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コラム

パーマ後のサウナ入浴:適切なタイミングとヘアケア方法

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パーマ後のサウナ入浴:適切なタイミングとヘアケア方法

はじめに

サウナは心身のリセットに最適ですが、パーマやカラー直後の髪は熱と湿気にとても敏感です。髪にはケラチンタンパク質が含まれており、パーマ処理後は特に髪が不安定な状態になることが研究で示されています(Yale Scientific Magazine

 

パーマやカラーリング後のサウナ入浴のリスク

パーマ・カラー直後のサウナリスク

科学誌によると、髪は130–170 ℃の熱処理でキューティクル亀裂やタンパク質分解が生じたという実験結果があります。(Journal of Cosmetic Science (2016))そして、サウナは80–100 ℃でも高湿度が加わるため膨潤が進みやすい点が問題です。

90 %RHで髪幅が平均10 %膨張し、表面が粗くなる──International Journal of Cosmetic Science (2024)

さらに、東京農工大学などでの研究ではパーマ剤で乱れたケラチン構造は熱に弱く、追加の熱水分ストレスで損傷が増大することがスペクトル解析で確認されていますPolymer (1997)

また、株式会社ラエナによると髪は温度が上がるほど膨張し、キューティクルのすき間が大きくなります。その結果、髪内部のカラー色素が流れやすくなってしまうとされています。

これらの理由から、パーマ直後のサウナは、カラーの色落ちやウェーブのゆるみ、手触りの悪化が起こるリスクが考えられます

 

サウナ入浴の適切なタイミング

株式会社ラエナによると、美容師や専門家は「施術後48時間~1週間はサウナを控える」と勧めています。また、月に20回サウナに通う美容師の森越道大氏も、パーマやカラーリング後は2~3日空けてからサウナを利用すると安心だとアドバイスしています(森越 道大

この期間にシスチン結合が再安定化し、耐熱性が戻るためです。パーマ処理では「還元」と「酸化」の化学反応によってジスルフィド結合が切断され、新たに形成されますが、この結合が安定するには時間が必要なのです。

最低でも2日、できれば1週間後、髪の状態を確認しつつ短時間からサウナを再開しましょう

 

サウナ前のヘアケア方法

熱ダメージを抑える鍵は事前の保護膜づくりです。

  • 軽くシャンプーして皮脂・整髪料をオフ
  • タオルドライ後、ヘアオイル/クリームで髪表面をコーティング
  • 濡らしたサウナハット or タオルを用意

サウナでパーマヘアを保護するには、髪に保湿ケアが重要です。乾燥した髪は湿気に対して敏感になりやすく、パーマが取れやすくなります。アルガンオイルやココナッツオイルなどのヘアオイルを髪全体に馴染ませることで、髪内部の水分を保持し、乾燥を防ぐことができます。

 

サウナ中の髪の保護

サウナではサウナハット/タオル+10分以内を目安に。乾いたら一度退室し、髪を軽く湿らせて熱を逃がすと効果的です。

  • 湿らせたハットやタオルで断熱
  • セット間に冷水でクールダウン

髪の毛は、濡れている状態ほど熱に弱いため、サウナ室に入る際はしっかりと髪の水分を取り除きましょう。直接熱にさらされずに髪へのダメージを抑えるためには、サウナハットが有効です。特に、サウナハットがない場合は、タオルを頭に巻くことでも十分効果を得られます。

 

サウナ後のヘアケア

サウナの本場、フィンランドの専門家による記事によると、汗と薬剤残りをぬるま湯→冷水で洗い流し、補修系トリートメントを3分置きます。冷水仕上げはキューティクルを引き締め、手触りを改善します。エコヘアドレッサーによると、サウナ後に髪を冷水ですすぐことで頭皮の汗を抑え、髪をきれいに保つことができるとアドバイスしています。(World of Sauna

  • やさしくシャンプーし冷水で締める
  • 集中トリートメント→アウトバスオイル

サウナによって受けたダメージをフォローするためには、保湿成分入りのアミノ酸系シャンプーを使うことも効果的でしょう。

 

パーマをかけた髪のサウナ利用まとめ

  • 施術後48時間~1週間はサウナを控える
  • 入浴前は洗浄+オイル/トリートメントで防御
  • サウナ中は湿らせたハット・タオル+短時間
  • 退出後は冷水シメ&集中補修でダメージ回避

これらの対策を実践することで、パーマヘアを守りながらサウナを安全に楽しむことができます。ただし髪質には個人差があるため、自分の髪の状態を見ながら調整することが大切です。

 

POINT

サウナの種類によっても髪への影響は異なります。高温の乾燥したドライサウナよりも、中温で湿度の高いスチームサウナの方が髪へのダメージは少ないでしょう。

サウナにハマり「サウナ・スパ 健康アドバイザー」や「サウナ・スパ プロフェッショナル」「サウナ・スパ 健康士」の資格を取得。 サウナの利用は週に1回程度のミドルユーザーです。主に記事の執筆を担当しています。

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