コラム

サウナでストレス解消!科学的根拠と効果的な入り方を徹底解説

サウナでストレス解消!科学的根拠と効果的な入り方を徹底解説

はじめに

現代社会において、ストレスは多くの人々にとって避けられない問題ですね。

そんななか、ストレスを解消する方法として、サウナが注目されています。サウナは古くからリラクゼーションや健康増進の手段として利用されてきましたが、特にストレス解消効果に関しては、科学的に有効性を証明する多数の報告がされています。

この記事ではサウナのストレス解消のメカニズムや効果的な入り方について、分かっている範囲でいくつかの研究を引用しながら解説していきます。

 

サウナのストレス解消効果とは?

まず、「サウナのストレス解消効果」とは何を基準にしているのでしょうか。

もちろん、「なんとなくストレスがなくなった気がする」という、個人の主観を基にしているわけではありません。サウナのストレス解消効果についての研究は数多くありますが、その中心にあるのが、「コルチゾール」というストレスホルモンの量の変化です。

 

コルチゾールとは

人はストレスが溜まると、このコルチゾールの血中濃度が高まることが知られています。反対にリラックスしてストレスが解消されるとコルチゾールの濃度が低くなるのです。

つまりコルチゾールの濃度の変化を調べることで、ストレス解消効果を科学的に調べているのです。

 

サウナに入るとコルチゾールの濃度が下がる

サウナに入ることで、コルチゾールのレベル(血中濃度)が低下することがいくつかの研究によって示されています。

例えば、ポーランドで行われた研究では、被験者30人にフィンランド式サウナに4回入ってもらい、その前後のコルチゾールの濃度が測定されました。そこでは

サウナに入ることでコルチゾールの濃度が13.61µg/mlから9.67µg/mlに低下した

と報告されています。割合で計算すると約30%減少したことになります。

 

また、他の研究でも

サウナの使用がコルチゾールのレベルを10-40%低下させる

と報告されています。

サウナの環境、被験者の年齢など、条件が異なる研究でも、同じように「サウナ後にはコルチゾールの血中濃度が下がる」とする研究が多いため、サウナのストレス解消効果は「信憑性の高い効果の1つ」と言えるでしょう

 

ストレス解消を促すメカニズム

では、なぜサウナに入るとコルチゾールが低下し、ストレスが解消するのでしょうか。

サウナによるコルチゾール低下のメカニズムは複雑で、いくつかの要因が相互に影響し合っていると考えられています。以下の3つはその主要な要因とされています。

  • リラックスと自律神経のバランス
  • ヒートショックプロテインの生成
  • β-エンドルフィンの分泌

それぞれ解説していきます。 

 

自律神経のバランスの調整

タイでの研究では「自律神経のバランスが崩れるとコルチゾールのレベルが上昇する」ことが報告されています。

サウナから外気浴までの一連のセッションでは、自律神経を鍛え、そのバランスが取れやすくなる効果があります。この効果によってサウナ後にはコルチゾールのレベルが低下することが期待できます。

 

ヒートショックプロテインの生成

サウナによって体温が上昇すると、細胞内でヒートショックプロテイン(HSP)という物質が生成されます。HSPは、細胞の保護や修復に関与し、身体が熱ストレスに適応するのを助けます。これにより、体内のストレス反応が調整され、コルチゾールの過剰分泌が抑えられると考えられています。

実際、熊本大学などでの研究ではメダカを使った実験で、「HSPがコルチゾールの分泌を抑える」ことを明らかにしています。

 

β-エンドルフィンの分泌

サウナに入ることで、脳内でβ-エンドルフィンと呼ばれる「幸せホルモン」が分泌されます。β-エンドルフィンは、ストレスを和らげ、気分を改善する効果があり、これがコルチゾールの分泌を抑制する可能性があります。

アメリカなどでの研究でも、「ストレスがある状態でβ-エンドルフィンが分泌されると、コルチゾール低下に寄与する」ことが示唆されています。

 

ストレス解消効果のタイミング

では、実際にサウナに入ってストレス解消効果が最も現れるタイミングはいつなのでしょうか。

コルチゾールのレベルが下がり、最もストレス解消効果があるのは、サウナ利用中ではなく利用後だと考えられます。

特に、水風呂などのクールダウンを行ったあとの「外気浴・休憩」中は、副交感神経が優位になり、コルチゾールのレベルが低下し、ストレス解消効果が最も大きくなると考えられます。

 

ストレス解消効果の持続時間

サウナの後、低下したコルチゾールのレベルが元に戻るまでの時間、つまり「ストレス解消効果の持続時間」は、どのくらいなのでしょうか。

ある研究では、サウナの後、コルチゾールのレベルは24時間以内に元に戻ることが報告されています。また別の研究では、コルチゾールのレベルはサウナの後、数時間以内に元に戻ることが報告されています。

 

研究によって異なる結果が報告されていますが、総括すると長くても24時間以内だと考えられます。

 

もちろん、定期的にサウナを利用することで、自律神経のバランスを整え、ストレスに対する耐性を高める効果があります

つまり、週に1回でもサウナに入る習慣をつけておけば、長期的なストレス耐性の向上が期待でき、そもそもストレスが溜まりにくい身体づくりが期待できます。ストレスの多い日々を過ごす現代人にとって、定期的なサウナは大きなメリットとなるでしょう。

 

ストレス解消のための効果的なサウナの入り方

サウナのストレス解消効果を最大限に引き出すために、特別な入り方をする必要はありません。「普通の適切な入り方を続ける」ことが重要です。

以降では、適切な入り方のポイントをサウナ初心者向けに紹介します。

 

サウナ温度の選び方と滞在時間

まず、サウナの温度管理が重要です。高すぎる温度は身体に負担をかけすぎ、脱水症などの思わぬ事故につながることがあります。サウナは無理のない温度でリラックスできる環境を整えることが大切です。初心者であれば、80〜90度の温度のサウナを選んだり、できるだけ温度が低い、入口に近い下段のベンチに座るようにしましょう。

また、サウナ内での滞在時間も重要です。体がサウナの熱に慣れるまでは、最初は5分程度から始め、徐々に滞在時間を延ばしていくと良いでしょう。サウナの条件にもよりますが、長くても15分程度までにし、自分の体調に合わせたサウナの利用を心がけてください

 

温冷交代浴

サウナ後に水風呂や冷たいシャワーを行う「温冷交代浴」は、ストレス解消効果をさらに高める方法として知られています。サウナで温まった体を冷水で冷やすことで、血管が収縮し、血液循環が促進されます。これにより、リフレッシュ感が増し、ストレス解消効果が持続します。

また、温冷交代浴は自律神経のバランスを整える効果もあり、日々のストレスに対する耐性を強化する助けとなります。

最初は苦痛に感じるかもしれませんが、水風呂にゆっくり入って体を慣れさせたり、冷たいシャワーで代用して、「しっかり体を冷やす」ことを意識しておきましょう

 

サウナ前後の水分補給

サウナ利用時には、適切な水分補給が欠かせません。水分が不足し、サウナ中に脱水状態になると体に余計にストレスがかかってしまいます

1回のサウナで約500mlの汗をかくとされているため、サウナ前後にはこの量を目安に十分な水分補給を行いましょう。水だけでなく、スポーツドリンクなどの電解質を含む飲料もおすすめです。

またカフェインなどの利尿作用のあるものはサウナ前には控えるようにしておきましょう。

 

おすすめのサウナの種類は?

サウナにはドライサウナ・スチームサウナ・ミストサウナ・遠赤外線サウナなど様々な種類があり、それぞれに特徴がありますね。

ドライサウナも、スチームサウナも、遠赤外線サウナも「コルチゾールのレベルを下げる」とする研究論文がそれぞれ存在しています。そのため、ストレス解消効果については、どのサウナも同じように効果があると考えられます。

 

つまり、サウナでストレス解消をしたいのであれば、単純に自分が好きなサウナの種類を選ぶと良いでしょう。

例えば、サウナ後のリフレッシュさや爽快感を味わいたい方は、体感温度の高いフィンランド式サウナでアウフグースなどを受けるといいでしょう。また、敏感肌で高い温度が苦手な方は、長時間でも過ごしやすい遠赤外線サウナを選ぶと良いでしょう。

サウナの種類によって適切な入り方や滞在時間が異なるため、それぞれのサウナに適した入り方を調べておくことも重要です。

 

まとめ:自宅サウナでいつでもストレス解消を

サウナによってストレスホルモンであるコルチゾールが低下し、幸福ホルモンであるβ-エンドルフィンの分泌が促進されることが多くの研究で報告されており、日々のストレスを効果的に解消することに期待ができます。

さらにリラックス効果を高める方法として自宅サウナがあります。自宅サウナは、他人のマナーやサウナの込み具合などを気にする必要がなく、温度や湿度を自由に変えることができます。忙しい日常の中で、自分自身のリラックス時間を確保するためにも、自宅サウナを取り入れてみてはいかがでしょうか。

サウナにハマり「サウナ・スパ 健康アドバイザー」や「サウナ・スパ プロフェッショナル」「サウナ・スパ 健康士」の資格を取得。 サウナの利用は週に1回程度のミドルユーザーです。主に記事の執筆を担当しています。

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