はじめに

「今日もサウナに行きたい」「できれば毎日サウナに入りたい」——そんな気持ちになったことはありませんか？

サウナにはストレス解消や睡眠の質向上など多くの健康効果があり、一度その気持ちよさを知ってしまうと、毎日入りたくなる方は少なくありません。

しかし、サウナを毎日楽しむには注意が必要です。

適度なサウナ利用は健康に良い影響を与えますが、過度な利用は肌や髪、さらには心身の健康に悪影響を及ぼすリスクがあるのです。

この記事では、毎日サウナに入るデメリットを6つ厳選し、それぞれのリスクと具体的な対処法について詳しく解説していきます。デメリットを正しく理解することで、毎日でも安全にサウナを楽しめるようになるでしょう。

サウナに毎日入りたくなる科学的な理由

サウナに毎日入りたくなるのは、「もっと健康になりたい」「ストレスを解消したい」というあなたの意志だけではありません。実は科学的なメカニズムが関係しています。

サウナに入ると熱によるストレスから、脳内で「β-エンドルフィン」という物質が分泌されます。

サウナ浴によって血中のβ-エンドルフィン濃度が上昇し、多幸感や快感をもたらすことが報告されています。NCBI - Cardiovascular and Other Health Benefits of Sauna Bathing

この仕組みは、長距離ランナーが経験する「ランナーズハイ」と同様のメカニズムです。脳がこの快感物質を求めて「もっとサウナに入りたい」と感じるようになるのです。

俗に「サウナ依存」と表現されることもありますが、これは医学的な診断名ではなく、サウナの心地よさに惹かれて通い続けたくなる状態を指した言葉です。

サウナ自体は健康に良い効果がたくさんあるため、健康状態に問題がなければ過度に制限する必要はありません。しかし、頻度が高くなるほどデメリットも増えてくることを知っておく必要があります。

毎日サウナに入るデメリット6選

毎日サウナに入る場合に注意すべきデメリットは、主に以下の6つです。

それぞれのメカニズムと対処法を詳しく解説していきます。

デメリット①毎日サウナで髪が痛む

髪の毛が乾燥し、キューティクルが剥がれ、枝毛や切れ毛が増えてしまうリスクがある——これが毎日サウナに入る最初のデメリットです。

サウナでは身体から多くの水分が失われ、その影響は髪にも表れます。特にドライサウナの場合、湿度が10～20％と非常に低く、空気が極度に乾燥しています。髪の毛は「シスチン結合」というタンパク質の結合で形成されていますが、高温・乾燥環境ではこの結合がダメージを受けやすくなります。

週に1～2回程度の利用であれば気になるほどではありませんが、毎日ドライサウナを利用していると髪の毛の痛みが明らかに感じられるようになるでしょう。

対処法としては濡れたタオルを頭に巻くこと、サウナハットをかぶること、事前にヘアオイルをつけることが効果的です。ヘアオイルをつけてから濡れたタオルまたはサウナハットを使用すると、熱によってオイルが浸透し、トリートメント効果も期待できます。

また、サウナ施設備え付けのシャンプーが髪質に合わないこともあります。毎日サウナを利用するなら、自分の髪質に合ったマイシャンプーを持参することも検討してみてください。

デメリット②毎日サウナで肌が乾燥する

サウナに1回入ることで300～500mlもの水分が汗として排出されると言われています。これによって肌が内側から乾燥してしまうのです。

サウナには血行促進による美肌効果がありますが、間違った入り方をすると逆に乾燥肌になり、肌荒れを引き起こしてしまいます。サウナ後に肌がプルプルして保湿されているように感じるかもしれませんが、これは表面に汗が残っているだけで、実際には内側から乾燥が進んでいます。

特にもともと乾燥肌の方は、普段から体内の水分量が少ない可能性がありますので、より注意が必要です。

毎日サウナを楽しむ場合は、サウナ前後にミネラルウォーターなどでしっかりと水分補給を行い、化粧水や乳液でスキンケアを行うことが大切です。サウナで毛穴の汚れが落ちているため、普段と同じケアでも肌への浸透が良くなっています。可能であれば、普段のケアにオイルやクリームを追加すると、より効果的に保湿できます。

デメリット③毎日サウナで疲労感が残る

サウナ中やその後の水風呂では熱や冷たさのストレスによって交感神経が優位になり、身体が興奮状態になります。この状態が続くと疲れやすくなるのです。

また、大量に汗をかいたり心臓に負担がかかることで、サウナでは想像以上にエネルギーを消費します。サウナ1回（約10分×3セット）で消費するカロリーは150～300kcal程度と言われており、これは軽いジョギングに相当します。

身体を興奮状態から元に戻すためには、サウナや水風呂の後に10分程度しっかり時間を作って休憩するようにしましょう。また、毎日サウナに入るならサウナの時間やセット数を少し減らし、外気浴・休憩の時間を長めにとることで、疲労を溜めにくい入り方になります。

デメリット④毎日サウナで血圧が上昇しやすくなる

大量の発汗によって体内の水分が減少し、血液がドロドロになる——これが毎日サウナで血圧が上昇してしまう原因です。

サウナに入ると体温が上がり、血管が拡張することで血圧を正常値に近づける効果が期待できます。しかし、毎日サウナに入ることで逆に血圧が上昇してしまう危険もあります。血液の粘度が高くなると血管内をスムーズに流れにくくなり、結果として血圧が上昇してしまうのです。

対策として、毎日のサウナの前後には必ずしっかりと水分補給を行うようにしてください。

デメリット⑤毎日サウナで肺・呼吸器に負荷がかかる

サウナ中に口呼吸をしていると、80～100℃の高温空気が直接肺や気管に入り、粘膜にダメージを与える可能性があります。

たまにサウナに入る程度なら問題にならなくても、毎日サウナに入ることで徐々に喉の痛みや息苦しさを感じるようになることがあります。

毎日サウナに入るなら、サウナ内では必ず鼻で呼吸するようにしてください。鼻腔を通ることで空気が適度に冷やされ、加湿されてから肺に届きます。できれば濡れたタオルを鼻や口に当てて呼吸することで、さらに肺や気管への負担を軽減できます。これらの対策をしても喉に痛みが出る場合は、サウナの時間を短く調整していきましょう。

デメリット⑥毎日サウナで低血糖になりやすくなる

毎日サウナに入り、過度に発汗することで血糖値の低下を招くことがあります。

これによって動悸、めまい、意識障害、けいれん、手足の震えなどの低血糖症状が現れる場合があります。特に空腹時にサウナに入ったり、糖尿病や低血糖傾向がある方は注意が必要です。

サウナは空腹時を避けて入るようにしましょう。

毎日サウナに入っていて低血糖の症状が出る場合は、サウナのセット数や1回あたりの時間を短くするようにしましょう。

毎日サウナを楽しむための4つのポイント

ここまで毎日サウナのデメリットを解説してきましたが、「それでも毎日サウナに入りたい」という方も多いでしょう。そこで、デメリットを最小限に抑えながら毎日快適にサウナを楽しむ4つのポイントをご紹介します。

ポイント①毎日サウナはサッとすませる

デメリットを減らす最も効果的な方法は、サウナの時間を短くしたり、セット数を少なくすることです。サウナは短時間でも効果があります。入らないことに比べれば、たった5分でも大きな違いがあるのです。

サッとすませることで、体への負担を軽減しながらサウナの効果を得ることができます。

ポイント②毎日サウナでは髪をしっかり保護する

傷みやすい髪はサウナ内でしっかり守りましょう。

毎日サウナで髪を傷めないために、必ずサウナハットをかぶるか、濡れたタオルを巻いて髪を保護するようにしてください。乾いたタオルよりも濡れたタオルのほうが蒸発による冷却効果があり、髪へのダメージを抑えられます。サウナ後のトリートメントやヘアオイルでのアフターケアも忘れずに。

ポイント③毎日サウナの疲れを睡眠でリセットする

サウナと睡眠のバランスをしっかり保つことが重要です。

サウナでたまる疲労を回復するために、しっかりと睡眠時間を確保する必要があります。「サウナに行くために睡眠時間を削る」ということは絶対に避けてください。疲れが蓄積し、日常生活に悪影響が出てしまいます。仕事で帰りが遅くなった日や飲み会があった日は、無理をせずサウナを休む判断も大切です。

ポイント④毎日サウナなら自宅サウナを検討する

毎日サウナに通いたいなら、自宅サウナの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

初期費用こそかかりますが、自宅サウナのランニングコストは施設に毎日支払う料金よりも圧倒的に安くなります。

毎日サウナに入りたい方にとって、自宅サウナは最も理にかなった選択肢と言えるでしょう。

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まとめ

サウナに毎日入るには、いくつかの注意点があります。しかし、デメリットとその対処法をしっかり理解しておくことで、リスクを最小限に抑えながら毎日のサウナを楽しむことができます。

すべてのデメリットに共通する基本は、サウナの時間を10分程度に抑えること、そしてしっかりと水分補給をすることです。そしてサウナ後の休憩・外気浴の時間は少し長めにとることを意識してみてください。

無理をして体を壊さないよう、デメリットも理解した上で、これからも充実したサウナライフを楽しんでいきましょう。

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