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サウナ事故の現状と対策:安全に楽しむためのガイド

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サウナ事故の現状と対策:安全に楽しむためのガイド

はじめに

サウナ人気が急速に高まる中、サウナ利用時の事故も増加しています

そんな中、2024年の6月に消費者庁から「サウナ浴での事故に注意」という注意喚起が発表され、事故件数や事故の状況についての概要が公表されました。

この記事では、この注意喚起をもとにして、サウナの本場フィンランドでの研究を参考にしながら、サウナを安全に楽しむための入り方について解説していきます。

 

結論:サウナ事故を防ぐガイド

最初にこの記事のまとめとして、よくある事故別にそれを防ぐ対策を一覧にしています。

事故内容 具体的な対策
やけど
  • サウナ室内の高温な部分に触れない
  • 危ない場所を見つけたら、施設のスタッフに報告
  • ロウリュは適切な量と間隔で行う
転倒や打撲
  • サウナ室のドアは慎重に開閉する
  • 床が滑りやすいので注意して歩く
  • ゆっくり立ち上がり、一呼吸置いてから歩く
  • ロウリュは適切な量と間隔で行う
めまいや意識障害、深刻な事故
  • 持病のある人は事前に医師のアドバイスを受ける
  • 体調不良時はサウナを控える
  • サウナ前の水分補給を忘れない
  • アルコールを飲んだ後はサウナに入らない

 

以降では上記について詳しく解説していきます。

 

サウナでの事故の現状

事故件数と傾向

まず、消費者庁の報告によると直近のサウナでの年間事故件数について、以下のように記されています。

2014年から2021年までの平均事故件数は4件程度でしたが、2022年以降は急増し、年間10件以上の事故が報告されている

つまり、2020年頃から始まったサウナブーム以降は事故件数が2~3倍程度まで増えてしまっているようです。

 

サウナ人口比では?

車を運転する人が増えれば交通事故が増えるのと同様、サウナ人口が増えればサウナ事故数が増えるのは当然の結果です。また、サウナ人口が同じでも1人あたりの利用頻度や回数が増えているようであれば、それも事故件数が増えて当然の理由です。

そのため、実際に重要なのは「全体の事故件数」ではなく、「サウナ人口当たりの事故件数」、あるいは「サウナ利用1回当たりの事故発生率」となるはずです。しかし、消費者庁の報告ではサウナ人口や頻度などについて調査されておらず

サウナ利用者の増加や新しいサウナ施設の登場が影響していると考えられる

と述べられるに留まっています。(もう少ししっかり分析してほしいですね。。。)

さらに、サウナの習熟度によっても、事故の確率に違いがありそうです。例えば普段からサウナに入り慣れている人は事故も少なそうですよね。しかし、こちらも消費者庁の報告では触れられていないようです。(もう少ししっかり分析・・・)

 

そこで簡易的な分析としてGoogleトレンドでサウナの人気度がどうなったかを調べてみました。

(必ずしもGoogleトレンドの値がサウナ人口や利用頻度などと比例しているとも言えませんが、ある程度の相関関係はあると思われます。)

過去5年間の「サウナ」のトレンドの推移として、まず2022年頃にピークとなり、そこから横ばいになっているのが分かります。そして(細かい数字は省略しますが、)サウナブーム前の2019年頃と比較すると、2022年以降は約3倍のトレンドになっています。

事故件数は2019年から2022年以降で同じく「2~3倍」に増えていました。そのため、サウナ人口当たりの事故件数、または利用1回あたりの事故率というのは、それほど変わっていないのではないかと推測されますね。

それと同時に、「近年のサウナブームによって増えた新規サウナーの事故率が高い」とも言えなさそうです。

 

サウナ事故の主な例

では話は戻って、実際にどのような事故がサウナで多いのでしょうか。

症状別の事故件数

以下の表に、消費者庁に報告された主な事故の症状(受傷内容)別の件数をまとめます。

受傷内容 件数
やけど 31件
切り傷や擦り傷 24件
骨折・打撲 14件
その他 20件

多い順に「やけど」「切り傷・擦り傷」「骨折・打撲」となっています。「その他」には「めまい」「爪の剥がれ」「循環器障害」などが挙げられています。

個人的には「やけど」が多いことは想像通りでしたが、「やけど」の件数に対して「切り傷・擦り傷」「骨折・打撲」が思っていたよりも多いことに驚きました。

もちろん、「軽度のやけど」は報告されていないだけで、もっといらっしゃると思います

 

事故の状況と原因

個別の事故の状況について、一部が消費者庁の報告に記載されています。そこから見られる傾向として、以下のような原因が多そうです

  • やけど:むき出しの熱い部分に触れる、長時間滞在する
  • 切り傷・擦り傷:転倒、ドア開閉時の接触
  • 骨折・打撲:転倒

このようにサウナでの事故は、サウナ内での高温環境や滑りやすい床、急激な温度変化によるものが多く見られます。

 

参考:フィンランドでの研究報告

サウナの本場フィンランドでは、約20年間にわたって、サウナで起きた(サウナが直接原因になった)死亡事故について調査されています。参考までにこの研究報告の一部をご紹介します。

この研究報告によると、『死亡事故の25%は熱中症が原因』とされており、長時間の滞在や体調不良時のサウナの利用がリスクになっているようです。

また、『サウナの死亡事故のうち、アルコール摂取後の人が全体の50%』に上っており、酔った状態でサウナに入ることが大きなリスクとなっているようです。

 

サウナでの事故を防ぐための具体的な対策

以上のような事故を防ぎ、安全にサウナを楽しむため具体的な対策について以降で解説していきます。

 

やけどを防ぐ方法

当然ですが、サウナ室内の高温な部分に触れないように注意しましょう。

特にサウナストーブや照明機器、またドアのヒンジなどの金属部分が露出していれば、触れるとやけどの原因になります。もし危ない場所を見つけたら、他の利用者のためにも施設のスタッフにすぐに報告するようにしておきましょう。

また、ロウリュのやり過ぎによって蒸気でやけどすることもあります。ロウリュは適切な量を適切な間隔で行うようにしてください。

 

転倒や打撲を防ぐ方法

まず、サウナ室のドアは慎重に開閉しましょう。ドアの向こうに人がいて、思わぬ事故になることがあります。サウナの温度が下がらないようにと、急にドアを開けたりしないようにしておきましょう。

次に、サウナ室内はお風呂の水、人の汗、ロウリュで発生する結露によって床が濡れ、滑りやすくなります。歩くときには極力自分の足の裏を拭き、注意深く行動しましょう

最後に、サウナに入っていると、熱で血管が拡張して血圧が下がります。そのため、ベンチから立ち上がってサウナを出ようとすると、低血圧によってふらついたり、転倒してしまうことがあるのです。サウナを出るときには、ゆっくりと立ち上がり、一呼吸してから慎重に歩くようにしておきましょう。

 

めまいや意識障害、深刻な事故を防ぐために

まず第一にサウナは心臓や血管に負担がかかります。持病のある人は事前に医師のアドバイスを受け、無理のない範囲でサウナを利用しましょう

そして、普段の健康に問題がない人でも体調不良時にサウナに入ると危険です。サウナに入る前に、その日の体調のセルフチェックを行い、問題があればサウナを控えましょう

サウナでは1回の利用で約500mlの水分が失われるとされています。脱水によるめまいや転倒などを防ぐためにも、サウナ前の水分補給を忘れないようにしましょう。

最後に、アルコールを飲んだあとは絶対にサウナに入ってはいけません。低血圧や脱水、また体調管理や時間管理ができない事態が起き、深刻な事故につながってしまいます。最低でもアルコールはサウナの後に飲み、サウナ前後の水分補給を忘れないようにしてください。

 

おわりに

サウナを安全に楽しむためには、適切な入り方と注意点を守ることが重要です。健康的なサウナライフを送り、リラックス効果や健康効果を最大限に引き出しましょう。安全対策をしっかりと講じて、快適なサウナ体験をお楽しみください。

サウナにハマり「サウナ・スパ 健康アドバイザー」や「サウナ・スパ プロフェッショナル」「サウナ・スパ 健康士」の資格を取得。 サウナの利用は週に1回程度のミドルユーザーです。主に記事の執筆を担当しています。

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