コラム

サウナ飯の選び方|効果別おすすめメニューと栄養素

サウナ飯の選び方|効果別おすすめメニューと栄養素

はじめに

サウナの効果を最大限に引き出すには、サウナ後の食事が重要な役割を果たします。「ととのう」という言葉が一般的になり、様々なおもしろいサウナが登場しましたが、サウナ後のサウナ飯にも関心が集まり、おもしろいご飯が出てきていますね。

ここでは、『サウナの効果を高める』という視点で、サウナと一緒に摂るべきおすすめの栄養素やメニューをご紹介していきます。

POINT

サウナ後の食事では、目的に応じた栄養素を意識して摂取することで、サウナの効果を最大限に引き出すことができます。

 

リラックス効果を高めるサウナ飯

サウナの代表的な効果の1つは「リラックス効果」ですね。この効果をさらに高めるためにはどんな食事を組み合わせれば良いのでしょうか。

効果を高める栄養素

まずはリラックス効果を得られるとされる代表的な栄養素は以下のとおりです。

  • トリプトファン
  • ビタミンB6
  • マグネシウム

トリプトファンとビタミンB6はセロトニンの原料となるアミノ酸で、気分を安定させたり、リラックス感を促す神経伝達物質を生成するときに使われます。また、マグネシウムは筋肉の緊張をほぐす効果があります。これらの栄養素を組み合わせることで、より深いリラックス効果が期待できます。

おすすめメニュー

  • バナナスムージー
  • フルーツグラノーラヨーグルト

バナナスムージーは、バナナのトリプトファンとヨーグルトのビタミンB6の理想的な組み合わせです。さらに、はちみつを加えることで、トリプトファンの吸収が促進されるのでおすすめです。

フルーツグラノーラヨーグルトは、ヨーグルトのビタミンB6に加え、グラノーラに含まれるナッツ類のマグネシウムが心身のリラックスをサポートします。

どちらもサウナのセッション終了後30分ほど経過してから食べるのが理想的です。心拍数や体温が落ち着くと、身体が栄養を受け入れやすい状態になっています。セロトニンへの変換効率が高く、リラックス効果を最大限に引き出せるでしょう。

 

血流促進効果を高めるサウナ飯

サウナと水風呂(シャワー)を組み合わせることで血流が促進されます。この効果をさらに高めるためにはどんな食事を組み合わせれば良いのでしょうか。

効果を高める栄養素

血流促進の効果を得られたり、効果を持続するとされる代表的な栄養素は以下のとおりです。

  • 鉄分
  • ビタミンE
  • オメガ3脂肪酸
  • ビタミンC

鉄分は酸素運搬能力を向上させ、ビタミンEは血管の柔軟性を維持します。オメガ3脂肪酸は血液をサラサラにし、ビタミンCは鉄分の吸収を促進します。これらの栄養素を組み合わせることで、サウナによる血流促進効果を持続させることができます。

おすすめメニュー

  • サーモンアボカドサラダ
  • ほうれん草とツナのサラダ

サーモンアボカドサラダは、サーモンのオメガ3脂肪酸とアボカドのビタミンEが血流改善を促進します。さらにレモンドレッシングを加えることで、鉄分の吸収を高めるビタミンCも補給できるのでおすすめです。

ほうれん草とツナのサラダは、ほうれん草の鉄分とツナのオメガ3脂肪酸の組み合わせが、血流改善をサポートするでしょう。

どちらもセッション終了後1時間ほど経ってから食べるのが理想的。代謝が活発な状態が続くこの時間帯は、良質な脂肪酸やビタミンの吸収に効率的です。また、やや胃腸に負担のあるこれらの食べ物は、しっかり身体が落ち着いた状態で食べることで、栄養素をしっかりと取り込むことができるでしょう。

 

免疫力を高めるサウナ飯

サウナに定期的に入ることで、免疫力が上がり風邪などにかかりにくくなる効果があります。この効果をさらに高めるためにはどんな食事を組み合わせれば良いのでしょうか。

効果を高める栄養素

免疫力を高めるたり、維持する効果があるとされる代表的な栄養素は以下のとおりです。

  • ビタミンC
  • 亜鉛
  • ビタミンD
  • 食物繊維

ビタミンCは抗酸化作用と免疫細胞の活性化を促し、亜鉛は免疫細胞の生成と機能を助けます。また、ビタミンDは免疫システムの調整に重要な役割を果たし、食物繊維は腸内環境を整えることで間接的に免疫力の向上をサポートします。

おすすめメニュー

  • キウイヨーグルト
  • きのこの味噌汁

キウイヨーグルトは、キウイの豊富なビタミンCと、ヨーグルトの乳酸菌による腸内環境改善効果で免疫力を高めるでしょう。

きのこの味噌汁は、きのこのビタミンDと、味噌に含まれる発酵食品の力で免疫システムを強化することに期待できます。

どちらもセッション終了後30分経ってから食べるのが理想的です。活性化された免疫細胞が最も働きやすい時間帯で、ビタミンCの利用効率も高まっています。また、腸内環境を整える乳酸菌の定着率も高くなりやすいです。

 

疲労回復効果を高めるサウナ飯

血流促進の効果と重複する部分もありますが、サウナに入ることで疲労を回復する効果に期待できます。この効果を期待してサウナに通う方も多いのではないでしょうか。

効果を高める栄養素

疲労を回復する力を高める効果があるとされる代表的な栄養素は以下のとおりです。

  • BCAA(分岐鎖アミノ酸)
  • ビタミンB群
  • クエン酸
  • カリウム

BCAAは筋肉の修復を助け、ビタミンB群はエネルギー代謝を促進します。また、クエン酸は疲労物質の分解を助け、カリウムは失われた電解質を補給します。これらの栄養素を組み合わせることで、より効果的な疲労回復が期待できるでしょう。

おすすめメニュー

  • 卵かけごはん
  • レモネード

(たぶんみんな大好きな)卵かけごはんは、卵のBCAAと、ビタミンB群を含む白米の組み合わせで効率的に栄養補給ができます。

レモネードのクエン酸は疲労回復を促進し、適度な糖分で素早いエネルギー補給が可能です。

どちらも他のサウナ飯と同様に、セッション終了後1時間ほど経ってから食べるのがいいでしょう。免疫機能が活性化された状態が続いているため、免疫力向上効果を最大限に引き出せると思います。

 

睡眠の質を高めるサウナ飯

(特に夜に)サウナに入ることで、その日の睡眠の質が高まることが知られています。この効果をさらに高めるためにはどんな食事を組み合わせれば良いのでしょうか。

効果を高める栄養素

睡眠の質を高める効果があるとされる代表的な栄養素は以下のとおりです。

  • トリプトファン
  • GABA
  • マグネシウム
  • グリシン

トリプトファンは睡眠ホルモンであるメラトニンの原料となり、GABAはリラックス効果を高めます。また、マグネシウムは筋肉の緊張をほぐし、グリシンは体温を下げるなどの効果により深い睡眠を促進します。これらの栄養素を組み合わせることで、より質の高い睡眠が期待できます。

おすすめメニュー

  • 豆腐の味噌汁
  • 鶏ガラスープ

豆腐の味噌汁は、味噌にはGABAが、豆腐にはトリプトファンとマグネシウムが含まれています。わかめもミネラル(塩分)も豊富なため、サウナ後のリカバリーにも最適です。

鶏ガラスープは、グリシンが含まれ、様々な野菜にも合わせやすく、水分補給としても適しています。マグネシウムやGABAが豊富なほうれん草、トリプトファンやGABAが豊富なきのこ類を入れるとより効果的でしょう。

どちらもサウナが終わって30分以上経過し、なおかつ就寝1-2時間前に食べることで、自然な眠気を促すことができるでしょう。また、温かくして飲むことで、さらに体をリラックスさせて高い効果に期待ができるでしょう。

 

辛いサウナ飯について

ここまで紹介したメニューには「辛いご飯」をあえて避けてきました。辛いサウナ飯にはメリットがある反面、デメリットもあるからです。

しかし、実際にサウナ施設の食事処で提供される一般的なサウナ飯は、「辛いメニュー」が多く「サウナの後でさらに汗を流そう」といったコンセプトのものが多いですよね。

では、このようなサウナ飯にはどんなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

辛いサウナ飯のメリット

  • 代謝アップ効果
  • 発汗作用の持続
  • 爽快感の増加

まず、辛いメニューにはだいたい唐辛子が使われており、カプサイシンが多く含まれます。カプサイシンには代謝を活発にする作用があり、サウナ後の代謝上昇効果を持続させることができます。

また、発汗が促されたり、刺激でアドレナリンが分泌されたりすることで、さらにリフレッシュ感を高める効果に期待できるでしょう。

辛いサウナ飯のデメリット

  • 疲れを溜めてしまう
  • 胃への負担で消化不良になることも
  • 過度な発汗で脱水のリスクが高まる
  • 体を興奮状態にしてしまう

サウナ後は胃腸が敏感な状態のため、辛い食べ物を食べると強い刺激で消化器系に負担をかけ、普段よりもお腹を壊しやすくなる可能性があります

また、サウナで既に体の水分が失われているため、さらにサウナ飯でも発汗すると脱水のリスクを高める可能性があります

さらに辛味が体に与える刺激は、ある種のストレスと似ており、体がストレスホルモン(コルチゾールなど)を分泌することがあります。これにより、サウナでリラックスした体が再び覚醒してしまったり、その後の疲労感が強くなる場合もあります

POINT

辛いサウナ飯は、体を興奮状態にしてしまうため、夜(就寝前)ではなく、昼に選ぶようにしましょう。またその日の体調をよく考慮して選ぶようにしましょう。

 

まとめ

サウナの効果を最大限に引き出すためには、目的に応じた食事選びが重要です。

また、栄養補給だけでなく、楽しみながら継続することも大切です。この記事で紹介したメニューを参考に、無理のない範囲で自分に合ったメニューを見つけていきましょう。

サウナにハマり「サウナ・スパ 健康アドバイザー」や「サウナ・スパ プロフェッショナル」「サウナ・スパ 健康士」の資格を取得。 サウナの利用は週に1回程度のミドルユーザーです。主に記事の執筆を担当しています。

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