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コラム

妊娠中や妊活中のサウナ利用:リスクと効果、そして安全な選択

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妊娠・妊活中はサウナに入らない方がいい理由【賛成・反対派の意見まとめ】 idetox オンラインショップ

はじめに

妊娠中と妊活中のサウナ利用について考える女性

妊娠中や妊活中の方にとって、「サウナに入っても大丈夫なの?」という疑問は切実なものです。最近のサウナブームで多くの方がその健康効果を求めていますが、妊娠・妊活中は特別な配慮が必要な時期です。

サウナにはストレス軽減や血行促進など、妊娠中の不調を和らげる効果も期待できますが、同時に体温上昇や脱水などのリスクも考慮する必要があります。

この記事では、医学的見解や研究データをもとに、妊娠中・妊活中のサウナ利用について詳しく解説します。結論から言うと、妊娠中はサウナの利用を控えるべきと考えられますが、その理由と代替方法もご紹介します。

妊娠中のサウナ利用に伴うリスク

妊娠中のサウナ利用には、主に次の2つのリスクが挙げられます。

  • 体温の過度な上昇による胎児への影響
  • 脱水・めまい・転倒のリスク
妊娠中のサウナ利用に伴うリスク要因
要因
リスクの内容
🔥
体温上昇
深部体温が39℃を超えると、
特に妊娠初期に胎児の発達に影響を与える可能性
💧
脱水症状
血液濃度の上昇、血圧低下、酸素・栄養供給の減少
⚠️
転倒リスク
めまい・立ちくらみからの転倒による外傷、
妊娠後期は特に危険性が高い

体温上昇による胎児への影響

妊娠中、体の中心温度(深部体温)が39℃以上になると、流産や先天性欠損症のリスクが高まることが複数の研究で報告されています。

特に妊娠初期(最初の12週間)は胎児の脳や脊髄などの重要な器官が形成される時期であり、高温環境による影響を受けやすいとされています。サウナの環境温度は80℃~100℃と非常に高温であるため、長時間の利用で体温が危険なレベルまで上昇する可能性があります。

脱水・めまい・転倒のリスク

サウナでは大量の発汗により脱水状態になりやすく、妊娠中はホルモンバランスの変化により、通常よりも脱水症状やめまいが起こりやすくなります

脱水状態になると、血液が濃くなり以下のリスクが高まります:

  • 血圧低下による胎児への酸素・栄養供給の減少
  • 血栓症や脳梗塞のリスク上昇
  • 立ちくらみや失神による転倒事故

特に妊娠後期はお腹が大きくなりバランスを崩しやすい状態のため、サウナ内での転倒は母子ともに危険です。

サウナを推奨する意見とその根拠

サウナの健康効果を示す図

一方で、妊娠中でもサウナ利用を支持する意見もあります。その主な根拠は以下の2点です。

  • 妊娠中の不調を緩和する効果がある
  • 実際の体温上昇は限定的という研究結果がある
サウナの効果と代替方法の比較
サウナによる効果
  • ストレス軽減(β-エンドルフィン放出)
  • 肩こり・腰痛の緩和
  • 筋肉疲労の回復促進
  • 血糖値改善の可能性
妊娠中の代替方法
  • ぬるめの入浴(38℃前後)
  • マタニティヨガ・ストレッチ
  • マタニティマッサージ
  • 軽いウォーキング
効果的な選択

妊娠中はサウナの代替方法でも同様のリラックス効果が得られ、リスクを避けることができます。出産後にサウナを再開することも選択肢の一つです。

妊娠中の不調を緩和する効果

サウナにはβ-エンドルフィンの放出を促しストレスを軽減する効果があり、うつ症状の改善にも有効とされています。妊娠中はホルモンバランスの変動によりストレスを感じやすく、マタニティブルーズなどの精神的不調が起こりやすい時期です。

また、サウナには以下のような効果も期待できます:

体温上昇は限定的という研究結果

オーストラリアのシドニー大学などによる研究では、妊娠中の女性がサウナを利用した際の体温変化を調査しています。

妊娠中にサウナを利用しても、最高体温は37.7℃で39℃以下だった

という結果が報告されています。この研究では70℃のサウナを対象としており、深部体温が危険レベル(39℃以上)に達することはなかったとしています。

さらに、サウナ文化が根付いているフィンランドでは、2016年時点での流産率が8.3%と世界的に見ても低い水準であることも、サウナが必ずしも危険ではないという意見の根拠となっています。

男性の妊活とサウナの関係

妊活中のカップルにとって、男性側のサウナ利用も考慮すべき重要な要素です。

精子は熱に弱く、サウナのような高温環境は精子の質と量に影響を与える可能性があります。精子の生成に最適な温度は約35℃とされていますが、サウナは80~100℃と非常に高温です。

サウナ利用による精子への影響と回復期間
期間 精子への影響
サウナ利用中
(~3ヶ月間)
精子の濃度・運動性が最大50%以上低下する可能性あり
サウナ中止直後 精子の状態はまだ影響を受けている
(新しい精子の生成が始まる)
サウナ中止後
3ヶ月
精子の状態が部分的に回復
(精子の生成サイクルは約70~90日)
サウナ中止後
6ヶ月
ほぼ完全に回復
(サウナの影響を受けた精子が全て入れ替わる)
※研究によって個人差があるため、回復期間には個人差があります

研究によると:

  • 週に2回、3ヶ月間サウナを利用すると、精子の濃度と運動性が50%以上低下する可能性がある
  • この影響は一時的であり、サウナ利用を中止すると3~6ヶ月で回復する

妊活中の男性は、サウナの頻度や時間を控えめにすることが望ましいでしょう。特に精子の状態に不安がある場合は、一時的にサウナを控えることも検討してください。

POINT

妊活中の男性は、精子の質を維持するために、サウナの利用頻度を週1回程度に減らし、1回の利用時間を短くすることをおすすめします。精子の完全な回復には約3ヶ月かかることを覚えておきましょう。

結論:妊娠中のサウナ利用についての総合的見解

様々な意見や研究結果を総合すると、妊娠中はサウナの利用を控えるべきという結論に至ります。その理由は以下の通りです:

脱水やめまいのリスクは依然として残る

体温上昇が限定的であるという研究結果があっても、サウナ利用による脱水症状やめまい、それに伴う転倒リスクは解消されません。妊娠中は特にこれらの症状が起こりやすく、リスクが高まります。

研究結果の適用には限界がある

オーストラリアの研究では70℃のサウナを対象としていますが、日本の一般的なサウナは80~100℃とさらに高温です。また、個人差や体質、サウナへの慣れなども考慮する必要があります。

フィンランドの低い流産率についても、サウナ文化だけでなく、医療システムや生活習慣など他の要因も影響している可能性があります。

科学的根拠はまだ限定的

妊娠中のサウナ利用に関する研究はまだ限られており、「安全」と断言できるほどの科学的根拠は不足しています。

妊娠中は母子の健康を第一に考え、わずかなリスクでも避ける傾向があります。サウナ利用のリスクが完全に否定されていない以上、控えることが安全策と言えるでしょう。

妊娠初期にサウナに入ってしまった場合

「妊娠に気づく前にサウナに入ってしまった」「妊活中にサウナを利用していた」という方も多いでしょう。そのような場合でも、過度に心配する必要はありません。

大切なのは、以下のポイントです:

  • 一度や二度のサウナ利用で必ず問題が起きるわけではない
  • サウナ利用と胎児への悪影響を直接結びつける確定的な証拠は限られている
  • 心配な場合は担当医に相談することで安心できる

妊娠が判明した後は、リスクを避けるためにサウナの利用を控え、代替のリラックス方法を取り入れるようにしましょう。

サウナの代わりになるリラックス方法

妊娠中のリラックス方法

サウナの代わりになる、妊娠中・妊活中に安全なリラックス方法をご紹介します。

リラックス方法 効果 注意点
ぬるめの入浴(38℃前後) 血行促進、筋肉の緊張緩和 長湯を避け、10分程度に
マタニティヨガ ストレス軽減、柔軟性向上 妊婦向けクラスに参加を
軽いウォーキング 血行促進、気分転換 疲れない程度の距離・ペースで
マタニティマッサージ 肩こり・腰痛の緩和 妊婦対応の施術者に依頼を
深呼吸・瞑想 ストレス軽減、睡眠の質向上 快適な姿勢で行う

これらの方法で、サウナに入らなくても十分にリラックス効果が得られます。特に温かいお風呂は、サウナほどの高温ではなく適温であれば、血行促進やリラックス効果が期待できます。

注意!

ぬるめのお風呂でも長湯は避け、のぼせやめまいの症状があれば速やかにお風呂から出るようにしましょう。また、入浴前後にしっかり水分補給を行うことも大切です。

将来、自宅でサウナを楽しむ計画も

現在妊娠中・妊活中の方でも、出産後や妊活成功後には再びサウナを楽しむことができます。その際、自宅にサウナがあれば、いつでも手軽に利用できるのが魅力です。

自宅サウナには以下のメリットがあります:

  • 移動時間がかからず、体調の良い時にすぐ利用できる
  • 自分好みの温度や時間で調整できる
  • 周囲の目を気にせずリラックスできる
  • 家族で共有できる健康投資になる

まとめ:妊娠中・妊活中のサウナ利用ガイド

この記事では、妊娠中・妊活中のサウナ利用について解説してきました。主なポイントは以下の通りです:

  • 妊娠中:体温上昇や脱水のリスクを考慮し、サウナの利用は控えることをおすすめします
  • 妊活中の女性:排卵期や着床期など特に重要な時期はサウナの利用を控えるのが安全策です
  • 妊活中の男性:精子の質への影響を考慮し、サウナの頻度や時間を控えめにすることが望ましいでしょう
  • 代替方法:ぬるめの入浴やマタニティヨガなど、安全なリラックス方法があります
サウナ利用に関する意思決定ガイド
スタート
現在妊娠していますか?
はい
いいえ
妊娠中はサウナ利用を控えることをおすすめします
妊活中ですか?
はい
いいえ
重要な時期は控え、それ以外は短時間・低頻度で
通常通り利用可能
どの場合も体調を最優先し、不安な場合は医師に相談

妊娠・妊活中は特別な時期です。少しでもリスクのある行動は控え、母子ともに健康で過ごすことを最優先に考えましょう。サウナは出産後や妊活成功後にまた楽しむことができます。

不安な点がある場合は、必ず担当の産婦人科医や専門家に相談することをおすすめします。

サウナにハマり「サウナ・スパ 健康アドバイザー」や「サウナ・スパ プロフェッショナル」「サウナ・スパ 健康士」の資格を取得。 サウナの利用は週に1回程度のミドルユーザーです。主に記事の執筆を担当しています。

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