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サウナで死亡は本当?データで見る真のリスクと絶対厳守の安全対策5選

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サウナでの死亡例とリスクを下げる入り方 idetox オンラインショップ

はじめに

サウナ室の内部と安全な利用環境

「サウナで死亡事故が起きることはあるのか?」「サウナに入って急に具合が悪くなったらどうしよう」——こうした不安を抱えながらサウナを楽しんでいる方は、決して少なくないのではないでしょうか。

サウナブームが続く中、自律神経のバランス調整や心疾患リスク軽減など多くの健康効果が注目される一方で、安全性への関心も急速に高まっています。実際のところ、サウナでの死亡リスクはどの程度あるのでしょうか。そして、どうすればリスクを最小限に抑えながらサウナを楽しめるのでしょうか。

POINT

この記事では、信頼できる医学研究と公的機関のデータを基に、サウナ死亡事故の実態と効果的な予防策を詳しく解説します。正しい知識を身につけ、安全にサウナを楽しむための具体的な方法をお伝えします。

idetoxでは、皆様に安全で快適なサウナライフを送っていただくため、科学的根拠に基づいた正確な情報をお届けしています。

 

サウナ死亡事故の実態:データで見る本当のリスク

日本におけるサウナ事故の現状

日本では残念ながら、サウナが直接原因となった死亡者数の正確な統計は公表されていません。しかし、消費者庁の報告によると、2010年以降にサウナ関連の事故情報78件が寄せられ、計82人が負傷、そのうち2人が死亡しています。

近年は事故報告が増加傾向にあり、2022年と2023年度はそれぞれ10件の事故が報告されています。

消費者庁「サウナ設備の利用中の事故に注意」

サウナ人気の高まりとともに利用者数が増えていることが、事故件数増加の一因と考えられます。ただし、この数字にはやけどや転倒といった軽度の事故も含まれており、死亡事故そのものは依然として稀なケースです。

サウナ先進国フィンランドの詳細データ

最も詳細で信頼性の高いデータが得られるのは、サウナの本場フィンランドです。国民約550万人に対してサウナが約330万台あるとも言われ、サウナ文化が深く根付いた国だからこそ、長期的な疫学研究が可能になっています。

1990年から2002年にかけて、フィンランドでのサウナ中の死亡事故は年間10万人あたり2人未満という結果が出ています。

Kenttämies A, Karkola K. Death in sauna. J Forensic Sci. 2008

この数字を他の事故と比較してみましょう。

国・事故種別 年間死亡者数 10万人あたりの死亡率 出典
フィンランド(サウナ) 約20〜40人 2人未満 J Forensic Sci. 2008
日本(交通事故) 約2,678人(2023年) 約2.2人 警察庁統計
日本(入浴事故) 約19,000人(推計) 約15人 厚生労働省研究班

サウナでの死亡リスクは交通事故とほぼ同程度であり、一般的な入浴事故(浴槽内での溺水など)と比較すると格段に低いことが分かります。

この数字は、サウナが「危険な活動」ではなく、適切に利用すれば日常的に安全に楽しめるものであることを示しています。

 

サウナ死亡事故の主要原因を科学的に分析

フィンランドの研究データによると、サウナ死亡事故の原因は以下のように分類されています。

死亡原因の分類(フィンランドの研究データより)

51%
自然死
(心疾患等)
25%
熱による
死亡
24%
その他
(溺水等)

※上記全体のうち約50%の事例でアルコールが関与していました

最大のリスク要因:アルコールとサウナの危険な組み合わせ

過去13年間のサウナ関連死77件のうち、半数以上がアルコールに起因していることが明らかになっています。

Lifton J. Sauna deaths in Finland, 1970-1986. Am J Forensic Med Pathol. 1988

では、なぜアルコールとサウナの組み合わせがこれほど危険なのでしょうか。そのメカニズムを理解することが、リスク回避の第一歩です。

  • 血管拡張の相乗効果:アルコールもサウナも血管を拡張させます。両方が重なると血圧が急激に低下し、失神のリスクが高まります
  • 脱水症状の悪化:アルコールには利尿作用があり、サウナでの発汗と合わせて深刻な脱水状態を引き起こす可能性があります
  • 不整脈のリスク上昇:アルコールは心臓のリズムを乱しやすく、高温環境での心臓への負担と相まって不整脈を誘発することがあります
  • 判断力の低下:体調の変化や危険信号に気づきにくくなり、適切なタイミングでサウナを出ることができなくなります

注意!

アルコール摂取後のサウナ利用は、血管拡張による失神、脱水症状の悪化、不整脈のリスクを大幅に高める最も危険な組み合わせです。「お酒を飲んだ後のサウナは絶対にNG」と覚えておいてください。

既存疾患による自然死のメカニズム

約51%を占める自然死の大部分は、既存の心疾患が高温環境により悪化したケースです。サウナに入ると体は以下のような変化を起こします。

  • 心拍数の上昇(安静時の2倍程度まで増加することも)
  • 血管拡張による血圧変動
  • 発汗による体液量の減少
  • 心臓への血液還流量の変化

健康な方であればこれらの変化は問題なく処理できます。しかし、冠動脈硬化症(心臓に血液を送る血管が狭くなる病気)がある方では、心拍数が急上昇すると心筋の酸素需要が増大するものの、狭くなった血管では十分な血液供給が追いつかず、心筋虚血(心臓の筋肉が酸素不足になる状態)や不整脈を誘発するリスクがあります。

特に心筋梗塞の既往、重度の心不全がある方では、心臓への負担が過大になる危険性があるため、必ず医師に相談してから利用を検討してください。

 

実際の死亡事例から学ぶ教訓

サウナの温度計と安全な温度管理

過去に起きた悲しい事故から学ぶことで、同じ過ちを繰り返さないようにすることが大切です。以下に代表的な事例を紹介します。

極端な高温での競技事故(2010年)

2010年の世界サウナ選手権では、110°Cという極度に高温のサウナで6分間耐久を試みたロシア人参加者が死亡しました。通常のサウナ温度(80〜90°C)を大幅に上回る危険な環境での事故でした。

この事故を受けて、世界サウナ選手権は廃止されました。「我慢比べ」や「長時間耐久」といった行為が、いかに危険であるかを示す悲劇的な事例です。

設備不良による閉じ込め事故(2017年)

2017年にチェコで発生した事故では、サウナのドアの取っ手が故障し、母娘2人が約1時間半閉じ込められて死亡しました。

この事例は設備の安全性確認の重要性を示しています。特に古い施設や自宅サウナを利用する際は、ドアの開閉や緊急時の脱出経路を事前に確認することが重要です。idetoxでは、ドアの開閉機構に関する厳格な品質基準を設け、万が一の閉じ込めリスクを徹底的に排除した製品のみを取り扱っています。

過度な減量目的での長時間利用(2013年)

2013年、ブラジルの格闘家が短期間での大幅減量を目指し、長時間のサウナ利用中に死亡する事故が発生しました。体重制限のあるスポーツ選手による無理な減量は、命に関わる危険な行為です。

これらの事例に共通するのは、「無理」と「過信」です。正しい利用方法を守れば防げた事故ばかりです。

  • 極端な高温環境での無理な耐久
  • 安全設備の不備や故障
  • 過度な脱水を伴う長時間利用
  • 体調管理の軽視

 

サウナの死亡リスクを下げる安全対策

絶対に守るべき5つの安全ルール

サウナを安全に楽しむために、以下のルールは必ず守ってください。

  1. アルコール摂取後のサウナ利用禁止——飲酒後は最低でも数時間、できれば翌日までサウナを避けましょう
  2. 適切な時間管理(1回10〜15分程度)——無理な長時間利用は禁物です。苦しくなったら迷わず退室を
  3. 十分な水分補給——入浴前、入浴後、休憩中にこまめに水分を摂取しましょう
  4. 体調不良時の利用回避——発熱、めまい、疲労感があるときはサウナを控えましょう
  5. 一人でのサウナ利用を避ける——万が一の際に助けを呼べる環境で利用しましょう

利用前の健康チェックリスト

以下の症状や疾患がある方は、サウナ利用前に医師への相談をお勧めします。

  • 心疾患(狭心症、心筋梗塞の既往、不整脈等)
  • 高血圧(特にコントロールが不十分な場合)
  • 低血圧(起立性低血圧の傾向がある方)
  • 糖尿病(自律神経障害を伴う場合は特に注意)
  • 妊娠中(特に妊娠初期は避けることが推奨されます)
  • 発熱や体調不良

安全なサウナ利用の具体的ステップ

安全なサウナ利用の流れ

入浴前
コップ1〜2杯の水分補給
軽いシャワーで体を清潔に
体調確認(めまい等がないか)
サウナ室
10〜15分程度の利用
下段から始めて体を慣らす
苦しくなったら無理せず退室
休憩・水分補給
5〜10分の外気浴
水分とミネラルの補給
次のセットまで十分な休憩

 

リスクを理解した上で享受するサウナの健康効果

サウナ後の外気浴でリラックスする様子

ここまでリスクについて詳しく解説してきましたが、適切に利用すればサウナには素晴らしい健康効果があることも重要な事実です。

2,315人の男性を約20年間追跡調査した結果、週4〜7回サウナを利用する人は、週1回の人と比較して突然死リスクが63%、心血管疾患による死亡リスクが50%、全死因死亡率が40%低下することが確認されました。

Laukkanen T, et al. Association Between Sauna Bathing and Fatal Cardiovascular and All-Cause Mortality Events. JAMA Intern Med. 2015

週4〜7回サウナを利用する人の健康効果

63%減
突然死リスク
50%減
心血管疾患死亡
40%減
全死因死亡率

つまり、正しく利用すればサウナは死亡リスクを「下げる」活動なのです。

サウナがもたらす具体的な健康効果のメカニズム

  • 心血管機能の改善:サウナによる血管拡張は、血管内皮機能(血管の内側の細胞が持つ、血管を広げたり狭めたりする機能)を改善し、動脈硬化の予防に寄与すると考えられています
  • ストレス軽減:サウナ後にはストレスホルモン(コルチゾール)が減少し、幸福感を高めるβ-エンドルフィンが増加します
  • 自律神経調整:温冷交代浴により、交感神経と副交感神経のバランスが整えられます
  • 免疫機能向上:定期的なサウナ利用により白血球が活性化し、風邪などの感染症リスクが低下することが報告されています
  • 認知機能保護:週4回以上のサウナ利用で、アルツハイマー病や認知症のリスクが約65%低下したという研究結果もあります

 

より安全にサウナを楽しむなら家庭用サウナという選択肢

安全で快適なサウナ体験をお求めの方には、家庭用サウナも検討の価値があります。

  • 自分のペースで利用可能:混雑を気にせず、体調に合わせて利用時間を調整できます
  • 衛生面の安心:自分専用なので、清潔な環境を維持できます
  • 安全性の確保:家族が近くにいる環境で利用でき、万が一の際も安心です
  • 継続しやすい:自宅にあることで、健康効果をもたらす「定期的な利用」が習慣化しやすくなります

idetoxでは、安全性と品質を重視した家庭用サウナを取り扱っています。火事のリスクと安全対策についても詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

 

まとめ:正しい知識で安全なサウナライフを

サウナでの死亡事故は確かに存在しますが、適切な利用方法を守れば、そのリスクは交通事故と同程度であり、一般的な入浴事故よりもはるかに低いといえます。

この記事でお伝えした重要なポイントをまとめると:

  • アルコール摂取後のサウナ利用は絶対に避ける(死亡事故の約50%に関与)
  • 1回10〜15分を目安に、無理な長時間利用はしない
  • 十分な水分補給を心がける
  • 心疾患などの持病がある方は医師に相談してから利用する
  • 一人での利用を避け、体調の変化に注意する

POINT

サウナは正しく利用すれば、心血管疾患のリスクを大幅に減らし、ストレス軽減や免疫機能向上など多くの健康効果をもたらす素晴らしい健康法です。リスクを恐れて避けるのではなく、正しい知識を持って安全に楽しむことが大切です。

idetoxでは、皆様の安全で充実したサウナライフをサポートするため、今後も科学的根拠に基づいた正確で実用的な情報をお届けしてまいります。不安を感じている方も、この記事の知識を活用して、サウナの素晴らしい効果を安全に享受していただければ幸いです。

アンケート - idetoxアンケート

アンケート

最後までご覧いただきありがとうございます。 より良い自宅サウナを提供するために、アンケートにご協力よろしくお願いします!質問は3つです。

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判断材料として一番欲しい情報は?
質問 1 / 3
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idetox管理人

自称!?日本初のサウナコンシェルジュとして活動。 初心者の方でも、安心・安全に楽しんでいただくために、サウナにまつわる疑問やお悩み解決を日々発信中。 サウナの入り方やマナーまでご不明な点などございましたら、お気軽にご相談ください。

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