「サウナでととのう」方法や状態を資格保持者が解説
はじめに
サウナは近年、健康や美容、リラクゼーション効果が注目され、多くの人々が利用しています。そんな中、サウナで「整う(ととのう)」という言葉や状態が話題となり、さらなるサウナブームを巻き起こしました。
そこで本記事では、「ととのう」について知ったり、やり方やコツ、そして「ととのう」ことが危ないとされる理由などについて、サウナプロフェッショナルの資格保持者である私が解説していきます。
サウナの「ととのう(整う)」とは?
まずは「整う(ととのう)」という言葉やその状態について、詳しく見ていきましょう。
「ととのう」とは
整うとは、サウナで得られるリラクゼーション効果や心身の調和を指す言葉で、サウナ利用者の間でよく使われます。
具体的に整うとは、熱いと寒いを交互に行うことで自律神経のバランスが整い、心身のバランスが整った状態を指します。
「ととのう」が起きるタイミング
ととのう状態は、サウナ⇨水風呂⇨外気浴(休憩)を行うサウナのセッションの中で、「外気浴(休憩)」のときに起きます。
サウナ室の中で汗をかきながら「ととのった」と感じている人がよくいらっしゃいますが、これは間違いです。一般的には水風呂を出て1~2分が自律神経のバランスがとれて"ととのう"状態になるとされているタイミングです。
サウナや水風呂では交感神経が刺激されて優位になり、身体が興奮状態になります。その後、外気浴や休憩を行うことで副交感神経が刺激されて優位になり、リラックスした状態になります。
整うまでには個人差があり、1回のサウナで整う状態を体感できる人もいれば、サウナから外気浴までを繰り返し行うことで、ようやく整う状態になれる人もいます。
「ととのう」時にはどのような状態になるのか
整う状態になると、心身の緊張が解消され、リラックスした状態になります。また、自律神経のバランスが整い、精神的な安定やストレスの軽減が感じられることが多いです。
具体的には、「意識がふわーっと抜けていく」だったり「感覚が研ぎ澄まされる」ような状態になります。この感覚は、人によってやや感じ方に違いはあるものの、多くは気持ちのいい状態です。
「めまい」との違い
サウナでよく語られる「ととのう」と「めまい」は、どちらも体の反応として起こりますが、全く異なる状態です。
「めまい」は、サウナの熱や水風呂の冷たさに体が過剰に反応した結果、血圧の急激な変動や脱水症状によって引き起こされます。これは体に負担がかかりすぎているサインです。
通常、「ととのう」状態ではめまいを感じることはありませんが、体調やサウナの入り方によっては「ととのう」と同時に「めまい」を感じることがあります。これを防ぐためには、適切な水分補給や無理をしないサウナの入り方が重要です。
"ととのう"ためのポイント
「ととのう」を体験するコツ
「ととのう」を感じやすくするには、サウナや水風呂での適切な時間と温度が重要です。
サウナや水風呂で身体を緊張状態にすればするほど「ととのう」事ができるようになります。
同じく、外気浴が自分がリラックスできる温度や体勢であるほど「ととのう」ことができるようになります。
初心者は慎重に!
サウナに慣れていない初心者の方は注意が必要です。
最初から長時間のサウナや高温のサウナを行うと、脱水症状や熱中症などのリスクが増えてしまいます。
"ととのう"を感じるための時間や温度は、徐々に自分のペースで見つけることをおすすめします。
サウナは楽しむもの!焦らず、自分の体の反応を大切にしながら、サウナライフを楽しみましょう。
「ととのう」ことが危ないとされる理由
サウナで整うことは、主に自律神経のバランスを整えることですので危険なわけではありません。しかし、ネットやSNSを見ると「整うことが危ない」とされることがあります。これはなぜなのでしょうか。理由は主に以下の3つです。
体調不良を「ととのう」と勘違いする
サウナを利用すると、熱中症や脱水症状を起こしたり疲労が蓄積されるリスクがあります。そして、軽度であれば熱中症・脱水症状などは、整うときと同じような状態に感じることがあります。
そのため、サウナで起きるこれらの体調不良を整うと勘違いして、何度も繰り返し起こしてしまうことがあるのです。
依存状態になる
サウナ初心者は、一度「ととのう」の感覚を味わうと、その快感に取りつかれてしまいがちです。
実際サウナではβ-エンドルフィンという快楽物質が脳内に放出されてストレスを解消する効果があります。これは運動をしているときにも放出されるもので、基本的に安全です。
しかし、この快感(快楽物質)を何度も求めようとサウナに依存してしまうことがあるようです。
過度に何度もサウナに入ることは、疲れを溜めるなど、かえって身体に悪影響を与える可能性があります。また、急な事情でサウナに行けなくなると、ストレスを爆発させてしまう可能性もあります。
無理に「ととのう」を追求しすぎる
サウナで整う状態を感じるためには、サウナや水風呂にある程度長い時間を滞在する必要があります。
より気持ちのいい整い状態をつくるために、サウナや水風呂の時間を伸ばすことはよくあることですが、過度に長い時間サウナや水風呂に入ることで、熱中症や脱水症状を引き起こす危険が生まれます。
また、長時間のサウナ利用は心臓にも負担をかけるため、心臓疾患がある方は特に注意が必要です。
危険を減らして正しく「ととのう」方法
ではサウナで危ないリスクを避けて正しく整うにはどうすれば良いのか解説していきます。
十分な水分補給を行う
サウナでは大量の汗をかくため、水分補給が不十分だと脱水症状が起こることがあります。
1回のサウナで平均300~500mlの水分を失うとされていますので、サウナの前後には300~500ml数値を目安に、電解質の入ったスポーツドリンクなどで水分補給を行うようにしましょう。
また、利尿作用のあるアルコールやカフェインなどはサウナの前には控えるようにしましょう。
体調をしっかり考慮する
繰り返しになりますが、サウナでは熱中症や脱水症状、また疲れが溜まるリスクがあります。
体調が悪いときには無理にサウナに入らないようにすることも重要です。
ゆっくり慣れていく
特にサウナ初心者の方は、整う状態になるために高温のサウナに行ったりサウナや水風呂に長時間滞在してしまいがちです。
しかし、リスクを減らして正しく整うためにはゆっくり身体をサウナに慣れさせていくことが重要です。
一般的なサウナの時間の目安は10~12分とされていますが、初心者の方は5分くらいから行い、徐々に時間を伸ばしていくようにしましょう。水風呂も同様に目安よりも短い時間から始めていきましょう。
こうすることで脱水症状・熱中症・疲れなどと、ととのう状態を区別できるようになります。
外気浴(休憩)をしっかりと行う
サウナ⇨水風呂の後には外気浴や休憩を行うことで整うことができます。実際に自律神経のバランスがとれて整うのは水風呂から出て1~2分とされていますが、外気浴や休憩はもっとしっかり時間を取りましょう。
水風呂で体温が下がった後、外気浴をすぐに終わらせて日常生活に戻ると、体の冷えが続くことがあります。これにより、筋肉痛や関節痛、免疫力の低下が引き起こされ、風邪を引きやすくなる可能性があります。
他にも自律神経のバランスが乱れたり、血管等の循環器に悪影響が出たり、体温調整機能が低下したりと良いことが全くありません。
特に初心者の方で、複数回サウナのセッションを行う場合には、15分以上のしっかりした休憩を挟むようにしましょう。
日数を空ける
サウナ依存に陥らないように、特に初心者の方はサウナに行く日には間隔を空け、多くても1週間に1度程度の頻度にしておきましょう。
まとめ
- サウナで整う(ととのう)とは、自律神経のバランスが整って心身の調和がとれた状態
- 整う状態はサウナや水風呂が終わったあとで訪れる
- 整うと心身の緊張が解消され、リラックスした状態になる
- 軽度の脱水症状や熱中症などと整うが混同して危険とされることがある
- 正しく整うために初心者は徐々にサウナに身体を慣れさせていくことが重要
- 正しく整うためにはサウナの前に十分な水分補給が必要
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