はじめに

サウナで汗をかいた後、なんとも言えない爽快感や幸福感を感じたことはありませんか？「なんとなく気持ちいい」で終わらせてしまいがちですが、実はこの感覚には科学的な裏付けがあるのです。

この記事では、サウナで「気持ちいい」と感じる3つの科学的な理由を、研究データや専門家の見解とともに詳しく解説していきます。サウナの効果を正しく理解することで、より効果的にリフレッシュできるようになるでしょう。

サウナで幸福感を感じる3つの科学的理由

サウナで気持ちよさを感じるメカニズムは、以下の3つに集約されます。

それぞれのメカニズムを詳しく見ていきましょう。

理由①：血流改善による脳機能の向上

近年の研究では、不安や悩みといった精神的ストレスが血流不足によっても引き起こされることが明らかになっています。

脳は体重のわずか約2％しかありませんが、全身の酸素と血液の約20％を消費しています。血流が悪くなると脳機能が低下し、精神面にも影響が現れるのです。

脳への血流量が低下すると、うつ病や不安障害などの精神疾患リスクが高まる JAMA Psychiatry - 脳血流と精神疾患の関連研究

サウナでは体温上昇により血管が拡張し、心拍数が増加します。その後のクールダウンで血管が収縮すると、血液が脳を含めた全身に勢いよく送り出されます。

普段は血流不足で十分に機能していなかった脳が、酸素や栄養をしっかり取り込めるようになることで、一時的に気持ちのいい状態を実感できるのです。

理由②：幸福ホルモン「β-エンドルフィン」の分泌

サウナの熱ストレスに対する防御反応として、脳内で「快楽」や「幸福感」をもたらすホルモンが放出されます。

サウナ室の熱気や呼吸のしづらさは、体にとって軽度のストレスです。これに対して極端な不快感を感じないよう、体は防衛反応としてβ-エンドルフィンやドーパミンといった快楽物質を分泌します。

サウナ入浴によりβ-エンドルフィンの血中濃度が有意に上昇することが確認されている Kukkonen-Harjula K, et al. (1989) - Haemodynamic and hormonal responses to heat exposure in a Finnish sauna bath

ドーパミンやエンドルフィンには、以下のような効果があるとされています。

この現象は、長距離ランナーが経験する「ランナーズハイ」と同様のメカニズムです。身体的なストレスから解放されるために、脳がエンドルフィンを放出し、気分を高揚させているのです。

理由③：自律神経バランスの調整による深いリラックス

サウナは自律神経のバランス調整にも効果があることが知られています。

日常生活でストレスを受けると、私たちの体は交感神経が優位になりがちです。サウナに入ると熱ストレスによってさらに交感神経が活発になります。

しかしサウナ後に外気浴を行うと、熱から解放されて副交感神経が優位になり、普段以上に深いリラックス状態を作り出せるのです。

この効果は、サウナ後の水風呂や冷水シャワーでさらに高まります。水風呂の冷たさでも一時的に交感神経が刺激されるため、その後の外気浴でより強い副交感神経優位の状態が得られます。

この「温冷交代浴」を繰り返すことで、自律神経のバランスが整い、リラックス効果がさらに向上します。idetoxの家庭用サウナなら、自宅でこの温冷交代浴を手軽に実践でき、就寝前のリラックスタイムとして取り入れることも可能です。

サウナはメンタルヘルスにも効果的

サウナには血圧を正常値に近づけたり、睡眠の質を向上させるなど、多くの身体的な健康効果があります。それに加えて、今回解説したようにメンタルヘルスの観点でも大きなメリットがあるのです。

人間関係や仕事でストレスを感じている方は、サウナを習慣に取り入れてみてはいかがでしょうか。正しい入り方でサウナを楽しむことで、心身ともにリフレッシュした毎日を送れるようになるかもしれません。

まとめ

サウナで「気持ちいい」と感じる理由は、科学的に以下の3つで説明できます。

「なんとなく気持ちいい」には、しっかりとした科学的根拠があったのです。ぜひこのメカニズムを理解した上で、サウナライフを楽しんでください。

参考文献