【サウナ後の水風呂はなぜ必要?】8つの効果と正しい入り方を資格保持者が解説
はじめに
第三次サウナブームにより、多くの人がサウナに関心を持っています。サウナはリフレッシュやストレス解消、自律神経の調整、睡眠の質向上など、多くの健康効果が期待できます。そんなサウナの効果を高めるために欠かせないのが、水風呂です。
しかし水風呂の入り方を間違えると、自律神経のバランスが乱れたり、風邪を引くリスクが上がったりします。ここでは、水風呂に関する健康効果や入り方の注意点を「サウナ・スパ プロフェッショナル」の資格保持者が解説します。
※サウナ後の水風呂とシャワーの違いについては以下で解説しています。
サウナ後の水風呂の入り方
まずは水風呂の正しい入り方について解説していきます。水風呂やその後のサウナは以下の順で行っていきましょう。
- かけ湯やシャワーで汗を流す
- ゆっくり入る
- 肩まで浸かる
- 深呼吸する
- 30秒~1分程度じっとする
- 外気浴や休憩をする
- サウナを繰り返す
かけ湯やシャワーで汗を流す
サウナを出た後は、かけ湯やシャワーで汗を流しましょう。これにより、水風呂の水が汗で汚れるのを防ぎます。最低限のマナーとして覚えておきましょう。
ゆっくり入る
足から順番に水風呂にゆっくり入っていきます。これにより、心臓や血管にかかる負担を減らすことができます。
肩まで浸かる
体全体をゆっくりと水風呂に入れます。先ほどと同様、急激な冷却は体に負担をかけるため、ゆっくりと浸かりましょう。
深呼吸する
水風呂に入ったら、呼吸を深くしてリラックスしましょう。深呼吸で心拍数が落ち着き、リラックス効果が高まります。
30秒~1分程度じっとする
水風呂の温度にもよりますが、入る時間は1分前後が理想です。あまり長時間入ると体が冷えすぎてしまうため、注意してください。
外気浴や休憩をする
水風呂から出た後は、体温や血圧を整えるために外気浴を行います。外が暑いときや寒いときには「室内」でも問題ありません。最低でも10分程度は外気浴をしましょう。
サウナを繰り返す
心地よい温度差を楽しみながら、再びサウナと水風呂を繰り返しましょう。ただし、無理をせず、自分の体調や体力にあわせて行いましょう。
サウナの入り方についてはこちら⇩
なぜサウナの後に水風呂に入るのか?
ではここから、なぜ水風呂に入る必要があるのかを解説していきます。
サウナ後に水風呂に入る理由は主に次の2つあります。
- サウナの健康効果を上げる
- ”ととのい”やすくする
それぞれ以降で解説します。
サウナ後の水風呂で得られる8つの健康効果
サウナの後で水風呂に入ることで、以下の8つの健康効果が期待されます。
- 免疫力が向上する
- 自律神経が整えられる
- 肩こり・腰痛を改善する
- 疲労を回復する
- 心肺機能を強化する
- 美肌効果
- 睡眠の質の改善
- 冷え性改善
8つについて簡単に解説していきます。
効果①:免疫力が向上する
サウナと水風呂を交互に行う「温冷交代浴」は、白血球の一部を活性化することが九州大学の研究をはじめ、いくつかの研究で示されています。
さらに、サウナと水風呂の組み合わせはストレスを軽減したり、血行を促進する効果もあります。これらの効果も間接的に免疫力を高める効果につながっているようです。
効果②:自律神経が整えられる
サウナの後に水風呂に入ることは、自律神経系にも強い影響を与えます。
サウナでは交感神経が優位になりますが、冷たい水風呂でもさらに交感神経が優位になります。そして、水風呂から出てゆったり外気浴を行うことで副交感神経が優位になります。これを繰り返すことで自律神経を鍛え、そのバランスが整いやすくなります。
効果③:肩こり・腰痛を改善する
サウナ後に水風呂に入ることで、肩こりや腰痛をはじめ、様々な種類の痛みを緩和する効果に期待ができます。
水風呂に入ることで、血流が改善されて酸素や栄養が効率よく運ばれ、老廃物が速やかに排出されるため、炎症や痛みが軽減されやすくなります。また、低温刺激が痛みの信号を送る神経を麻痺させ、鎮痛効果をもたらす効果もあります。さらに、冷水浴によるエンドルフィンという脳内物質の分泌も痛みの感覚を和らげる一因となります。
ただし、重度の怪我や炎症が起きたばかりの場合は、そもそもサウナを医師に相談してから行うべきです。
効果④:疲労を回復する
サウナで温まった後に水風呂で急速に冷やされると血行が促進されます。すると、体内の老廃物や疲労物質の排出を促進し、身体的(肉体的)な疲労が早く回復しやすくなります。
また、温冷交代浴によるリフレッシュ効果は、精神的な疲労の回復にも寄与するとされています。
効果⑤:心肺機能を強化する
サウナで心拍数が上昇し、水風呂で急激に心拍数が低下することで、心臓や血管がトレーニングを受けたような状態になり、心臓や血管の病気の予防にもつながるとされています。
また、肺の機能も向上し、より効率的な酸素摂取が可能になることが期待できます。
ただし、もともと心臓に持病がある場合は、医師に相談してから水風呂に入るようにしましょう。
効果⑥:美肌効果
サウナで開いた毛穴が、水風呂によって引き締まります。これにより、肌のハリと弾力が改善され、より健康的で若々しい肌質を保つことが期待できます。
これは、ニキビや吹き出物の予防にも役立つとされています。
効果⑦:睡眠の質の改善
サウナで高くなった体温が水風呂によって下げられますね。この体温の変化は、体内時計に影響を与えるとされています。
高まった体温が低下することは体に「夜になった」と感じさせ、自然な眠気を誘発する効果があります。
これによって、サウナや水風呂を行ったあとは、より深い、質の高い睡眠を得やすくなるとされています。
効果⑧:冷え性改善
冷え性の改善のために冷たい水風呂に入ることは逆効果にも感じますが、実際にはサウナ後の水風呂は、冷え性の改善にも有効とされています。
サウナで体が温まった後、水風呂に入ることで血管が収縮し、血行が促進しますね。すると、体の末端まで血液が行き渡りやすくなります。それによって末端の冷えが改善されるとされています。
定期的にサウナ後の水風呂を行うことで、慢性的な冷え性が改善される可能性があると期待されています。
他にもあるサウナの効果についてはこちら⇩
冷たい水風呂に入ると"ととのい"やすくする
サウナ後に冷たい水風呂に入ることで、その後の外気浴で「ととのう」効果が得られるとされています。
「ととのう」感覚は、主に交感神経優位の状態から副交感神経優位の状態へ切り替わるときに起こるとされています。これによって、体に深いリラックス感をもたらし、心地よい疲労感と爽快感が得られるのです。
サウナ後に冷たい水風呂に入ることで、「サウナだけ」よりもっと交感神経を優位にさせることができます。それによって、その後の外気浴中に副交感神経が優位になりやすくなり、"ととのい"やすくなるのです。
”ととのう”感覚について、もっと知りたい方はこちら⇩
やってはいけない水風呂入浴法とその危険性
水風呂は良い効果だけでなく、気を付けなければいけないこともあります。以下の点に注意しましょう。
マナー編
いきなり入らない
水風呂に入る前に必ずかけ湯を行いましょう。温泉と同じく、マナーを守りましょう。
水風呂へ潜らない
多くの施設では、水風呂に潜ることを禁止しています。マナーを守り、他人の迷惑を避けましょう。
健康への影響編
一気に水風呂に浸からない
心臓への負担を減らすため、心臓から遠いところからゆっくり入りましょう。
長時間入らない
1~2分前後を目安にし、体を動かさないようにしましょう。
また、水風呂への入浴中は体を動かさないことが望ましいです。水風呂の中でじっとしていると皮膚と水の間に膜ができ、冷たさを感じにくくする、羽衣(はごろも)というものができます。すると冷たさを不快に感じない、気持ちの良い状態になるのです。
十分に外気浴をする(※重要)
水風呂のあとには十分な外気浴(休憩)をすることが特に重要です。
外気浴(休憩)は身体がリラックスできる気温であったり風速が強くない環境で行う必要があります。季節や天候を見ながら、時には室内を選んでゆっくり時間をとって休憩するようにしましょう。
ご飯を食べた直後に入らない
サウナや水風呂に入ることにより、血液が体中に巡るようになります。
一方、食後には消化のために胃や腸へ血液が集中しなければいけません。それにもかかわらずサウナや水風呂で血液が分散すると消化機能が低下し、下痢などの消化不良になってしまいます。
目安としては食後1~2時間ほど空けるのが望ましいとされています。
まとめ
水風呂の効果と注意点を紹介しました。水風呂は身体に多くの効果をもたらしますが、正しい入り方と注意点を守ることが重要です。これらを理解し、正しい方法でサウナと水風呂を楽しんでください。
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