毎日のサウナは逆効果?最適な頻度とメリット・デメリット
はじめに
サウナに入ると汗をかいて、リラックスして、快適な睡眠をすることができますね。中には悩みや不安が小さくなったりと、メンタル面が改善された方もいるかと思います。そんなサウナで得られる健康効果をもっと高めるために、また日々のストレスを解消するためにサウナに毎日行きたいですよね。
でも、毎日サウナに入ることはメリットがある反面、いくつかのデメリットもあります。
ここでは、サウナに毎日入ることによるプラス面や入り過ぎによるマイナス面を詳しく解説していきます。サウナの効果を最大限に活用し、健康的な毎日を送りたい方はぜひ参考にしてみてください。
どうしてサウナに毎日入りたくなるのか
そもそも、サウナに毎日入りたくなるのは、「もっとサウナで健康になりたい」や「ストレスを解消したい」というあなたの考えも、もちろんあるとおもいます。しかしそれ以外にも科学的な理由があります。
サウナに入ると熱によるストレスからβ-エンドルフィンという物質が脳内で作られます。これによってドーパミンという物質の生成が促進されます。
実はこの仕組みは、長距離ランナーが「ランナーズハイ」になることとや「ギャンブル依存症」なんかに似ていて、この脳内物質を求めて「もっとサウナに入りたい」と思うようになるのです。
これがいわゆる「サウナ依存症」です。
サウナ自体は健康に良い効果がたくさんあるため、健康状態に問題がなければ制限したり禁止したりする必要はないと思います。
しかしその頻度があまりに多いとデメリットが多くなってくることを知り、「サウナ依存症にかかっているかもしれない」と冷静にサウナに通う頻度を考えるようにしておきましょう。
毎日サウナにはいるメリット5選
毎日サウナに入ることによって、サウナの健康効果を高めることができるため、多くのメリットがあります。中でも以下の5つは効果に期待ができます。- ストレスを解消する
- 毎日深い睡眠ができる
- 肌がきれいになる
- 免疫力が上がって風邪を引きにくくなる
- 集中力が上がる
それぞれ詳しく解説していきます。
ストレスを解消できる
ストレスは、現代社会において多くの人が抱える問題であり、毎日蓄積されていきます。サウナは、そんなストレスの解消に非常に効果的です。
サウナを利用すると自律神経が鍛えられたり、血行が促進して筋肉の緊張がほぐれたり、また快楽物質であるβエンドルフィンが放出されたりと複数の効果が合わさってストレスを効果的に解消できるようになります。
中でも自律神経を鍛える効果は、サウナに繰り返し入浴することで高まるとされています。そのため毎日サウナに入ることで自律神経のバランスを整え、ストレスが溜まりにくい生活をすることができるようになるでしょう。
毎日深い睡眠ができる
サウナに入ると体温が上昇し、日常生活に戻るときには体温が低下して元に戻りますね。この体温の低下によって睡眠を誘発させ、眠りに付きやすくなるとされています。
他にもサウナの血行促進によるリラックス効果や、エネルギーの消費なども合わさってサウナに入った日には睡眠の質が上がることが期待できます。
しかし深い睡眠につながるこれらの効果は、ほとんどが1回きりの効果のため、サウナに入った翌日や2日後には、いつも通りの睡眠に戻ってしまいます。
毎日サウナに入ることで、毎日睡眠の質を上げることができるようになり、疲れを取ったり、気持ちのいい朝を迎えられるようになるでしょう。
肌がきれいになる
サウナでは汗をかいたり、熱による刺激を受けますね。これによって、肌のターンオーバーを整えやすくなったり、ニキビ菌や毛穴の汚れなどを排出したり、細胞を活性化してアンチエイジング効果があるとされています。
しかし、毎日肌や毛穴の汚れは蓄積されますし、古い角質は日々追加されてしまいますね。そのため、ときどきサウナに入るよりも、毎日のようにサウナを利用することで高い美肌効果が期待できます。
免疫力が上がって風邪を引きにくくなる
サウナで体温が上がると、白血球の数が増えたり、免疫細胞が活性化したりすることが報告されています。同時に血行が促進されて、老廃物を排出しやすくなったり、栄養素や酸素が身体の隅々まで運ばれやすくなります。
これらの効果によって、毎日のようにサウナを利用することは免疫力を高め続ける効果が期待できます。
集中力が上がる
集中力につながるホルモンにプロラクチン、集中力や注意力につながるホルモンにノルエピネフリンというものがあります。
ロンダ・パトリック博士が報告している2つの研究によると、男性がサウナに滞在すると、ノルエピネフリンのレベルが約4倍まで上昇し、プロラクチンのレベルが約10倍に上昇したとされています。女性で行った研究でも同様に2つのホルモンの上昇が確認されています。
このようにサウナに入ることで、集中力につながる2つのホルモンが増加し、脳を集中しやすい状態にすることができるのです。
またホルモンだけでなく、サウナを利用することはデジタルから離れるデジタルデトックスの効果もあります。
様々なスマホやパソコンの通知によって現代人の集中力は落ちていると言われています。毎日サウナでデジタルデトックスをすることは、この注意力が散漫になるデジタルの習慣から離れて集中力を上げる効果も期待できるのです。
毎日サウナにはいるデメリット5選
では反対に毎日サウナを利用するとどんなデメリットがあるのでしょうか。
代表的なものは以下の5つです。
- 髪が傷む
- お金と時間がかかる
- 疲れが溜まっていく
- 依存症になる
- 精子の数が減る
それぞれ詳しく解説していきます。
髪が痛む
まず髪が傷むことです。
髪は体以上に高温になってしまうため、サウナの中で髪の細胞が壊れてしまう可能性が高まります。当然、これを毎日繰り返していくと結果的にゴワゴワやキシキシの髪になるなど、髪質が落ちてしまうリスクが高まってしまいます。もちろんハゲのリスクも高まります。
お金と時間がかかる
次にお金や時間がなくなることもデメリットの1つです。
仮に1回のサウナで1,000円のお金を、また1時間の時間を使うとしたら、年間で約36万円、360時間がなくなることになりますね。これだけ多くの時間やお金を費やしてしまうことは、やりたいことが多い人にとっては痛いデメリットと言えるでしょう。
疲れがたまる
サウナは汗をかいたり心臓の機能を上げたりして、エネルギーを消費するため、どうしても疲労感が出てしまいます。
ときどきのサウナなら感じない程度でも、毎日サウナに入ると、ある日突然ドッと疲れを感じてしまったりすることも。
疲労と休息のバランスが取れていないと、オーバートレーニング症候群のように、休んでも疲れが取れない慢性疲労の状態になるリスクがあります。
依存症になる
サウナに入るとβエンドルフィンという脳内物質が分泌されます。これは体を落ち着かせたりする効果があり、長距離ランナーがランナーズハイになるときに放出されるものと同じです。
これがある意味「サウナの快感」の1つになっているのですが、日常的にサウナに入ると脳が次のエンドルフィンを求めてしまう可能性があります。これが「サウナ依存」です。
サウナに入れるうちはいいですが、なにかの事情でサウナに入れない日が出ると不必要にイライラしたり、ストレスが爆発してしまうリスクがあります。
精子が減る
最後に男性限定の話ですが、毎日サウナに入ると精子の数が減ってしまいます。
精子は熱に弱く、サウナのような高温な環境では生きることができません。精子の濃度と妊娠能力の関係や否定する意見もありますが、特に妊活中の男性は念のためサウナを少し控えたほうが良いかもしれません。
毎日サウナに通うための4つのポイント
日常的にサウナに行くことでいくつかのデメリットがありますが、「それでもサウナに行きたい」という人も多いハズ。そこでこれらのデメリットを少しでも減らし、毎日快適にサウナに行く4つのポイントをご紹介します。
①サウナはサッとすませる
一番デメリットを減らす効果が大きいのが、サウナの時間を短くしたり、セット数を少なくすることです。
サウナは短時間でも効果があり、入らないことに比べれば大きな違いがあります。サッとすませることで、サウナにかかる時間を減らして、体に蓄積される疲労を軽減することができます。
例えば普段10分間サウナに入る人は半分の5分にしたり、普段3セットしている人は2セットにしたりと、軽いサウナにすることがおすすめです。サウナの時間を短くするときには水風呂の時間も短くしてくださいね。
②髪を保護する
傷みやすい髪はサウナ内ではしっかり守りましょう。
毎日のサウナで髪を傷まないようにするために、必ずサウナ内ではサウナハットをつけたり、タオルを巻くなどして髪を保護するようにしてください。もちろん、タオルを使うときは乾いたタオルよりも濡れたタオルのほうが効果的です。
また、シャンプーを髪のケアに特化したものに変えたり、サウナ後のアフターケアを行うことも重要ですよ。
③しっかり眠る
サウナと睡眠のバランスをしっかり保つようにしましょう。
サウナでたまる疲労をなくすために、しっかりと睡眠の時間を確保する必要があります。
「サウナに行くために睡眠時間を削る」などということは絶対にしてはいけません。どんどん疲れが溜まって日常生活に悪影響が出てしまいます。
仕事で帰るのが遅くなった日や、友達と呑み明かした日には、無理をせずサウナを諦めるようにしましょう。
④自宅サウナを検討してみる
費用を抑えるために自宅サウナを検討してみましょう。
初期費用こそかかってしまいますが、自宅サウナのランニングコストは施設に毎日払うお金よりも圧倒的に安いはずです。
また自宅にサウナがあることで、サウナ施設に通う時間を節約し、朝でも夜でも好きなタイミングでサウナを楽しむことができます。
毎日サウナに入りたい方はぜひ自宅サウナを検討してみてください。
idetoxでは屋内サウナ・屋外サウナ・テントサウナなど、個人が使える家庭用サウナを広く取り扱っています。興味がある方は商品ページを御覧ください。
サウナの推奨頻度|目的別の適切な頻度
「より頻繁にサウナに入れば、より効果が高まる」と考える方も多いのではないでしょうか。しかし、最新の研究ではサウナの効果を最大限に引き出すには、適切な頻度があることがわかっています。
週2回が推奨される科学的な理由
公益社団法人日本サウナ・スパ協会の推奨する頻度は「週2回」。これには、サウナの核となる効果である「ヒートショックプロテイン」が関係しています。
ヒートショックプロテインは、体温が38度を超えると生成される特殊なタンパク質です。このタンパク質には:
- 細胞の修復促進
- 免疫力の向上
- 抗炎症作用
- 筋肉の回復促進
重要なのは、このヒートショックプロテインの効果が約3日間持続するという点です。そのため、週2回のペースでサウナに入ることで、効率よく継続的な効果を得ることができます。
目的別の推奨頻度
ただし、サウナを利用する目的によって、最適な頻度は変わってきます。
健康維持目的:週2回がベスト
フィンランドの研究では、週に2-3回のサウナ利用で、心血管疾患のリスクが20%低下したことが報告されています。これは上述のヒートショックプロテインの効果持続時間とも一致します。
ストレス解消:必要に応じて柔軟に
ストレス解消が目的の場合は、その日の気分や体調に応じて利用することをおすすめします。ただし、連日の利用は逆にストレスになる可能性があるため、最低でも1日は間を空けることが望ましいでしょう。
美容効果:週1-2回が効果的
美容効果を求める場合、過度な利用は逆効果となる可能性があります。
毎日のサウナ利用は肌の乾燥を引き起こす可能性があり、特に乾燥肌の方は注意が必要です。週1-2回の利用で、肌の新陳代謝を促進しながら、適度な潤いを保つことができます。
アスリート向け:トレーニングに合わせて
運動後のサウナ利用は、筋肉の回復を促進し、持久力を向上させる効果があります。ただし、激しい運動の直後は避け、軽いトレーニングの日に合わせることをおすすめします。
1日のベストな利用時間帯
サウナの効果は、利用する時間帯によっても変わってきます:
- 朝:代謝を活性化し、1日の活力を高める効果
- 昼:ランチ後の眠気解消や集中力向上に効果的
- 夜:質の良い睡眠を促進する効果
特に夜のサウナ利用は、入浴後2-3時間で体温が下がり、自然な眠気を誘うため、睡眠の質を改善したい方におすすめです。
自分にあったサウナ体験を
サウナの入り過ぎは健康にいい影響も悪い影響も与えるため、正しい知識を持って入るのが重要です。またサウナは中毒性も指摘されています。サウナに入りたい気持ちはわかりますが、サウナ優先の生活というよりも、生活を楽しくするツールとしてサウナを利用されてくださいね。
他にもたくさんあるサウナの効果や影響についてはこちら
※参考
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