【自宅サウナをレビュー】自宅サウナは本当に"ととのう"のか?実測データと本音レビュー
はじめに
サウナ好きにとって究極の夢であり、憧れでもある「自宅サウナ」。現在はまだ一般的とは言えませんが、有名人の間でも人気が出始め、少しずつ利用者が増えてきています。もしかしたら、あなたの周りにも自宅サウナを導入した人がいるかもしれません。
今回は、実際に自宅サウナを体験し、「体温」や「心拍数」などのデータを測定。温泉施設やジムのサウナと比較しながら、自宅サウナで本当に"ととのう"ことができるのかを徹底的に検証していきます。
また、最後にはレビューや使用感についても詳しく述べていきますので、自宅サウナの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
注意!
本記事のデータは1名の個人による独自計測であり、科学的な研究として統計的に有意なものではありません。サウナの効果には個人差があり、今回の結果がすべての方に当てはまるわけではない点をご了承ください。
また、自身で計測する際は体調管理に十分注意し、自己責任でお願いいたします。
idetoxでは100種類を超えるカスタマイズの豊富な商品から、お客様に合ったサウナをご提案いたします。
自宅サウナをご検討中の方は、ご希望の条件を添えてお気軽にご連絡くださいませ。

使用した自宅サウナの紹介
今回使用したサウナはidetoxで販売中の「屋内用ボックスサウナ」です。
広さや間口に合わせて設計できるセミオーダーメイド型のボックスサウナで、基本的にどの家にも設置が可能。電気ストーブを使用しており、ロウリュも楽しむことができます。
さらにBluetoothスピーカーを搭載しており、自分の好きな音楽を自由に流すこともできます。
今回使用したサイズは120×120×220cmです。
自宅サウナレビューの結論まとめ
結論を先にまとめると、自宅サウナでも「ととのう」ことはできました。
また細かい点は以下のようになりました。
データから見えたこと(個人の計測結果)
- 体温の上がり方はサウナ施設と同程度だった:◎
- 心拍数はサウナ施設ほど上昇しなかった(低温時):△
感覚的な使用感
- 狭さ、閉塞感が気になる場合がある:△
- 準備は楽だが温まるまでに時間がかかる:△
- 好みの温度や湿度に調整できてストレスがない:◯
- 好きなタイミングで自由に入れるのは大きなメリット:◎
サウナで体が"ととのう"メカニズムとは
データの解説に入る前に、サウナでなぜ体が「ととのう」のかを簡単に説明します。このメカニズムを理解することで、計測データの意味がより深く分かるようになります。
熱ストレスによる体の反応
サウナに入ると、体は高温環境に適応しようとしてさまざまな生理反応を起こします。
まず、深部体温が上昇すると、体は熱を逃がそうとして血管を拡張させ、心拍数を上げて血流を促進します。この状態は軽い有酸素運動をしているときと似た負荷が心臓にかかっています。
さらに、熱ストレスを受けた細胞はHSP(ヒートショックプロテイン)と呼ばれるタンパク質を生成します。HSPは傷ついたタンパク質の修復を助け、免疫機能の向上や疲労回復に寄与すると考えられています。
サウナ浴により体温が上昇すると、HSP70やHSP90といったヒートショックプロテインの発現が増加し、細胞保護作用が促進されるNCBI - PMC
自律神経の切り替えが"ととのい"を生む
サウナ中は交感神経が優位になり、体は「戦闘モード」に入ります。心拍数が上がり、血圧も上昇します。
その後、水風呂や外気浴で体を冷やすと、今度は副交感神経が優位に切り替わり、体は「リラックスモード」へと移行します。
この交感神経から副交感神経への急激な切り替わりこそが、いわゆる「ととのう」という独特の多幸感・リラックス感を生み出していると考えられています。
つまり、サウナで「ととのう」ためには、体温と心拍数がしっかり上昇することが重要な指標となるのです。今回の検証では、この2つの数値を中心に測定しました。
自宅サウナの計測方法と結果データ
計測値についての詳細なデータは少し長いので、詳しく知りたい方は以下をご確認ください。
注意!
以下のデータは1名の被験者による個人的な計測結果です。統計的なサンプル数が不足しているため、科学的な一般化はできません。あくまで参考としてご覧ください。
計測者の基礎データ
まず計測者本人の基礎データです。
| 年齢 | 41歳 |
|---|---|
| 性別 | 男性 |
| 身長 | 176cm |
| 体重 | 67kg |
| 安静時心拍数 | 77bpm |
| 最低血圧 | 65mmHg |
| 最高血圧 | 105mmHg |
| 平熱 | 36.2℃ |
計測した項目
それぞれ以下の値を測定しました。
- 体温
- 心拍数(1分あたりの脈拍数)
- 血圧(参考値)
計測方法
計測は10分間のサウナを4回行い、それぞれサウナの前後に計測しました。
またサウナ室内の温度は70℃から95℃まで徐々に上げていきました。
使用した測定器
計測に使用した測定器は以下のとおりです。
- 体温計:オムロン C-687
- 血圧計(心拍数含む):オムロン HEM-7122
計測結果の詳細
以下の表は、各セッションごとの体温・心拍数・血圧の変化をまとめたものです。
| セッション | 室温設定 | 体温変化 | 心拍数変化 |
|---|---|---|---|
| 1回目 | 70℃・10分 | 36.1℃→37.0℃(+0.9℃) | 77→80bpm(+3) |
| 2回目 | 80℃・10分 | 35.4℃→37.6℃(+2.2℃) | 66→77bpm(+11) |
| 3回目 | 90℃・10分 | 35.9℃→38.3℃(+2.4℃) | 64→92bpm(+28) |
| 4回目 | 95℃・10分 | 36.2℃→38.7℃(+2.5℃) | 62→97bpm(+35) |
POINT
室温が上がるにつれて、体温・心拍数ともに上昇幅が大きくなる傾向が確認できました。特に90℃以上では、心拍数が+28〜35bpmと大きく上昇しています。
比較に使用したデータ
他のサウナと比較するために、温泉施設やジムのサウナでも同様にデータを取りました。
また、一般的なサウナ時の身体データとも比較するために、ポーランドのニコラウス・コペルニクス大学やドイツのマルティン・ルター大学などで行われたサウナの研究データを参考値として使用しています。
POINT
今回の個人データと研究論文のデータは、被験者数や計測環境が異なるため、直接的な比較には限界があります。あくまで参考としてご覧ください。
自宅サウナのデータから見えるもの
体温の変化について
まずはサウナに入った10分後に体温計で測った体温についてです。
一般的なサウナ中の体温の上がり方は、10分後に平均で1℃程度の上昇が見られるHindawi Journal of Physiology
この研究では、80〜100℃のフィンランド式サウナにおいて、深部体温が約1℃上昇することが確認されています。体温上昇は前述したHSPの生成を促し、細胞の修復機能を活性化させる重要な指標です。
今回の自宅サウナの計測では、4回とも10分後に1〜2℃ほど上昇しており、特にサウナ室内の温度が80℃以上のときには、体温が2℃以上上昇していました。
ジムのサウナで測ったときも、体温が1.5〜2℃程度上昇していたので、今回の個人データでは同様の傾向が見られました。
今回の計測に限って言えば、この自宅サウナで室温80℃程度でもサウナ施設と同程度の体温上昇が確認できました。
心拍数の変化について
次に、自宅サウナに入って10分後の心拍数について見ていきます。
心拍数はサウナに入って10分後に+35bpm程度上昇するというデータがあるScienceDirect
心拍数の上昇は、体が熱を放出しようとして血流を増加させている証拠です。この負荷が心血管系のトレーニング効果をもたらし、定期的なサウナ利用が心臓病リスクの低減に関連するという研究もあります。
しかし今回の自宅サウナの場合、1回目の室温70℃のときにはほとんど上昇しませんでした。ただ、室温を上げていくと徐々に心拍数も上昇するようになり、最終的には室温95℃に10分間入ったときに+35bpm程度の上昇を確認しました。
なぜ低温時に心拍数が上がりにくかったのか
70℃で心拍数がほとんど上昇しなかった理由として、以下の可能性が考えられます。
- 熱負荷の不足:70℃では体が「危機」と感じるほどの熱ストレスがかからず、交感神経が十分に活性化しなかった可能性
- 湿度の影響:1回目はロウリュを控えめにしており、乾燥した空気では体感温度が低くなる
- 個人差:計測者がサウナに慣れているため、低温への耐性が高かった可能性
今回の被験者の場合、室温70℃では心拍数への影響が小さい結果となりました。しっかり"ととのう"ためには、時間を延長するか、温度を80℃以上に設定する必要があると考えられます。
ちなみに室温90℃前後の温泉施設やジムのサウナで計測したときには、1回目で+40bpmほど上昇していました。
結論:自宅サウナでも"ととのえる"
今回の個人的な計測結果に限れば、体温に関しては室温70℃設定でも十分な上昇が見られました。80℃以上にすると温泉施設のサウナ以上に体を温めることができています。
心拍数についてはもう少し上昇が欲しいところですが、今回は10分間だけの入浴だったため、時間を延ばせば温泉施設サウナ程度まで上がる可能性が考えられます。
総じて、今回の体温・心拍数のデータを見る限り、自宅サウナでも温泉施設やジムのサウナと同程度の身体変化が見られました。
今回の計測結果からは、自宅サウナでも十分に"ととのう"体験ができることが示唆されました。ただし、これは1名のデータであり、効果には個人差がある点にご注意ください。
自宅サウナのレビュー・使用感

ここからはデータというよりも、実際に使ってみた感想をお伝えします。
準備と時間についてのレビュー
今回使用した自宅サウナはコントロールパネルで60〜110℃まで簡単に温度設定ができ、タイマー機能で90分まで設定することが可能でした。
そのため準備に特別な作業は必要ありません。薪ストーブと違って電気ストーブはこの「楽さ」が大きなメリットですね。
室温が安定するまでの時間を測ってみたところ、70℃になるまでに約30分、90℃になるまでに約60分かかりました。
サウナ室の広さやストーブの種類、また環境温度にもよりますが、一般的に自宅サウナは1時間前後の準備時間が必要になることが多いようです。準備時間という点に関しては、平均的な印象です。
一方でサウナ施設の場合は、施設に行けば常に温度が整えられています。準備時間が必要なことは、やはり少しマイナスポイントに感じました。
温度設定についてのレビュー
心拍数のデータ上は、温泉施設のサウナレベルまで上げるのに室温90℃程度が必要でしたが、体感としては70℃であぐらをかいて座るだけで十分に温まりました。
実際、体温のデータでも70℃で十分に上昇していますね。
もちろん温度を90℃まで上げるとさらに汗の量が増えましたが、ヒーターが近いこともあり個人的には70℃でも十分楽しめると感じました。
ロウリュについてのレビュー
柄杓1杯のロウリュで室内ガラスが曇り、一気に体感温度が上昇しました。
ロウリュ(蒸気浴)は、サウナストーンに水をかけることで発生する蒸気を浴びる入浴法です。湿度が上がることで体感温度が大きく上昇し、発汗が促進されます。
今回白樺のアロマを混ぜた水を使用したので、適度な体感温度に心地よい香りが加わり、かなり幸福度が高まりました。
外壁に木材を使用しているため、ロウリュとの相性が良く、心地よい木の香りが続くのが特徴だと思います。ただし、水をかけすぎるとストーンが蒸発する前にロウリュの水が垂れ流れてしまうので注意が必要です。
掃除・メンテナンスについてのレビュー
ロウリュで出た水滴や汗などの水分は、基本的にサウナの電源を落とした後の余熱で蒸発してなくなります。
そのため普段のメンテナンスは簡単な拭き掃除程度で大丈夫とのことです。
そんなに大きなサイズでもないため、拭き掃除は1分もかからず、特に苦になりませんでした。
季節によってはより丁寧なメンテナンスが必要になる場合があります。詳しくは「冬の自宅サウナのメンテナンス」もご参考ください。
施設サウナとの比較レビュー
好きな時に好きなだけ入れることが、自宅サウナの最大のメリットだと感じました。朝起きた後や、帰宅後の空いた時間を有効活用してサウナで瞑想・休息できます。
寝る前に入って、その後すぐ眠ることができるので睡眠の質も施設より上がりやすいと感じます。
また、サウナのために準備をしたり、時間を作って足を運ぶ必要がないので、自然に使用機会も増えます。
何より自宅ですから、施設よりリラックスできます。周りの人の動きや話し声などもないですし、他人が座った後の汚れや汗を気にする必要もありません。
在宅ワークの方にとっては、仕事の合間や終わりにすぐ入れるのは大きなメリットです。詳しくは「7割が悩む在宅ワークの不調|自宅サウナが解決する3つの理由」もご覧ください。
ちなみにガラス前にモニターやタブレットを用意することで、好きなTV・映画・YouTubeを見ることもできましたよ。
自宅サウナの注意点・気をつけたほうがいいこと
今回の自宅サウナで1番感じたマイナスポイントは、やはり「広さ」です。
背伸びをするくらいはできますが、ストレッチをするようなスペースはありません。また、目を開けていると、施設の広いサウナよりも閉塞感を感じてしまうことがあります。
これから自宅サウナの購入を検討している人は、サウナ室から浴室までの動線をよく考えたほうがいいでしょう。
サウナの後にシャワーを浴びることを考えると、汗がたれたり床につくことを想定して、できるだけ近いところに配置することがおすすめです。
設置場所について詳しく知りたい方は「自宅サウナを設置できる場所とは?|意外なスペース活用術から費用まで解説」も参考になります。
また、自宅サウナの安全面が気になる方は「自宅サウナは火事が心配?統計で分かる実際のリスクと安全対策」をご確認ください。
自宅サウナレビューの総評

準備も片付けも楽で、いつでも気軽に入れる点は自宅サウナの大きな強みです。それに加えて、今回使ったidetoxのボックスサウナは温度設定も自動でできますし、しっかりとロウリュも楽しめました。
70℃程度の設定でも体温は十分に上昇し、HSPの生成に必要な熱負荷を得られていると考えられます。90℃程度にすれば心拍数も上がって、交感神経が十分に活性化され、その後の外気浴で深い"ととのい"を体験できました。
自宅サウナは自分だけの空間なので、衛生面でもステータス面でも気分が高まります。また、自宅でリラックスして入れることは、温泉施設などのサウナでは得られない特別な価値があると感じました。
初期費用は少しかかりますが、余裕のある方は、ぜひ自宅にサウナを取り入れることをおすすめします。
POINT
今回の記事は1名による個人的な計測・レビューです。サウナの効果には個人差があり、すべての方に同様の結果が得られるとは限りません。導入を検討される際は、idetoxの専門スタッフへのご相談をおすすめします。
今回使用したサウナはこちら⇩
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