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低血圧の人はサウナに入れる?その効果やリスクについて解説します

低血圧の人はサウナに入れる?その効果やリスクについて解説します

はじめに

サウナはリラックスできる入浴法の1つで、日々のストレスから解放される場として多くの方に愛されています。

一方でアルコールを飲んだ後や心臓などに持病がある人、高血圧の人には、サウナはリスクが高く、基本的に利用を推奨されていません。

そして、注意しなければいけないのが「低血圧」の方です。

低血圧は見落とされがちですが、サウナの利用には悪い影響を及ぼす可能性があります。

 

低血圧について

まずは簡単に低血圧について振り返っていきましょう。

低血圧は、血液の圧力が正常よりも低い状態を指します。心臓のポンプ機能の低下や、血管の異常な拡張などにより発生するとされています。

日本心臓財団によると低血圧の定義は以下のように定義されています。

収縮期血圧が100mmHg未満

 

低血圧の原因

低血圧は原因がよく分かっていないものが多いのが現状で、遺伝によるものもあるとされています。ただし、以下のときには一時的に低血圧が起こりやすいとされています。

  • 座った後に急に立ち上がった時
  • 一部の薬を服用したあと
  • 妊娠中
  • 脱水状態

 

低血圧で起こる症状

アメリカの大型総合病院であるメイヨー・クリニックによると、低血圧で起こる症状の代表的なものには、以下のものが挙げられています。

  • 疲労感
  • めまい
  • ふらつき
  • 失神
  • 倦怠感
  • 集中力の低下
  • 吐き気

 

なぜ低血圧の人はサウナ利用を注意しなければいけないのか

低血圧の方がサウナを利用する際には、そのときの健康状態に応じた注意深い配慮が求められます

実際、アメリカのハーバード大学医学部のHP(Harvard Health Publishing)でも次のように記載されています。

高血圧や心臓病の他に、血圧が低い人も(サウナの利用は)注意が必要

では低血圧の方が、なぜサウナの利用を注意する必要があるのでしょうか。

理由は以下の3つが挙げられます。

 

サウナでは血管の拡張によって血圧がさらに下がる

通常、サウナでは体温が高温になって血管が拡張し、血行を促進させる作用があります。これは血液循環を良くし、疲労を解消したり、冷え性やむくみを改善する効果に期待ができます

しかし、この効果は低血圧の人にとって、血圧を下げすぎる要因となってしまい、サウナ中のめまいや立ちくらみ、失神などのリスクを高める可能性があるのです。

 

サウナでは汗によって血液量が減って血圧がさらに下がる

サウナでは大量の汗をかきますね。これが血液量を減らすことにつながり、結果的にめまいや立ちくらみが起きやすくなります。

もともと低血圧の方は、サウナの利用によって身体の水分量が減り、めまいや立ちくらみのリスクを高めることにつながるのです。

 

冷水浴の負担が大きい

サウナ後の水風呂は、血管を一時的に収縮させて血圧を上昇させる作用があります。

しかし、もともと高い血圧に慣れていない血管や心臓が、強制的に高い血圧にさらされると、脳出血や大動脈解離などの重大な病気を起こす可能性があります

そのため、もともと低血圧の方にとっては急激な血圧の上昇が大きな負担となる可能性があるのです。

 

低血圧の方のサウナ利用ガイド

低血圧の方がサウナを安全に利用するためには、まず医師の診断を受けることをおすすめします。

一概に「低血圧」と言っても、その状態や症状などは個人差が大きく、一括りにサウナ浴を勧めることができないからです。

 

もしサウナが問題ない範囲であれば、低血圧の方は以下のポイントに注意してサウナを楽しみましょう。

 

負荷の大きいサウナを避ける

まず大前提として身体への負荷が非常に大きいサウナを選ばないようにしましょう。

上級サウナー向けのサウナには温度や湿度が非常に高かったり、激しい熱波が行われることで体感温度が非常に高いものがあります。このようなサウナはリスクが大きいため避けるようにしましょう。

 

短時間で行う

サウナの滞在時間には注意を払い、短時間で利用することが重要です。

長時間サウナに入ると血圧がさらに大きく下がってしまうリスクがあり、めまいや失神等のリスクが増大してしまいます。

最初は5分程度からはじめ、そのときの身体の様子を見ながら時間を管理していきましょう。

 

水分補給をしっかりと行う

サウナに入る前には充分な水分補給を行いましょうこれにより脱水を防ぎ、血圧を比較的安定させることができます。

1回のサウナでは300~500mlの水分が失われるとされているため、この量を基準にサウナ前に水分補給を行いましょう。

 

 

水風呂は控え、徐々に冷たいシャワーを浴びる

サウナを利用した後は、冷たい水風呂に入るのではなく、シャワーを浴びて、徐々に体温を下げていきましょう

体温の変化が緩やかになることで、急激な血圧の変動を防ぐことができます。

 

耳鳴りやめまいが起きたらすぐにサウナを出て休息

サウナの使用中は、自分の体調を常にチェックし、不快感やめまい、耳鳴りなどの症状が現れたら直ちに外に出ましょう

ストレスのない環境でゆっくりと休息しながら体調回復を待つようにしましょう。

 

サウナで低血圧が改善されることは?

サウナに入ることで高血圧を改善する効果は、多くの研究で報告されています。

しかし、サウナに入ることで慢性的な低血圧が改善されることを示す研究報告は現在のところありません

場合によってはサウナが低血圧をさらに悪化させるリスクがあるかもしれませんし、反対に低血圧を改善する効果があるかもしれません。しかし現時点では「まだ分からない」としか言えないようです。

 

まとめ

  • 高血圧だけでなく低血圧の人もサウナ利用には注意が必要
  • サウナでは血圧をさらに下げる作用があるためリスクがある
  • 低血圧に人は水風呂による急激な血圧変動がリスクになる
  • 低血圧に人はサウナの利用前に医師の診断を受けることが推奨
  • サウナを利用する際には負荷の大きいサウナを避け、短時間で利用
  • 水分補給をサウナ前にしっかり行う
  • 低血圧に人は水風呂は控え、シャワーで徐々に体温を下げる
  • サウナ中にめまいや耳鳴りが起きたらすぐ休む
  • サウナは高血圧改善の報告はあるが、低血圧改善については不明

 

サウナにハマり「サウナ・スパ 健康アドバイザー」や「サウナ・スパ プロフェッショナル」「サウナ・スパ 健康士」の資格を取得。 サウナの利用は週に1回程度のミドルユーザーです。主に記事の執筆を担当しています。

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