く側の余白…扉が開ききり、人が出入りできること
  • 点検と清掃の余白…ストーブや操作パネルに手が届くこと
  • 搬入の経路…エレベーター・廊下・客室の扉を、部材が通ること

とくに既存の客室に後から置く場合は、搬入の経路で機種が決まることがあります。図面と、経路の幅が分かる写真を用意しておくと、見積もりが早く進みます。既存の施設に後から置くときの考え方は「業務用サウナ導入のメリットと家庭用サウナとの違い」の後付けの項にまとめています。

寸法と扉の向きは、3Dカスタマイザーで画面上でも確かめられます。

客室サウナのシャワー・水風呂と動線

シャワースペースと一体になった屋内サウナ

場所の候補が決まったら、次はサウナを出たあとの動きです。サウナは「サウナ → 水風呂やシャワー → 休憩」をひと続きで行うため、サウナだけを置いても使いにくい客室になります。

水風呂は好みが分かれるので必須ではありません。ただ、汗を流すシャワーは必要です。

大事なのは距離です。たとえばサウナをベランダに置き、シャワーが部屋の入口側にあると、濡れた体で客室を横切ることになります。床が濡れ、清掃の手間も増えます。

サウナ・シャワー・休憩の場所は、できるだけ1つのエリアにまとめるのが基本です。浴室の隣、あるいはシャワールームと一体になった機種を選ぶと、動線が短くなります。

客室サウナの電源:200Vの回路と契約容量

サウナ室の壁に付いたストーブの操作パネル

置き場所と動線の次に、手戻りが起きやすいのが電源です。客室サウナのストーブは、家庭用のコンセント(100V)ではなく、200Vの専用回路を使うものが中心です。

ストーブの出力は、サウナ室の体積で決まります。1〜2人用の屋内サウナなら、3kW前後からが目安です(機種とサイズで変わります)。

客室サウナで気をつけたいのは、台数ぶんの電気が同時に要ることです。10室に入れるなら、10台が同じ時間帯に動く前提で、建物の受電容量と分電盤に余裕があるかを電気工事店に確かめます。

また、交流100〜300V・定格消費電力10kW以下の電気サウナストーブは、電気用品安全法の「特定電気用品」にあたります。ひし形のPSEマークが付いた製品を選んでください。電圧・回路・配線の注意点は「サウナ導入時の電気設備の注意と定期点検」で解説しています。

客室サウナの消防・保健所・建築の確認(2026年の動き)

資料をノートパソコンで確認する様子

スペースと電源の見通しが立ったら、窓口への確認です。客室サウナは、消防・保健所・建築の3つに関わります。2026年は扱いが動いた年なので、古い情報のまま進めないよう注意してください(以下は2026年10月13日時点の情報です)。

窓口 客室サウナで確かめること
消防署 施設に置くサウナのストーブは、工事の前に届け出るのが基本。期限は市町村で違う(東京都は工事の7日前まで、京都市は5日前まで)
保健所 客室の中のサウナを「宿泊者だけが使う浴場」と同じに扱えるかについて、国の明文は見つからない。扉や非常用ブザーの基準とあわせて、計画の段階で確認する
建築の窓口・建築士 旅館・ホテルは内装の制限がかかる用途。サウナ室の壁や天井の仕上げを設計の段階で確認する

保健所について補足します。厚生労働省の解説では、旅館業法の適用を受ける宿泊施設の浴場は、公衆浴場法の適用外とされています。ただ、東京都の保健所は「対象外になるものがあります」という書き方で、すべてが対象外とは言っていません。宿泊者以外にも使わせる場合(日帰りプランなど)は、公衆浴場の許可が要る場合があります。

民泊(住宅宿泊事業)や一棟貸しでサウナを置く場合も、事業で使うなら消防署への確認が必要です。旅館業の施設とは扱いが違うことがあるので、早めに相談してください。

条文と通知の原文、置き方ごとの手続きの目安は「サウナを施設・事業で置くときの許可と届出【2026年版】」にまとめています。許可や届出が要るかどうかを判断するのは各窓口です。設置の前に、必ず管轄の消防署・保健所・建築の窓口に確認してください。

客室サウナの安全の備え:扉・非常用ブザー・使い方の案内

サウナ室の壁に取り付けた温度計と湿度計

窓口の確認とあわせて決めておきたいのが、安全の備えです。客室サウナは、従業員の目が届かない場所で、宿泊者が1人で使うことがあります。

2025年12月に東京都港区の個室サウナで利用者2人が亡くなった火災のあと、厚生労働省は2026年4月21日に、緊急時の連絡・駆けつけ体制や、扉が非常時の開け閉めの妨げにならない構造について、対応していない施設に指導するよう自治体へ通知しました。この施設は、旅館業の許可を受けていた施設です。

同じ通知の調査では、サウナのある旅館業の施設のうち、サウナ室に非常用ブザーがあるのは63.5%でした。港区は2026年10月13日に、扉や非常用ブザーなどを条例で義務にしています(すでに営業している施設には、設備ごとに猶予や適用除外があります)。

客室サウナを新しく入れるなら、次の点は計画の段階から入れておくのが安心です。

  • 扉…中から簡単に開けられ、閉じ込められるおそれのある金具がないこと
  • 非常用ブザー…中の利用者が使いやすい場所にあり、フロントなど人のいる場所に伝わること
  • 緊急時の体制…夜間もふくめ、連絡を受けてすぐに客室へ駆けつけられること
  • ストーブの仕様…タイマーや過熱を防ぐ装置の有無を、仕様書で確かめること
  • 使い方の案内…入り方、ロウリュのしかた、体調が悪いときの連絡先を、客室の案内とチェックイン時の説明の両方で伝えること

運営を始めてからの見回りや体調不良への備えは「サウナ施設における安全対策とリスク管理のポイント」で解説しています。

客室サウナの費用の目安:本体・配送・組立・電気工事

ガラス扉の付いた屋内用のボックスサウナ

ここまでの条件が見えたら、費用です。客室サウナの見積もりは、本体だけでなく、配送・組立・電気工事を合わせて考えます。idetoxでご案内している目安は次のとおりです(2026年10月時点。本体とストーブはオンラインショップの税込の表示価格)。

費用の項目 目安 補足
屋内用サウナ本体 ¥1,280,000〜 1〜3人用のいちばん低い価格のモデル(J-WSD-1412・J-WSD-1508)。サイズ・木材・オプションで変わる
ストーブ(別売) ¥374,000〜 Harvia DELTA3(2.7kW・適用体積1.5〜2.7㎥)の場合。部屋の体積に合う出力の機種を選ぶ
配送 ¥180,000〜 納品先、搬入の条件、時期で変わる
組立・設置 ¥200,000〜 施工の範囲で変わる
電気工事 ¥80,000〜 電源の容量、配線の距離、現場の条件で変わる

表の5つの項目を足すと、1室あたり¥2,114,000です。これは、いちばん低い価格の本体に、体積の合うストーブを組み合わせた場合の参考の小計で、総額ではありません。実際の金額は、サイズ・木材・搬入の条件・電源の工事の範囲で上がります。シャワー、床の防水、換気といった客室側の工事は、この小計にふくまれません。

配送・組立・電気工事の目安は、業務用サウナの導入相談のページでご案内している金額です。客室のテラスや庭に屋外用のバレルサウナを置く場合、本体は¥498,000〜です。

客室サウナは、部屋数ぶんの費用がかかる設備でもあります。全室に入れるのか、上位の数室だけに入れるのかで、投資の回収は大きく変わります。客室単価と稼働率から試算できる「ROIシミュレーター」もご利用ください。

自分の施設の条件での概算は、業務用サウナの導入相談のフォームで承っています。

客室サウナのメンテナンスと清掃

サウナ室のベンチに置いた木製の桶と柄杓

導入のあとに毎日かかるのが、清掃と点検です。客室サウナは、サウナの数だけ手間が増えます。

日々の作業は、室内の清掃と乾燥、ベンチや床の拭き上げ、サウナストーンの確認です。これに、ストーブや電気まわりの定期点検が加わります。1室あたりの清掃に何分かかるかを、客室清掃の流れに入れて見積もっておきましょう。

機種を選ぶときは、ベンチが外せるか、床が拭きやすいかといった、清掃のしやすさも比べてください。清掃の手順は「サウナ施設の清掃と衛生管理のポイント」で解説しています。

まとめ:客室サウナは「置けるか → 認められるか → いくらか」の順で確かめる

海を望む宿泊施設のサウナ室からの眺め

ホテル・旅館の客室サウナの導入を、確かめる順に並べ直すと次のとおりです。

  1. スペースと動線…本体の外寸、扉と点検の余白、搬入の経路、シャワーまでの距離
  2. 電源…200Vの専用回路、台数ぶんの容量
  3. 窓口の確認…消防署(届出)、保健所(許可の要否・設備の基準)、建築(内装)
  4. 安全の備え…扉、非常用ブザー、緊急時の体制、使い方の案内
  5. 費用と回収…本体・配送・組立・電気工事、何室に入れるか

機種を決める前に、置き場所と窓口の確認を。そこが固まれば、合う機種と費用は絞れます。

導入全体の進め方は「業務用サウナの導入ガイド」にまとめています。宿泊施設への設置例は、長野県安曇野市の宿泊施設の事例や導入事例の一覧でご覧いただけます。

idetoxでは、客室の条件に合わせた機種の選定、お見積もりとROIの試算、窓口への相談に使う仕様書の用意までご相談いただけます(お電話: 092-407-7887)。

機種を見比べたい方は、商品カタログ(PDF)もご覧いただけます。

客室サウナの導入に関するよくある質問

客室サウナには、どのくらいのスペースが必要ですか?

客室サウナの本体は、1〜2人用の屋内サウナで外寸が幅1,000×奥行1,050×高さ1,900mmからが目安です。これに、扉を開く側と点検のための余白、搬入の経路が加わります。図面があれば、置ける機種を確認できます。

客室サウナに、公衆浴場の許可や消防の届出は要りますか?

消防署への届出は、施設に置くサウナでは基本として必要です。公衆浴場の許可については、客室の中のサウナの扱いを定めた国の明文は見つかっていません。客室サウナを計画する段階で、管轄の保健所と消防署に確認してください。

客室サウナの費用は、いくらからですか?

客室に置く屋内用サウナの本体は¥1,280,000〜が目安です(2026年10月時点)。ストーブ・配送・組立・電気工事の最低額を足した参考の小計は、客室サウナ1室あたり¥2,114,000です。客室側の工事はふくまず、総額は機種と客室の条件で変わります。

既存の客室にも、あとからサウナを置けますか?

置けます。既存の客室サウナの導入では、搬入の経路、電源の容量、シャワーまでの動線の3つが決め手になります。図面と分電盤の写真があれば、置けるかどうかの見通しをお伝えできます。

サウナにハマり「サウナ・スパ 健康アドバイザー」や「サウナ・スパ プロフェッショナル」「サウナ・スパ 健康士」の資格を取得。 サウナの利用は週に1回程度のミドルユーザーです。主に記事の執筆を担当しています。

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