自宅サウナのストーブ選びで後悔しない!電気vs薪、コストと性能を解説
はじめに

「自宅にサウナを作りたいけれど、ストーブはどれを選べばいいの?」そんな疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
自宅サウナで使うストーブ(ヒーター)には、薪、電気、スチーム、遠赤外線の大きく4種類があります。それぞれに特徴があり、あなたのライフスタイルや求めるサウナ体験によって最適な選択肢は異なります。
この記事では、特に人気の高い電気ストーブと薪ストーブの違いに焦点を当てながら、各ストーブのメリット・デメリット、ランニングコストを詳しく解説していきます。idetoxがお届けする情報で、あなたの自宅サウナ選びをサポートします。
サウナストーブ4種類の基本を知ろう
まず、自宅サウナで使われるストーブを比較表でご覧ください。
| ストーブの種類 | 最高温度 | 1回あたりの費用目安 | 準備時間 | 設置場所 |
|---|---|---|---|---|
| 薪ストーブ | 100℃以上 | 約1,000〜1,500円 | 1時間以上 | 屋外向け |
| 電気ストーブ | 80〜110℃ | 約200円 | 約30分 | 屋内・屋外 |
| スチーマー | 40〜50℃ | 約40円 | 短い | 屋内・屋外 |
| 遠赤外線 | 約50℃ | 約80円 | 短い | 主に屋内 |
自宅サウナで使われるストーブの種類は以下のとおりです。
- 薪ストーブ
- 電気ストーブ
- スチーマー
- 遠赤外線
※この他にも、サウナ施設のような事業用のサウナストーブにはガスやオイルが使われ、ガス式遠赤外線サウナやエロフィン放熱式サウナのようにその組み合わせや温める方式などを細かく分類されています。
【徹底比較】電気ストーブと薪ストーブの違い
自宅サウナを検討する方の多くが迷うのが、電気ストーブと薪ストーブの選択です。ここでは両者の違いを詳しく比較していきます。
熱源と仕組みの違い
| 比較項目 | 電気ストーブ | 薪ストーブ |
|---|---|---|
| 熱源 | 電気(電熱線) | 薪を燃やす直火 |
| 最高温度 | 80〜110℃(機種による) | 100℃以上も可能 |
| 準備時間 | 約30分 | 1時間以上 |
| 温度調整 | デジタル制御で簡単 | 薪と空気の調整が必要 |
| 煙の発生 | なし | あり(煙突が必要) |
電気ストーブは「手軽さ」、薪ストーブは「本格さ」がそれぞれの最大の特徴といえます。
コスト面の違い
初期費用とランニングコストの両面から比較してみましょう。
| コスト項目 | 電気ストーブ | 薪ストーブ |
|---|---|---|
| 本体価格 | やや高い傾向 | 比較的安い傾向 |
| 1回あたりのコスト | 約200円(5kW・1.5時間使用時) | 約1,000〜1,500円(広葉樹薪約10kg使用時) |
| 追加工事 | 200V対応が必要な場合あり | 煙突設置が必要 |
ランニングコストは電気ストーブが有利な傾向にあり、薪ストーブの約5分の1〜10分の1程度に抑えられる場合があります。
使用環境の違い
POINT
電気ストーブ:煙が発生しないため、屋内・屋外どちらでも設置可能。ただし電源の確保が必要。
薪ストーブ:煙突が必要なため、基本的に屋外サウナやテントサウナ向け。近隣への配慮も必要。
サウナ体験の違い
電気ストーブと薪ストーブでは、得られるサウナ体験にも違いがあります。
電気ストーブの体験
- 安定した温度環境でリラックスしやすい
- スイッチ一つで手軽にサウナタイム
- 時間管理がしやすく日常に組み込みやすい
薪ストーブの体験
- 薪が燃える音・香り・光を楽しめる
- 輻射熱によるじんわりとした温まり方
- 火を育てる過程そのものがアクティビティになる
- 100℃以上の高温サウナも実現可能
フィンランドの伝統的なサウナ体験を求めるなら薪ストーブ、毎日の習慣として取り入れたいなら電気ストーブがおすすめです。
薪ストーブの特徴と選び方
何千年も前からサウナで使われてきた仕組みを利用した、最も伝統的で本格的なタイプのストーブです。
薪ストーブの概要
薪ストーブは直接火が使われ、煙が発生します。煙突が必要なこともあり、基本的に屋外サウナやテントサウナで利用され、屋内サウナではほとんど使われません。
薪ストーブは十分な火力を出すまでに非常に時間がかかり、準備に1時間を超えることは珍しくありません。ただし、他のストーブより火力が強い傾向があり、サウナ室を100℃やそれ以上の高温まで上げることが可能です。
一定の火加減を維持するのが難しく、常に火の強さを見ながら薪や空気などを調整していく必要があります。面倒に感じる部分もありますが、薪が燃える音・光・香りなどが薪の種類や燃やし方によって変わるため、それを楽しむことができます。
輻射熱が大きいため、電気式のストーブに比べて、日光浴をしているようにじんわりと体が温まるという特徴もあります。輻射熱とは、物体から放射される赤外線によって熱が伝わる現象で、空気を介さず直接体を温めるため、独特の心地よさがあります。
一般的には薪ストーブで作った火の上に石を置いて、石をしっかり加熱していきます。そして湿度を上げるために石に水をかけてロウリュしていきます。
本体価格は基本的に他のサウナストーブよりも安いものが多い傾向にあり、手に入れやすいです。
薪ストーブのランニングコスト
テントサウナの場合、薪ストーブを使うと1回(約1時間)のサウナで約10kg(準備で5kg、サウナ中に5kg)の薪を使用します。
薪は種類をこだわらなければ1kgあたり100~150円ほどですので、平均的に1回のサウナで1,000~1,500円のコストがかかる傾向があります。(ストーブのサイズや薪の種類、入手方法により変動します)
後述しますが、これは他のストーブに比べてランニングコストが高めの傾向にあります。1人で利用する場合、近くのサウナ施設に入りに行ったほうがコストを抑えられる場合もあります。
もちろん「薪ストーブの種類」や「薪の種類」、また「完全燃焼される割合」といった使い方によっても維持費は大きく変わってきますので薪ストーブを買う際にはそのあたりをしっかり確認しておきましょう。
薪の種類によって燃焼効率や香りが大きく変わります。針葉樹は着火しやすく、広葉樹は火持ちが良いという特徴があります。サウナ薪ストーブに最適な木材の選び方|種類とおすすめ薪リスト
薪ストーブの長所・短所
長所
- 高温サウナが作れる
- 本体価格が比較的安い傾向
- 電気を通す必要がない
- 広いサウナにも対応している
- 薪が燃える音・香り・光を楽しめる
短所
- 煙が迷惑にならない場所でしか使えない
- 準備に時間と手間がかかる
- 維持費(ランニングコスト)が高め
- 薪の保管場所が必要
- 煙突のメンテナンスが必要
注意!
薪ストーブを使用する場合、定期的な煙突掃除が必要です。煤が溜まると燃焼効率の低下や、最悪の場合は煙道火災の原因になることもあります。
煙突のメンテナンス方法については、サウナで使う薪ストーブの煙突掃除:目安・方法・頻度を減らす使用法をご参照ください。
電気ストーブの特徴と選び方

維持や管理が楽で、自宅サウナではとてもよく使われるタイプのストーブです。
電気ストーブの概要
電気ストーブは火を使わず電気で電熱線を加熱して部屋を温めていきます。「こたつ」と同じ原理ですね。
煙は発生しないため、屋内・屋外問わず利用しやすいですが、場合によっては200Vに対応する必要があり、特に屋外に設置するときには電気を通す必要があるため追加工事が必要になることがあります。コンパクトなものであれば100Vの家庭用コンセントに直接プラグを指すだけのものもあります。
電気ストーブは手間もかからない上に温度調整がしやすいため非常に管理が楽です。しかしサウナ室を高温にするための火力(パワー)は薪ストーブよりも控えめな傾向があります。家庭用電気ストーブの多くは80〜100℃程度が目安ですが、Harvia製など高出力モデルでは110℃近くまで対応できるものもあります。また準備には30分前後の時間がかかることが多いです。
薪ストーブと同じように一般的な電気ストーブも熱源の上に石を置いて、石をしっかり加熱することができます。そして湿度を上げるために石に水をかけてロウリュしていきます。
本体価格はやや高めの傾向にあり、ある程度の初期費用が必要になります。
電気ストーブのランニングコスト
例えばテントサウナの中で5kWの電気ストーブを1.5時間(準備0.5時間、サウナ1時間)使ったとします。電気料金単価が27円(2024年時点の平均的な目安)とすると1回のサウナの電気代は約202.5円(5×1.5×27)になります。
薪ストーブと比較すると5分の1〜10分の1程度に抑えられる傾向があります。
電気ストーブの場合、消費電力が違うさまざまなモデルが販売されています。ヒーターの種類はもちろん、温度設定によってもコスパは大きく変わります。ご契約されている電気料金単価やヒーターの電力を確認して、購入前に一度計算されてみて下さい。
POINT
idetoxで取り扱っているHarvia製電気ストーブは、高品質で耐久性に優れています。万が一エラーが表示された場合の対処法はHarviaサウナストーブのエラー表示別対処法をご確認ください。
電気ストーブの長所・短所
長所
- 場所を選ばず使える
- 準備、メンテナンスが簡単
- 時間や温度管理がしやすい
- 薪ストーブよりランニングコストが低い傾向
- 種類が豊富
- 煙や臭いが出ない
短所
- 電気が必要(場合によっては電源の追加工事も)
- 本体価格が高めの傾向
- 薪ストーブほどの高温は出しにくい機種が多い
- 広いサウナには向かない場合がある
スチーマーの特徴
スチーマーはその名の通り、水を加熱して蒸気を発生するものです。この蒸気を充満させたものが「スチームサウナ」になります。
スチーマー(スチームサウナ)の概要
スチームサウナは温度が40~50℃、湿度が100%の低温高湿タイプのサウナになります。薪ストーブや電気ストーブと違って温度が低いため、長時間過ごすことができます。また呼吸器系の不調を和らげる効果が期待できるとされています。
スチームサウナはかなり湿度が高いため少し特殊で、家庭で使うスチームサウナルームは木材ではなくビニールなどの樹脂素材を使ったものが多いです。木材にこだわる場合は防カビ加工がされていたり、隙間をしっかりなくしていく必要があるためプロによるサウナ室の取り付けをおすすめします。
基本的にスチームサウナをつくるスチーマーは電気で水を沸騰させて蒸気にしていきます。電気ポットのようなものですね。
スチームサウナの場合、サウナ室の温度を高温まで上げる必要がないため、準備にもそれほど時間はかかりません。煙は発生しないので、屋内・屋外問わず利用できますが、屋内で使用する場合はカビが生えない工夫は必要です。
家庭用のスチーマーは普通の100Vコンセントで使えるものがほとんどで、大きさもコンパクトです。
本体価格も比較的安く、数千円程度から販売されているものもあります。
スチーマーのランニングコスト
例えばテントサウナの中で1kWのスチーマーを1.5時間(準備0.5時間、サウナ1時間)使ったとします。電気料金単価が27円とすると1回のサウナの電気代は約40.5円(1×1.5×27)になります。
今回紹介する4種類の中ではランニングコストが最も低い傾向にあります。
ただ、スチームサウナは他のサウナとは特性が異なるため、単純な比較は難しい面もあります。求めるサウナ体験に合わせて選ぶことが大切です。
スチーマーの長所・短所
長所
- 本体価格が比較的安い
- ランニングコストが低い傾向
- 準備時間が短い
- 低温で体に優しい
短所
- 周囲のカビ対策が必要
- 高温のサウナ環境は作れない
- 広い場所では使えない
遠赤外線ストーブの特徴

薪ストーブが最も伝統的なサウナストーブであるのに対して、遠赤外線はもっとも現代的なストーブです。アメリカを中心に注目されており、家庭用サウナとしてもかなり普及しつつあります。
遠赤外線ストーブの概要
遠赤外線サウナの中は50℃前後の比較的低い室温ですが、体だけを直接効果的に温めていきます。遠赤外線は波長の長い赤外線で、物質に吸収されると熱エネルギーに変わる特性があります。そのため長時間でも苦しくなく、なおかつ体は芯から温まるため、快適に過ごせると言われています。ただ、皮膚の熱さや程よい苦しさを感じないため、高温サウナが好きな人には物足りなく感じる場合があります。
煙や蒸気を発生するわけではないため、屋内・屋外どちらでも利用できますが、現在販売されている自宅用の遠赤外線サウナでは屋内用が一般的です。
遠赤外線は電気を使って発生させますが、やや規模が大きな設備が必要なため、熱源だけを単体で販売されていることはほとんどありません。基本的にはサウナ室とセットで販売されています。(布団タイプのものもありますが、ここではサウナ室を前提に話を進めていきます)
出力をデジタルでコントロールするため、遠赤外線は管理がしやすいです。また蒸気や高温を発生させるわけではないため、サウナ室が傷んだりするリスクも少なく、メンテナンスも非常に簡単です。
サウナ室とセットではありますが、本体価格はやや高い傾向で、安くても数十万円、高いものだと数百万円するものもあります。
遠赤外線ストーブのランニングコスト
屋内に設置する1人用の遠赤外線サウナはだいたい2kW前後の電力です。そのため1.5時間(準備0.5時間、サウナ1時間)使って、電気料金単価が27円とすると1回のサウナの電気代は約81円(2×1.5×27)になります。
今回紹介する中ではスチームサウナの次にランニングコストが低い傾向にあります。
遠赤外線ストーブの長所・短所
長所
- メンテナンスが簡単
- 温度管理がしやすい
- ランニングコストが低い傾向
- 準備時間が短い
- 体への負担が少ない
短所
- 本体がやや高め
- 高温な環境は作れない
- ストーブ単体だけでの購入が難しい
あなたに合ったサウナストーブの選び方
ここまで4種類のストーブを紹介してきましたが、結局どれを選べばいいのでしょうか。以下のチェックリストを参考にしてみてください。
電気ストーブがおすすめな人
- 屋内にサウナを設置したい
- 準備や片付けの手間を最小限にしたい
- 毎日の習慣としてサウナを楽しみたい
- 温度管理を正確に行いたい
- 近隣への煙の影響が気になる
薪ストーブがおすすめな人
- 本格的なフィンランドサウナを体験したい
- 100℃以上の高温サウナを楽しみたい
- 薪が燃える香りや音を楽しみたい
- 屋外にサウナを設置する予定
- 電気工事が難しい場所に設置したい
バレルサウナと薪ストーブの組み合わせについては、【なぜバレルサウナで薪ストーブを使うべきなのか】そのメリットを解説も参考になります。
まとめ|サウナストーブの違いを理解して最適な選択を
以下の表に、各サウナストーブの特徴をまとめました。
| ストーブの種類 | 長所 | 短所 | 1回あたりの費用目安 | 準備時間 |
|---|---|---|---|---|
| 薪ストーブ | 高温サウナが作れる、本体価格が安い傾向、本格的な体験 | 煙が発生、準備に時間がかかる、維持費が高め | 約1,000〜1,500円 | 1時間以上 |
| 電気ストーブ | 手間がかからない、場所を選ばず使える、管理が楽 | 高温サウナが作りにくい機種が多い、本体が高め | 約200円 | 約30分 |
| スチーマー | 本体価格が安い傾向、ランニングコストが低い | 高温のサウナ環境は作れない、カビ対策が必要 | 約40円 | 短い |
| 遠赤外線 | メンテナンスが簡単、ランニングコストが低い傾向 | 高温な環境は作れない、本体がやや高め | 約80円 | 短い |
電気ストーブは「手軽さとコスト」、薪ストーブは「本格的な体験と高温」という明確な違いがあります。あなたの求めるサウナライフに合わせて最適なストーブを選んでください。
idetoxでは、電気ストーブ・薪ストーブをはじめ、様々なサウナストーブを取り揃えています。自宅サウナの導入をお考えの方は、ぜひ一度ご覧ください。
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