コラム

気圧と天候で変わるサウナの効果|最大限引き出す入り方

気圧と天候で変わるサウナの効果|最大限引き出す入り方

はじめに

定期的にサウナに入っていると、同じ入り方をしていても、体の反応や心地よさが異なる経験をしたことはありませんか。

これは、たとえ同じような体調だとしても、季節や天候、気圧などによって人間の体の状態は変わるため、サウナに入ったときの効果や心地よさが変化することが原因の1つだと考えられます。

そこでこの記事では、各気象条件下で特に大きいサウナの効果を解説し、それを最大限に引き出すためのおすすめの入り方をそれぞれご紹介していきます。

 

気象条件別サウナ効果早見表

気圧や天候、また季節別の主なサウナの効果と入り方は以下のとおりです。

気象条件 期待できる主な効果 おすすめの入り方 水分補給
低気圧 疲労回復、関節痛緩和 短いサウナ時間 多め
高気圧 ストレス解消、血圧安定 通常通り 通常
雨天 自律神経バランス改善 やや短いサウナ、長い休憩時間 やや多め
真夏 美肌効果、体温調節機能向上 短いサウナ、長い水風呂時間 特に多め
真冬 免疫力向上、風邪予防 長いサウナ、短い水風呂時間 通常

 ※(フィンランド式)ドライサウナを前提としています。

以降では上記の表について詳しく解説していきます。 

 

低気圧時:疲労回復・関節痛緩和に最適

気圧が低いときのサウナの主な効果

  • 自律神経の調整
  • 疲労回復
  • 関節痛の緩和
  • 片頭痛の軽減

気圧が低いときには自律神経が乱れやすく、疲労感や眠気が強まったり、気分が落ち込みやすくなりますね。さらに、血圧などの変化によって偏頭痛や関節痛が起こりやすいです。

こんなときにサウナに入ると、体が温まり血液循環を促進し、体内の老廃物を効率的に排出します。これによって疲労感を軽減するだけでなく、自律神経の乱れを整えやすくなり、低気圧時に特に感じやすい倦怠感やだるさを和らげることができるでしょう

さらに、サウナで温まると、筋肉や関節を柔らかくし、炎症の痛みを緩和する作用もあります。低気圧時に悪化しがちな関節痛や片頭痛も、血流の改善や緊張の解消により軽減される可能性があります

おすすめの入り方

  • サウナ室での滞在は8分程度
  • 水風呂は30秒程度
  • 休憩は15分程度
  • 全体で2セットまで

低気圧時は自律神経や血圧が不安定になりやすいため、通常よりも循環器系への負担が大きくなります。そのため、8分程度の比較的短めのサウナ時間がおすすめです。短めの入浴でも、体に適度な熱の刺激を与えることができるため、血行が促進され、十分な疲労回復効果が得られると思います。

注意するポイント

  • 疲労感が強い場合は時間を短縮
  • 休憩時間はしっかり確保
  • 早めの切り上げを心がける
  • 水分補給はやや多めに行う

気圧が低いときは体内の水分バランスが崩れやすい状態です。そのため、サウナに入るときにはいつもより多めの水分補給(通常の1.2倍程度)を心がけることで、疲労回復効果を高めることができるでしょう。

 

高気圧時:リラックスと血圧安定に最適

気圧が高いときのサウナの主な効果

  • ストレス解消
  • 血圧の安定化
  • 睡眠の質向上

気圧が高いときは、体が比較的軽く感じられ、自律神経も安定しやすい傾向にあります。この時期は体調が良く感じられることが多く、副交感神経の活性化が促され、深いリラックス状態を得やすくなります

また、血圧も安定しやすい状態なので、じっくりとした時間をかけて心身をリフレッシュすることができるでしょう。特に、デスクワークなどで溜まった精神的な疲労を解消しやすいと思います。

おすすめの入り方

  • サウナ室での滞在は10分程度
  • 水風呂は45秒程度
  • 休憩は12分程度
  • 全体で2〜3セット推奨

気圧が高いときは体調が良好な場合が多いため、通常の時間配分でサウナを楽しむことができます。特に水風呂では、しっかりと体を冷やすことで、自律神経に適度な刺激を与えることができます。ただし、調子が良いからといって限度を超えないように注意しましょう。

効果を高めるコツ

  • 深い呼吸を意識する
  • 肩や首の力を抜く
  • 水風呂でしっかり冷やす

気圧が高く体調の良い時期は、通常量(500ml程度)の水分補給で問題ありません。体調が良いときこそ、基本に忠実な入り方を意識することで、より質の高いサウナ体験を得ることができます。

 

雨天時:自律神経バランスの調整に最適

雨の日のサウナの主な効果

  • 自律神経バランスの改善
  • 疲労感の軽減
  • 精神的な安定感
  • むくみの改善

雨の日は湿度が高く、(気圧が低いこともあって)体が重く感じられたり、気分が落ち込みやすくなったりしますね。特に梅雨時期は、この傾向が顕著になります。湿度の高さは私たちの体調や気分に大きく影響を与えるのです。

このような日にサウナに入ることで、体の余分な水分を排出し、むくみを改善する効果が期待できます。また、温度変化による刺激で自律神経のバランスを整えやすく、雨の日特有の気分の落ち込みも和らげることができるでしょう

おすすめの入り方

  • サウナ室での滞在は9分程度
  • 水風呂は40秒程度
  • 休憩は13分程度
  • 全体で2セット推奨

湿度が高い環境では、体感温度が上がりやすくなります。そのため、通常よりもやや短めの入浴時間を意識することが重要です。一方で休憩時間はしっかり取り、体の状態を整えましょう。

効果を高めるポイント

  • 休憩時間を十分に確保
  • 体調の変化に注意を払う
  • こまめな水分補給を心がける

湿度が高い日は汗が蒸発しにくいため、汗で体温を下げきれずに、通常よりも多く発汗してしまいます。また喉の乾きに気づきにくいです。そのため、湿度の高い日は実は体の水分が不足した状態になりやすいのです。サウナに入るときには、通常よりやや多めの水分補給(通常の1.1倍程度、550ml程度)を心がけましょう

 

真夏:美肌効果と夏バテ対策に効果的

夏のサウナの主な効果

  • 体温調節機能の向上
  • 美肌効果の促進
  • 夏バテ予防

真夏は(言うまでもなく)暑さで体力を消耗しやすいため、サウナに行く気が失せてしまう方も多いかもしれません。しかし、暑い時期にサウナで適度な熱の刺激を体に与えることで、体温調節機能が鍛えられ、夏バテを予防する効果に期待ができます

また、たっぷりの発汗は毛穴の汚れを洗い流し、美肌効果も高まるでしょう

おすすめの入り方

  • サウナ室での滞在は7分程度
  • 水風呂は45秒以上
  • 休憩は15分程度
  • 全体で2セットまでに抑える

真夏は体温が高いため、通常より短めのサウナ時間でも十分な効果が得られます。その分、水風呂はしっかりと時間をかけて体温を下げることで、体温調節機能への良い刺激となるでしょう。

夏場の注意ポイント

  • のどの渇きを感じる前の水分補給
  • 脱水によるめまいや立ちくらみに注意
  • 直射日光下での外気浴を避ける

真夏は特に水分補給が重要です。高温による発汗増加に加え、もともとの体温が高い状態のため、通常の1.5倍程度(700ml程度)を目安に水分補給を行いましょう

また真夏に直射日光下で外気浴をすると、暑くてリラックスできないだけでなく、脱水や熱中症、日焼けのリスクが上がってしまいます。水風呂の後は日陰や室内などの涼しい環境で休憩することをおすすめします

 

真冬:免疫力向上と冷え改善に効果的

冬のサウナの主な効果

  • 免疫力の向上
  • 冷え性の改善
  • 筋肉の緊張緩和
  • 血行促進
  • 風邪予防効果

寒い季節は、体が冷えて血行が悪くなりがちですね。サウナに入って体を温め、寒さで凝り固まった筋肉をじっくりとほぐすことで、肩こりや腰痛の緩和に期待できます。また、血行も促進されるため、冷え性の改善にも効果的です。

さらに、サウナに定期的に入ることで免疫系が刺激され、風邪をひきにくくなることがいくつかの研究で示唆されています。寒暖差による体調管理が難しいこの時期には、サウナに入ることで風邪のリスクを軽減することができるでしょう

おすすめの入り方

  • サウナ室での滞在は11分程度
  • 水風呂は35秒程度
  • 休憩は15分程度
  • 全体で2〜3セット可能

冬場は体が冷えている分、じっくりと体を温める必要があります。そのため、通常よりもやや長めにサウナの時間を設定しましょう。一方で、水風呂は少し控えめにしたり、外気浴だけでクールダウンを行い、体への負担を抑えることが大切です。水風呂が終わったら、室内の適度な温度下でしっかり休憩をとることをおすすめします

寒い時期の効果を高めるポイント

  • 入室前の軽いストレッチ
  • 温かい飲み物の活用
  • サウナ後の急激な冷え注意

冬場の水分補給は、体が温まった状態をキープするために重要です。サウナに入る前にはストレッチをして血行を良くしておくことで、より効率よく効果を得ることができるでしょう。水分補給は、できるだけ常温か少し温めの飲み物で補給することがおすすめです。

 

効果的なサウナ利用のために

気象条件によって体の状態が変わり、サウナの効果も変化します。その日の気圧や天候、温度を見て、入り方を変えることで、いつでも心地よくサウナを終えることができるでしょう。

もちろん、いずれの気象条件のときにも、体調に合わせて、ときにはサウナを控えることも大切です。水分補給や休憩を忘れずに気持ちのいいサウナをしていきましょう。

サウナにハマり「サウナ・スパ 健康アドバイザー」や「サウナ・スパ プロフェッショナル」「サウナ・スパ 健康士」の資格を取得。 サウナの利用は週に1回程度のミドルユーザーです。主に記事の執筆を担当しています。

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