【筋トレ後のサウナは効果がある?】メリットや理想的な流れを解説
はじめに
筋トレとサウナは、どちらも健康や美容に効果的な方法として近年注目されています。近年では、筋トレ後にサウナに入ることで、筋トレの効果をさらに高めることができるという研究結果も発表されています。
そこで、筋トレとサウナのそれぞれの効果と、両者を組み合わせるメリット・デメリットについて、いくつかの研究をもとに解説し、筋トレ後のサウナの流れについてまとめていきます。
筋トレが好きな人で、サウナとの組み合わせの効果を知りたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。
結論:筋トレとサウナの組み合わせの流れ
最初に結論をまとめると、筋トレとサウナを組み合わせるときの理想的な流れは以下のとおりだと思います。
POINT
「筋トレ」→「プロテイン」→「水分補給」→「小休憩」→「サウナ」
これが良いと思われる理由について以下に詳しく解説していきます。
筋トレの効果
筋トレに詳しい方には説明は不要かもしれませんが、まず最初に筋トレの効果について軽くおさらいしていきましょう。
筋トレは筋肉に負荷をかけることで、主に次のような効果に期待できます。
- 筋肉量の増加
- 筋力の向上
- 基礎代謝の向上
筋肉量の増加
筋トレをすることによって筋肉の繊維が少し破壊(損傷)されます。そして破壊された筋肉を修復する過程で筋肉量が増加します。
これは「超回復」とも呼ばれ、筋肉の成長を促します。
筋力の向上
筋肉量が増えることで、筋肉の力、筋力も強くなりますね。ただ筋力の向上のために必要なのは筋肉量だけではありません。
筋トレを行うことで、筋肉の神経伝達がスムーズになり、それが筋力を向上させる効果にもつながっています。
基礎代謝の向上
筋肉は、体の中で最も多くのエネルギーを消費する組織です。筋肉量が増えることで、基礎代謝が向上します。
基礎代謝が向上すると、体重管理が楽になったり、高い活力で生活できるようになったり、生活習慣病を予防するなどの多くのメリットがあります。
サウナの効果
一方サウナは高温環境でリラックスし、体の健康を促進するフィンランド発祥の入浴法です。サウナには主に以下のような効果が期待できます。
- 血行促進
- リラックス
- 美容効果
血行促進効果
サウナに入ることで、体温が上昇し血行が促進されます。
身体の隅々まで血液が行き渡るようになることで、老廃物の排出を促進したり、必要な栄養をスムーズに送り届けることができるようになります。
リラックス
サウナの熱によってβ-エンドルフィンなどのホルモンが分泌され、ストレスレベルを下げることができます。
また、サウナに入ったあとに外気浴(休憩)をすることで、副交感神経が優位になり、心身ともにリラックスした状態にすることが可能です。
美容効果
サウナで汗を大量にかくことで、毛穴や皮膚の汚れや細菌を落としやすくなります。また、血行が促進されることで、肌のターンオーバーが促進されます。
筋トレとサウナの組み合わせのメリット
では筋トレとサウナを組み合わせるとどうなるのでしょうか。
筋トレ後にサウナを利用することで、次のようなメリットがあります。
- 筋肉の疲労回復が早まる
- 筋肉の成長が促進される
- 持久力が向上する
いくつかの研究論文をもとに解説していきます。
筋肉の疲労回復が早まる
サウナに入ることで、血行が促進され、筋肉に酸素や栄養が行き渡りやすくなります。また、サウナの熱によって、筋肉の温度が上がり、乳酸の分解が促進されます。
これによって、サウナは筋トレ後の筋肉疲労の回復を早める効果に期待できます。
実際にフィンランドのユヴァスキュラ大学で研究するアンティ・メロ氏らは「運動後に遠赤外線サウナに入ると、サウナに入らない人に比べて、神経筋システムの回復が促進された」ことを報告されています。
また、千葉大学のイ・スミン氏らの研究でも「ミストサウナは筋肉疲労の回復を促進する効果があることが示唆された」と報告されています。
この2つの研究は「遠赤外線サウナ」と「ミストサウナ」を使われていますが、原理的には他のサウナも同様の効果が期待できるのではないかと考えられます。
筋肉の成長が促進される(可能性がある)
筋肉の成長を促すとされるホルモンの1つに「成長ホルモン」があります。サウナに入ることで、成長ホルモンの分泌が促進されることが知られています。
つまりサウナに入ることで、筋肉の成長が促進される可能性があるのです。
実際にフィンランドのオウル大学のJ・レッパルオト氏らの研究では「サウナに入ることで成長ホルモンが増加した」ことが報告されています。
また、スペインのエストレマドゥーラ大学のビクトル・トロ氏らの研究でも「サウナに入ることで骨量や筋肉量が増加する可能性がある」と結論づけています。
さらに、サウナに入るとその後の睡眠の質が上がることも知られています。成長ホルモンは睡眠中にも分泌されるため、サウナに入って眠ることで、多くの成長ホルモンが分泌され、筋肉の成長が促進されることにも期待ができます。
しかし一方で、筋トレ後に成長ホルモンが増えれば筋肉が成長する(筋肥大が起きる)ということを否定する報告もあるため、この効果についてはまだ「可能性がある」としか言えないようです。
持久力が向上する
サウナに入ることで、持久力が向上する効果に期待ができます。
持久力が向上すると、より高い負荷の筋トレができるようになるため、間接的に筋肉を増強することに役立つのです。
アメリカ、オタゴ大学のガイ・S・M・スクーン氏らの研究では「トレーニング後にサウナに入ることで、ランニングにおける持久力が1.9%向上し、疲労感じるまでのタイムが32%伸びる」ことが示されています。
この効果は、サウナによる心拍出量の増加と関係しているとされています。
筋トレとサウナの組み合わせのデメリット
一方で、筋トレとサウナの組み合わせには以下のようなデメリットもあります。
- 脱水症状のリスクが上がる
- 体調不良になるリスクがある
脱水症状を起こす可能性がある
トレーニングを行うと汗をかきますね。そしてサウナに入ると、同じく大量の汗をかきます。
そのため、脱水症状を起こす可能性が高まってしまうのです。
体調を崩す可能性がある
サウナに入ると、血圧や体温が上昇し、身体のエネルギーを多く消費します。
そのため、負荷の高いトレーニングを行った後のサウナは特に、体調を崩してしまう可能性があります。極端に疲れているときにはサウナに入るのを控えた方が良いでしょう。
筋トレとサウナの組み合わせ方のポイント
筋トレとサウナを組み合わせるときには以下のポイントに注意しておきましょう。
- 筋トレ後に適切な時間を置いてサウナに入る
- サウナの利用時間を適切に管理する
- サウナ前後はしっかり水分補給をする
筋トレ後、30分~1時間後にサウナに入る
筋トレ後すぐにサウナに入ると、筋肉が十分に回復していないため、効果が薄まったり脱水症状になりやすい可能性があります。
筋トレ後は最低でも30分~1時間程度はゆっくり身体を休めてからサウナに入る方が良いと思います。
特にジムの中にサウナがある施設では、しっかり間隔を開けることを意識したほうが良いと思います。
サウナに入るときは、1回10分程度を目安に
サウナに入る時間は、長すぎると脱水症状や体調不良を起こす可能性があります。
つい筋トレの感覚で、サウナを限界まで我慢をしてしまいがちですが、サウナの効果を十分に得るには適切な時間管理が重要です。
サウナの適切な時間は温度や湿度等によって異なりますが、一般的には10分程度が目安とされています。
サウナの前後は、十分に水分補給をする
トレーニングで汗をかいたあとは、サウナでの脱水症状を防ぐために、水分補給をしっかりと行いましょう。
このとき、カフェインやアルコールが含まれる飲み物を飲むと、利尿作用によって脱水症状のリスクが高まってしまいます。水分補給にはスポーツドリンクやミネラルウォーターを使うほうが良いでしょう。
プロテインを飲むタイミングは?
筋トレの後や就寝前などにプロテインを飲むと、筋トレの効果を高めたり、栄養バランスを整えたりすることができますね。
では筋トレとサウナを組み合わせる際のプロテイン摂取のタイミングは、いつがいいのでしょうか。
筋肉の回復と栄養吸収を考慮すると以下の2つのタイミングが最適だと考えられます。
- 筋トレとサウナの間
- 就寝前
筋トレとサウナの間
筋トレ直後の体は、損傷した筋繊維の修復と筋肉の成長に必要な栄養素を求めています。そのため、筋トレ直後のサウナに入る前のタイミングでプロテインを摂取することで、筋肉の回復と成長を促進することができるでしょう。
一方で、サウナ中は血液が消化器官に集中せず、全身に分散します。つまり、サウナ中は消化や吸収が後回しにされて、消化不良を起こすことがあるのです。
そのためプロテインは、サウナの直前ではなく、サウナの30分~1時間前に摂取しておくことが理想的だと思います。
就寝前
サウナとは関係なく、就寝前のプロテイン摂取は筋肉成長の促進に効果的とされています。
睡眠中は成長ホルモンが分泌され、これは筋肉の成長に重要な役割を果たすと考えられているからです。就寝前にプロテインを取ることで、このホルモンの効果を高めることができます。
まとめ
- 筋トレとサウナの組み合わせは、筋肉の疲労回復を早める
- 筋トレとサウナの組み合わせは、筋肉の成長を促す可能性がある
- 筋トレとサウナの組み合わせは、持久力を向上させる
- 筋トレ後にサウナに入るときには、脱水症状や体調不良のリスクに注意する
- プロテインの摂取は「筋トレとサウナの間」、「就寝前」が最適かも
- 理想的な流れは「筋トレ」→「プロテイン」→「水分補給」→「小休憩」→「サウナ」がいいかも
参考文献
・遠赤外線サウナ入浴が男性の筋力・持久力トレーニングからの回復に及ぼす影響 (springeropen.com)
・局所筋疲労回復に及ぼす入浴方法の生理機能 (biomedcentral.com)
・サウナ入浴の繰り返しによる内分泌への影響 - LEPPÄLUOTO - 1986 - Acta Physiologica Scandinavica - Wiley Online Library
・IJERPH |健康な若年男性の体組成に対する12回の高温サウナ浴の効果 (mdpi.com)
・「温熱全身熱刺激(サウナ)が熱Shに及ぼす影響」ブランドン・C・ジョーンズ氏 (nmu.edu)
・運動後のサウナ入浴が男性ランナーの持久力に及ぼす影響 - Journal of Science and Medicine in Sport (jsams.org)
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