コラム

サウナと二日酔い:リフレッシュの秘訣かリスクか

サウナと二日酔い:リフレッシュの秘訣かリスクか

はじめに

サウナは、近年日本でも人気が高まっている健康法です。汗をかくことでリラックス効果やストレス解消効果も高いと言われています。

そんなサウナですが、二日酔いに効果があるとSNS等で言われることがあります。

しかし、実際にはどうなのでしょうか?

ここでは二日酔いに期待できる効果とリスクについて解説していきます。

 

二日酔いとは

まず、二日酔いについて詳しく見ていきましょう。

二日酔いは、アルコールを過剰に摂取した後に発生する一連の不快な症状のことです。アルコールが体内で分解される過程で、有害な化学物質が発生し、これが二日酔いの原因とされています。

二日酔いには個人差があり、アルコールを分解する能力や体質、飲酒時の水分摂取量、飲酒の習慣などによって症状の程度が異なるとされています。

 

アルコールの分解プロセス

アルコールを摂取すると、まず肝臓でアルコールが分解されます。この過程でアセトアルデヒドという有毒な物質が発生してしまいます。

アセトアルデヒドはさらに分解されて無害な物質に変わっていくのですが、過剰なアルコール摂取により、身体がアセトアルデヒドの分解のペースが追いつかなくなり、様々な気持ちの悪い症状が発生してしまいます。

他にも二日酔いになる要因はいくつか指摘されていますが、現在一般的に知られている要因はこのアセトアルデヒドです。

 

二日酔いの症状

アセトアルデヒドが体内に蓄積されると以下のような症状が現れます。

  • 疲労
  • 脱力
  • 口の渇き
  • 頭痛
  • 吐き気
  • 胃痛
  • めまい
  • 光や音に対する過敏症

参考:米国立アルコール乱用・アルコール依存症研究所(NIAAA)

 

また、アルコールは利尿作用もありますね。これによって、水分が体外に排出されることで以下のような脱水症状も併発する可能性があります。

  • 集中力の低下
  • 日中の強い眠気
  • 食欲不振
  • 腹部の不快感
  • 胃もたれ
  • 体に力が入りにくい

参考: サワイ健康推進課 (sawai.co.jp)

 

サウナの基本と効果

次に、サウナの基本とその健康への効果について触れましょう。

サウナは高温で湿度が管理された環境でリラックスするフィンランド発祥の入浴法の1つです。

サウナには、ストレスの緩和、血行の促進、筋肉のリラクゼーションなどの効果があります。

飲酒後はサウナNG

サウナのタブーの1つとして「飲酒後のサウナ」があります。

アルコールは血管を拡張して血圧を下げる働きがあり、サウナでも同様に血圧が下がる効果があります。この2つの効果が悪影響となり、不整脈などを引き起こしやすくなります。

またアルコールは利尿作用があり、サウナ中に脱水症状になりやすいです。他にも正常な判断ができずにサウナから出るタイミングを誤ったりしてしまうため、飲酒後のアルコールは避けなければいけません。

 

サウナが二日酔いに与える効果と影響

では、二日酔いのときにサウナに入るとどんな効果があり、またどんなリスクがあるのでしょうか。

 

確かに二日酔いの症状を緩和する効果も期待できるかも

サウナは、血行を促進して体内の不純物の排出を促す効果があります。

そのため、体内の代謝を高めることで、一時的に二日酔いの症状を和らげる効果があるかもしれません。

実際に、私もあまり知識がない頃に、二日酔いの時にサウナを利用したことがあり、一時的に頭痛や倦怠感が軽減されたことを体験したことがあります。

 

サウナは二日酔いを悪化させるリスクの方が大きい

しかし、二日酔いの際にサウナに入ると、良い効果以上のリスクがあるため、一般的に推奨されていません

この理由は大きく2つ、「血液の分散」と「脱水」です。

 

血液の分散で二日酔いが長引く

サウナでは全身が温められて血行が促進しますが、これは言い換えると血液が体中に分散してしまうことを意味します。

血液が分散すると、肝臓の血流量が減少するため、アルコールの分解処理機能が低下してしまいます。そのため、二日酔いを長引かせてしまう可能性が高いのです。

 

汗をかくことで、二日酔いを長引かせ、脱水症状を併発しやすい

体内に溜まったアセトアルデヒドは分解の過程で水分が必要になります。

サウナでは多くの汗をかくため、体内の水分が失われてしまいます。そのため、二日酔いの症状を長引かせるだけでなく、脱水症状のリスクが増大する可能性が高いのです。

 

二日酔い時の対処法

二日酔いの症状を和らげるためには、適切な食事と飲み物が重要です。

以下に、二日酔い時のおすすめの対処法をいくつか紹介します。

水分補給

アセトアルデヒドの排出の過程で水分が必要だったり、アルコールの利尿作用によって脱水症状が起こりやすくなるため、水分補給は非常に重要です。

水を多く摂ることは、体内のアルコール成分を早く排出するのにも役立ちます。このとき、スポーツドリンクのような電解質を含む飲み物を摂取することがより効果的とされています。

 

果物やジュース

果糖やビタミン類はアルコールの分解や代謝を促します。

そのため、二日酔いの際はオレンジジュースを飲んだり、リンゴなどの果物を摂ると効果的です。

 

緑茶のタンニン(カテキン)

緑茶に含まれるタンニンには、胃の粘膜を修復する作用があります。

これらを摂取することで、二日酔いによる胃の不快感を和らげることができます。

 

緑茶やコーヒーなどのカフェイン

コーヒーなどに含まれるカフェインには、二日酔いの頭痛やだるさを和らげる効果があるとされています。

 

まとめ

サウナは二日酔いの症状を和らげる効果があるかもしれませんが、かなりのあら治療と言えるでしょう。

二日酔いのときにサウナに入ると、二日酔いを長引かせたり悪化させたりするだけでなく、脱水症状のリスクが高くなってしまいます。

二日酔い時にはサウナを控え、水分やビタミン接種と休養を心がけるようにしましょう。

サウナにハマり「サウナ・スパ 健康アドバイザー」や「サウナ・スパ プロフェッショナル」「サウナ・スパ 健康士」の資格を取得。 サウナの利用は週に1回程度のミドルユーザーです。主に記事の執筆を担当しています。

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