コラム

サウナ利用での蕁麻疹:原因と予防策

作成日:
更新日:
サウナ利用での蕁麻疹:原因と予防策

はじめに

サウナはリラックス効果が高い反面、やり過ぎると体に負担がかかります。

特に、サウナ中やサウナ後に蕁麻疹(じんましん)が出る人は注意が必要です。サウナ中の蕁麻疹は、サウナで長い時間を過ごす若い人に多いという特徴があり、場合によっては重症化する可能性もあります

ここでは、サウナ後に起こりやすい蕁麻疹の種類と原因、対処法などについて解説し、蕁麻疹を軽減したり予防するサウナの入り方を紹介していきます。

サウナを安全に楽しむための参考にしてください。

 

サウナで起こりやすい蕁麻疹の種類と原因

サウナ中やサウナ後に起こりやすい蕁麻疹には主に次の3つの種類があります。

  • コリン性蕁麻疹(発汗性蕁麻疹)
  • 温熱性蕁麻疹
  • 寒冷蕁麻疹

 

コリン性蕁麻疹

サウナでの蕁麻疹の中でも可能性として高いのがコリン性蕁麻疹です。

コリン性蕁麻疹は「汗をかくことによって起こる蕁麻疹」です。

横幕鍼灸院によると、この原因は

発汗時に分泌されるアセチルコリンが刺激となっている

とされています。

また汗をかく以外にも「寒さ」が原因になることもあるようです。

 

サウナでは大量の汗をかきますし、水風呂では寒さを感じますね。そのためサウナでは、このコリン性蕁麻疹が起きやすい環境なのです。

 

他にも運動、暑い環境、ストレス、辛い食べ物などで発疹が出現するため、これらの状況で蕁麻疹が起きた経験がある人は、サウナ中の蕁麻疹はコリン性蕁麻疹の可能性があります。

 

症状

発疹は腕に現れることが多く、赤またはピンク色の発疹で始まり、次第に浮腫性の発疹となります。1つの発疹は、直径数ミリメートルの小さな膨らみが多く、しばしば群発します。

発疹は非常にかゆみが強く、数分から数時間持続することがあるとされています。

重症化すると、のどの粘膜が腫れ、呼吸が苦しくなることがあるようです。

 

症状が出やすい人や状況

横幕鍼灸院田辺三菱製薬によると、コリン性蕁麻疹は以下のような人や状況で起こりやすいとされています。

  • 若年層(特に10歳代から30歳代)
  • 汗をあまりかかない生活習慣の人
  • 精神的なストレスを抱えている人
  • 夏などの気温が高い時 

上記の状況を含め、「自律神経が乱れている人」が特に症状が現れやすいようです。

日常的にコリン性蕁麻疹が疑われる人で、上記の状況にある人はサウナに入る際に特に注意が必要です。

  

温熱性蕁麻疹

一方、温熱性蕁麻疹(温熱蕁麻疹)は「体温上昇に反応して起こる蕁麻疹」です。

大森町駅前内科小児科クリニックによると、この原因は

体温の変化に対する過敏性が高まることで発生する皮膚の炎症反応

とされています。

汗をかくことで起こるコリン性蕁麻疹との違いは、皮膚の一部だけが温められたときにも症状が現れることです。

 

サウナは高温の環境のため、体温が上昇しますね。そのため温熱性蕁麻疹が起きやすい環境なのです。

 

他にも暖かいお風呂に入る、暖房器具に近づくなどで蕁麻疹が現れるため、これらの状況で蕁麻疹が起きた経験がある人は、サウナ中の蕁麻疹は温熱性蕁麻疹の可能性があります。

 

症状

このタイプの蕁麻疹では、赤く腫れた発疹が皮膚に現れます。これらの発疹は通常、触れたり、擦ったりすると痛みを伴うことがあります

多くの症状は、発症後2時間以内に消えてなくなりますが、重度の場合は、呼吸困難や吐き気など、重篤な症状を伴うことがあるようです。

 

症状が出やすい人や状況

田辺三菱製薬によると、温熱蕁麻疹は珍しいタイプの蕁麻疹とされ

20代から40代の女性が中心

とされています。

また、遺伝による影響も確認されているようですので、温熱蕁麻疹が疑われる方は両親などの親族に同じ症状がいらっしゃるかもしれません。

 

寒冷蕁麻疹

寒冷蕁麻疹は「寒暖差アレルギー」とも呼ばれ、「寒暖差や冷えなどの刺激によって起こる蕁麻疹」です

イギリスの医療系サイトPatientによると、この蕁麻疹の原因は

発疹の原因は寒さである可能性もあれば、寒さから回復した後に皮膚が再び温まることが原因である可能性もある

とされています。ただし、具体的な原因やメカニズムについてはまだ解明されていないようです。

 

サウナ後の水風呂は首より下の全身が急激に冷やされます。そのため全身に寒冷蕁麻疹が発症しやすい環境であると言えるでしょう。

  

症状

このタイプの蕁麻疹では、皮膚の冷えた部分に赤いかゆみのある発疹が現れるのが一般的です。

広い範囲で皮膚が冷えた場合には、発疹も同じ用に広範囲に及ぶとされています。

体の大部分に重度の発疹が発生すると、めまいや失神を引き起こす可能性があります。

 

症状が出やすい人や状況

オーストリアでアレルギー、アトピー性疾患を持つ患者をサポートしているGAAPPによると、寒冷蕁麻疹は非常に珍しいタイプの蕁麻疹とされ

若い人に発症することが多く、特に女性に多い傾向がある

とされています。

  

サウナでの蕁麻疹の予防策

サウナでの蕁麻疹を予防したり軽減するためには、次のような点に気をつけてみましょう。

サウナ前に休憩する

自律神経の乱れによってコリン性蕁麻疹は起こりやすいとされています。

ストレスや疲れが溜まった仕事帰りなどにサウナに入る場合には、身体と心を休めるために、サウナの前に少し休憩をするようにしてみましょう。

また過度の疲労やストレスがあるときにはサウナを避けることをおすすめします。

 

入浴時間を短めにする

サウナの滞在時間を通常よりも短くしましょう。また、サウナ内では下段の入口に近い場所に座りましょう。これによって体温の上昇を緩やかにすることができます。

時間をかけすぎると発汗が激しくなり、蕁麻疹が起きやすくなるでしょう。

 

水分補給をこまめに行う

サウナで多量の汗をかいて脱水状態になると蕁麻疹の誘因となる可能性があるため注意が必要です。

サウナに入る前やサウナのセッションの間などには水分をこまめに補給して脱水を防ぎましょう

 

水風呂を避け、シャワーを利用する

水風呂に入って蕁麻疹が出る場合には、水風呂を避け、シャワーでゆっくりと体を冷やすようにしましょう。

 

サウナで蕁麻疹が出たときの対処法

サウナ中やサウナ後、また水風呂後に蕁麻疹が出たときにはどうすればいいのでしょうか。

イギリスの医療系サイトPatientによると次のように記載されています。

ほとんどの場合、発疹は通常 24 ~ 48 時間以内に消えるため、治療は必要ありません。冷たいシャワーを浴びるとかゆみが軽減される場合があります。

つまり、安静にしていれば大抵は問題ないようです。もしかゆみが強いときには患部を冷やしておくとかゆみが軽減されることが多いようです。

 

また、多くの蕁麻疹は抗ヒスタミン薬を服用することで改善したり軽減することが知られています。

慢性的にサウナで蕁麻疹が出るようであれば、皮膚科などの診療機関で医師の判断を受け、場合によっては薬を服用してもらうと良いでしょう

 

まとめ

  • サウナはリラックス効果があるが、過度に利用すると体への負担がある。
  • サウナ中やサウナ後に蕁麻疹が出る場合があり、若い人や女性に多い。
  • サウナで多い蕁麻疹の種類は、コリン性蕁麻疹(発汗性)、温熱性蕁麻疹、寒冷蕁麻疹。
  • サウナでの蕁麻疹の予防策として、サウナ前の休憩、入浴時間の短縮、こまめな水分補給、水風呂を避ける方法がある。
  • サウナで蕁麻疹が出た場合、発疹は48時間以内に消える事が多く、この場合は特別な治療は不要。
  • かゆみがある場合は冷たいシャワーなどで冷やすことが有効。
  • 状況に応じて医師の診断を受けることがおすすめ。

 

サウナにハマり「サウナ・スパ 健康アドバイザー」や「サウナ・スパ プロフェッショナル」「サウナ・スパ 健康士」の資格を取得。 サウナの利用は週に1回程度のミドルユーザーです。主に記事の執筆を担当しています。

SNSをフォローしていただくと、サウナに関する情報を随時お届けいたします。

関連記事

RECOMMEND BOX SAUNA