副鼻腔炎に対するサウナの効果と注意点
はじめに
季節の変わり目にかかりやすい副鼻腔炎(蓄膿症)。
鼻水、鼻づまりなどの症状に悩まされ、生活の質が下がることも少なくありません。そして、人によっては何度も再発してしまいます。
そんな副鼻腔炎を患っているときに、サウナに入っても問題ないのでしょうか。また副鼻腔炎に対して効果があるのでしょうか。
この記事ではそんなサウナの副鼻腔炎に対する効果や、入る際の注意点などをいくつかの研究や医療機関の情報をもとに解説していきます。
副鼻腔炎とは
まずは簡単に副鼻腔炎についておさらいです。
副鼻腔炎の症状
わかばやし耳鼻咽喉科クリニックによると、副鼻腔炎の主な症状は以下のものが多いとされています。
- 黄色い鼻水
- 鼻詰まり
- 目の痛み
- 歯の痛み
- たん
またこの他にも、風邪と副鼻腔炎を併発して頭痛や発熱などの症状が出る方も多いのではないかと思います。
つくばフラワー耳鼻咽喉科によると、上記のような症状が1ヶ月以上長く続いたり、過去に繰り返していた方は副鼻腔炎(蓄膿症)の可能性があるようです。
副鼻腔炎が重症化すると、生活の質が損なわれるだけでなく、睡眠時無呼吸症候群を引き起こすこともあります。
副鼻腔炎の原因
くさの耳鼻咽喉科・小児科によると副鼻腔炎の原因は以下のように述べられています。
副鼻腔炎の原因は、細菌(風邪の後に生じることが多いです)、真菌(カビの一種です)、アレルギー性鼻炎(ハウスダストやダニ、花粉などが原因です)、虫歯など様々です。
副鼻腔炎はウイルスや細菌などの外的要因が原因となるようでうす。
いずれの場合にも、冷えや乾燥により鼻粘膜の防御機能が低下すると、菌が侵入しやすくなります。
また、花粉症などのアレルギー性鼻炎が続くと、二次的に細菌感染を引き起こすケースもあります。
急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎
実は副鼻腔炎は「急性」と「慢性」に分けられています。
チクナインによると上記のウイルスや細菌が原因となって、副鼻腔で炎症が起きることは「急性」の副鼻腔炎とされています。
一方、炎症(急性副鼻腔炎)を起こしたあとに、中に溜まった膿が排泄できなくなることで炎症がさらに悪化し、なかなか治らない状態になったものが「慢性」の副鼻腔炎とされています。
副鼻腔炎に対するサウナの効果と理由
結論から言うと、サウナに入ることで副鼻腔炎の症状を緩和したり、回復を早める可能性があります。これは主に以下の3つが理由です。
サウナで粘膜の保湿をすることで症状を緩和
つらい鼻詰まりのときに蒸気を吸引すると、鼻の通りを改善し、粘液を薄くして鼻水を排出しやすくする効果があります。また、鼻の中の乾燥を防ぎ、呼吸が楽になることもあります。
一部のサウナでは、多くの蒸気を吸い込みますね。そのため、サウナに入ることで鼻水を出しやすくしたり、呼吸を楽にする可能性があります。
実際にアメリカの大手健康サイトMedical News Todayでは
サウナの蒸気が気道に潤いを与え、鼻腔からの粘液を薄め、体から粘液を排出しやすくする効果がある
と述べられています。
血行を促進し、防御機能を高める
また、サウナに入ると体温が上がり、血行が良くなりますね。
体温が上がると白血球などの免疫細胞の働きが良くなることが知られています。
また、結構が良くなると身体の節々に栄養を届けたり、老廃物を排出しやすくなるため、ウイルスなどを早く撃退できる可能性があるのです。
結果的に、サウナに入ることで副鼻腔炎の原因となるウイルスを早く退治できる可能性があります。
ストレスを減らして回復を早める
ストレスが多いと、白血球の働きが悪くなったり、睡眠の質が下がって回復が遅くなったりしてしまいます。
サウナを利用することで、リラックス効果が得られ、ストレスが軽減されます。これは血行促進や脳内に「β-エンドルフィン」「オキシトシン」「セロトニン」の3つの物質が分泌することが理由です。
そのため、サウナでストレスを軽減することは、結果的に副鼻腔炎の悪化を抑えることにつながる可能性があります。
副鼻腔炎に効果的なサウナの種類とは
サウナにもフィンランド式サウナ、ドライサウナ、スチームサウナ、遠赤外線サウナと様々なタイプがありますね。
副鼻腔炎に効果的と考えられているサウナの種類は、スチームサウナです。
スチームサウナは名前の通り蒸気を使って、室内を温めるサウナです。そのため、他のサウナに比べて湿度が高く、鼻の通り道を開ける効果が高いのです。
サウナ利用時の注意点
副鼻腔炎の症状を緩和したり、回復を早めるためにサウナに入る際には次のことに注意しておきましょう。
人にうつさない
副鼻腔炎は「鼻が炎症している状態」のため、症状が人にうつることはありません。しかし、その原因となっている細菌やウイルスは人にうつり、周りの方が風邪などを引いてしまう可能性があります。
副鼻腔炎のときには、人が多い公衆のサウナを避け、プライベートサウナなどの個室サウナを利用したり、自宅サウナを活用するようにしましょう。
十分に水分補給をする
サウナでは多くの汗(平均で300~500ml)をかくため身体の水分が失われます。同時に、副鼻腔炎と風邪を併発して発熱しているときには、身体の熱を下げるために多くの水分が失われます。もちろん鼻水が多く出ていると身体の水分が失われています。
つまり、副鼻腔炎のときにサウナを利用すると普段以上に脱水症状になりやすい可能性があります。
脱水状態になると、副鼻腔炎の症状が悪化してしまうため、サウナを利用する際には、いつもより多めの水分補給を心がけるようにしましょう。
水風呂等で身体を冷やしすぎない
鼻詰まりの時に鼻を冷やすと症状が悪化する可能性があります。これは、鼻が冷やされることで血管が収縮し、粘膜の腫れや炎症が増すためです。
そのためサウナ後には水風呂などで急速に身体を冷やさず、浴室などに座って自然にクールダウンをしたほうが良いかもしれません。
症状が酷いときには利用しない
サウナでは身体のエネルギーを多く消費してしまうため、副鼻腔炎の症状が酷いときに利用すると身体の負荷が大きくなりすぎて、かえって症状を悪化させてしまう可能性があります。
特に発熱やめまいがあるときなど、症状が酷いときにはサウナを避け、薬を飲んだりゆっくり休息するようにしましょう。
まとめ
症状が重い場合にはサウナを利用するべきではありませんがが、基本的に副鼻腔炎になっているときにはサウナを利用して問題ないようです。
サウナは粘膜の保湿や血行促進、ストレス軽減を通じて副鼻腔炎の症状緩和に役立つ可能性があります。特に有効だと考えられているサウナの種類はスチームサウナです。
しかし、サウナに入ることは副鼻腔炎を直接治すわけではなく、症状を緩和したり回復を早める間接的な効果しかありません。
症状がつらい場合などには素直に病院へ行き、薬を飲んだり身体を休めるようにしましょう。
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