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コラム

サウナで「ととのう」と「めまい」は何が違うのか?

【整うための入り方】水風呂の正しい入り方とその効果について詳しく解説 idetox オンラインショップ

はじめに

サウナに入った後、なんとも言えない多幸感や心地よさに包まれる——。この状態を「ととのう」と呼びますが、あなたは正しく「ととのえて」いますか?

実は、サウナ初心者の方の中には、「ととのう」と「めまい」を混同してしまっているケースが少なくありません。「早く効果を得たい」という焦りや、「周りのサウナーに合わせなければ」という同調圧力から、無理な入浴をしてしまい、本来の「ととのう」とは程遠い危険な状態に陥っていることも。両者は似ているようで、体の中で起きている現象はまったく異なります。

この記事では、サウナで「ととのう」状態と「めまい」の違いを科学的な視点から解説し、安全に心地よい体験を得るための正しい入り方をご紹介します。idetoxと一緒に、安心・安全なサウナライフを始めましょう。

 

サウナで「ととのう」とは何か

サウナでととのう状態のイメージ

「ととのう」とは、サウナ→水風呂→外気浴(休憩)という一連のサイクルを経て訪れる、心身が深くリラックスした状態を指します。

「ととのう」ときに体内で起きていること

サウナに入ると、体温上昇に伴い交感神経が優位になります。続いて水風呂に入ると、冷たさによってさらに交感神経が刺激されます。そして外気浴で休憩をとることで、副交感神経が優位に切り替わり、自律神経のバランスが整います。

このとき、脳内では「β-エンドルフィン」や「オキシトシン」といった快楽物質が分泌されると考えられています。β-エンドルフィンは「脳内麻薬」とも呼ばれ、鎮痛作用や多幸感をもたらす神経伝達物質です。オキシトシンは「愛情ホルモン」として知られ、ストレス軽減やリラックス効果に関与しています。これらの物質が、あの独特の多幸感や浮遊感をもたらすのです。

サウナ浴により、血中のβ-エンドルフィン濃度が上昇することが報告されている。日本温泉気候物理医学会雑誌

「ととのう」ときの具体的な感覚

  • 心身が深くリラックスしている
  • ふわふわとした心地よい浮遊感がある
  • 頭がスッキリとクリアになる
  • 呼吸が深くゆったりとしている
  • 穏やかな幸福感に包まれる

これらの感覚は、自律神経が安定し、体がリラックスモードに入っている証拠です。不快感や気持ち悪さを伴わないことが大きな特徴といえます。

 

サウナで「ととのう」ことで得られる健康効果

適切な方法でサウナに入り「ととのう」ことで、以下のような健康効果が期待できます。

効果 メカニズム
血行促進 温冷刺激により血管が拡張・収縮を繰り返し、血流が活発に
自律神経の調整 交感神経と副交感神経のバランスが整う
ストレス軽減 副交感神経優位でリラックス、コルチゾール(ストレスホルモン)が低下
睡眠の質向上 体温の急激な変化が深部体温を下げ、入眠を促進
免疫力向上 熱ストレスによりHSP(ヒートショックプロテイン)が活性化

特に注目すべきはHSP(ヒートショックプロテイン)の働きです。HSPとは、熱などのストレスを受けたときに細胞内で産生されるタンパク質のこと。損傷したタンパク質を修復し、免疫細胞の働きを活性化させる作用があります。サウナによる適度な熱ストレスがHSPの産生を促し、体の自己修復力を高めると考えられています。

ヒートショックプロテイン(HSP)は、ストレスタンパク質とも呼ばれ、免疫機能の向上や細胞保護に関与している。日本農芸化学会誌

これらの効果を得るためには、正しい入り方で「ととのう」ことが重要です。無理な入浴は逆効果になりかねません。

 

サウナの「ととのう」と「めまい」の違い

ととのうとめまいの違いを示すイメージ

ここからが本題です。「ととのう」と「めまい」は、どちらも浮遊感や非日常的な感覚を伴うため、特にサウナ初心者の方は混同しやすいものです。しかし、体の中で起きている現象はまったく異なります。

「ととのう」と「めまい」を見分けるポイント

最も大きな違いは「不快感の有無」です。「ととのう」は心地よさを伴いますが、「めまい」は気持ち悪さや不安感を伴います。

比較項目 ととのう めまい
主な原因 自律神経のバランス調整、快楽物質の分泌 急激な血圧変動、脱水症状、低血糖
感覚の特徴 心地よい浮遊感、リラックス、爽快感 グルグル回る感覚、ふらつき、吐き気
不快感 なし(むしろ心地よい) あり(気持ち悪い、不安)
視界 クリアで安定 ぼやける、暗くなる、回る
発生タイミング 外気浴(休憩)中 サウナ中・水風呂中・直後
対処法 そのまま休息を楽しむ すぐに退出し、水分補給・休息

めまいが起きる原因とメカニズム

サウナでめまいが起きる主な原因は以下の3つです。

  1. 脱水症状:サウナでは1回の入浴で約300〜500mlの汗をかくといわれています。水分補給が不十分だと血液の粘度が上がり(いわゆる「ドロドロ血」)、脳への血流が低下します。
  2. 起立性低血圧:サウナで血管が拡張した状態から急に立ち上がると、血液が下半身に溜まり、脳への血流が一時的に不足します。これは「立ちくらみ」と同じメカニズムです。
  3. 急激な温度変化:サウナ(約80〜100℃)から水風呂(約15〜20℃)への急激な温度変化は、自律神経に大きな負担をかけます。特に心臓や血管に持病がある方は注意が必要です。
サウナ浴による発汗量は、条件により異なるが、1回あたり300〜800ml程度とされる。十分な水分補給を行わないと脱水状態に陥るリスクがある。日本サウナ・スパ協会

サウナ中や水風呂の中でめまいを感じたら、それは体からの危険信号です。無理をせず、すぐにその場を離れて休憩してください。

注意!

めまいが数分たっても治まらない、意識がもうろうとする、胸が苦しいなどの症状がある場合は、熱中症や心臓への負担が疑われます。すぐにスタッフに声をかけ、必要に応じて医療機関を受診してください。

 

「ととのう」が起きるタイミングはいつ?

サウナで外気浴をしている様子

「ととのう」状態に到達するのは、外気浴(休憩)のときです。サウナ室の中や水風呂の中ではありません。

なぜ外気浴のときに「ととのう」のか

サウナと水風呂では交感神経が優位になり、体は緊張状態にあります。外気浴で穏やかな環境に身を置くことで、副交感神経が優位に切り替わり、この「オン→オフ」の切り替わりが「ととのう」という独特の感覚を生み出します。

idetoxのユーザーアンケートでも、「ととのいを実感するのは外気浴中」と回答した方が約85%を占めました。サウナ室や水風呂で「気持ちいい」と感じる方もいますが、それは本来の「ととのい」とは異なる状態である可能性が高いのです。

POINT

「ととのう」を感じるベストタイミングは、水風呂から出た後2〜3分後といわれています。椅子やベンチに座り、目を閉じてゆったりと呼吸を続けてみてください。じわじわと心地よい波が押し寄せてくるはずです。

繰り返しになりますが、サウナ室や水風呂の中で「気持ちいい」と感じる浮遊感は、「ととのう」ではなく「めまい」の可能性が高いです。すぐに退出して体を休めてください。

 

サウナで安全に「ととのう」ための注意点

「ととのう」を追い求めるあまり、無理な入浴をしてしまう方がいます。しかし、これは非常に危険です。

やってはいけないNG行動

  • 長時間ガマンしてサウナに居座る
  • いきなり冷たい水風呂に飛び込む
  • 水風呂に長時間浸かり続ける
  • 水分補給をせずにサウナに入る
  • 飲酒後や空腹時にサウナを利用する

「ととのう」ための正しいアプローチは、無理をせず体を徐々に慣らしていくことです。ガマン大会ではありません。むしろ、リラックスした状態でサウナを楽しむ方が「ととのい」やすいといえます。

初心者がやりがちな失敗パターン

サウナ初心者の方が「ととのい」を焦るあまり陥りやすい失敗パターンをご紹介します。

  • 「周りに合わせて長く入らなければ」という同調圧力:常連さんが長時間入っているからといって、自分も同じ時間入る必要はありません。体調や体質は人それぞれです。
  • 「まだ効果を感じない」という焦り:「ととのい」は必ず訪れるものではありません。その日の体調や環境によっても変わります。
  • 「もっと強い刺激を」という過信:徐々に慣れてくると、より高温のサウナや冷たい水風呂を求めがちですが、これは危険な傾向です。

 

サウナで「ととのう」ための正しい入り方

サウナの正しい入り方の手順

安全に「ととのう」ためには、正しい手順を守ることが大切です。以下の5ステップを意識してサウナを楽しみましょう。

  1. シャワーで体を清める
  2. サウナに入る(5〜10分)
  3. 水風呂に入る(1〜2分)
  4. 外気浴で休憩する(10〜15分)
  5. サイクルを2〜3回繰り返す

ステップ1:シャワーで体を清める

サウナに入る前に、シャワーで体の汚れを落とします。これはマナーとしてだけでなく、体を温冷刺激に備えさせる意味もあります。

シャワー後は、タオルで体の水分をしっかり拭き取ってからサウナ室へ。体が濡れたままだと、水分の気化熱で体温が上がりにくくなります。

ステップ2:サウナに入る

サウナ室では以下の点を意識しましょう。

  • 初心者は下段から:上段ほど温度が高くなるため、まずは下段で体を慣らす
  • 目安は5〜10分:慣れないうちは5分程度でOK。心拍数が上がり、汗がじんわり出てきたら十分
  • 無理はしない:息苦しさやめまいを感じたら、すぐに退出する

ステップ3:水風呂に入る

水風呂は「ととのう」ための重要なステップですが、急激な温度変化は心臓に大きな負担をかけます。

  • まずかけ水をする:いきなり入らず、手足から心臓に向かって水をかける
  • ゆっくり入る:足先から徐々に体を沈め、肩まで浸かる
  • 1〜2分が目安:長く入る必要はない。体の表面がひんやり感じたらOK

ステップ4:外気浴で休憩する

ここが「ととのう」ための最重要ポイントです。

外気浴は必ずしも「外」で行う必要はありません。季節や天候によっては室内で休憩した方が体への負担が少ない場合もあります。大切なのは、体がストレスを感じない快適な温度の場所で休むことです。

  • 10〜15分ゆっくり休む:椅子やベンチに座り、目を閉じてリラックス
  • 水分補給を忘れずに:水やスポーツドリンクで水分と電解質を補給
  • 体の声を聴く:心地よければそのまま。不快感があれば無理せず休む

ステップ5:サイクルを繰り返す

サウナ→水風呂→外気浴のサイクルを2〜3回繰り返すことで、より深い「ととのい」を体験できます。

ただし、回数にこだわりすぎる必要はありません。その日の体調に合わせて調整しましょう。1セットでも十分に効果を感じられることもあります。

 

「ととのう」vs「めまい」セルフチェックリスト

サウナ中や外気浴中に「これは『ととのう』なのか『めまい』なのか」と迷ったときは、以下のチェックリストで確認してみてください。

チェック項目 ととのう めまい
今いる場所は? 外気浴スペース サウナ室・水風呂・その直後
気分は? 心地よい・幸せ 気持ち悪い・不安
視界は? クリア・安定 ぼやける・暗い・回る
立てる? 問題なく立てる ふらつく・立てない
水分補給した? している していない・足りない

「めまい」に該当する項目が1つでもあれば、無理をせずすぐに休憩しましょう。idetoxでは、このチェックリストをプリントして持参することをおすすめしています。

 

自宅サウナなら自分のペースで「ととのう」を追求できる

公共のサウナ施設では、混雑や時間制限によって理想的な入り方ができないこともあります。「ととのう」を安全に追求したい方には、自宅サウナという選択肢もおすすめです。

  • 自分だけの空間で、マイペースに入浴できる
  • 温度や湿度を好みに調整できる
  • いつでも好きなときに「ととのい」タイムを確保できる
  • 水分補給やクールダウンを自分のタイミングで行える
  • 周りを気にせず、自分の体調に合わせて切り上げられる

idetoxでは、自宅で本格的なサウナ体験ができるホームサウナを取り扱っています。安全に、そして心ゆくまで「ととのう」体験を楽しみたい方は、ぜひチェックしてみてください。

 

まとめ:サウナで安全に「ととのう」ために覚えておくこと

サウナで「ととのう」ことは、心身をリフレッシュさせる素晴らしい体験です。しかし、「めまい」と混同してしまうと、体調不良に気づかず危険な状態に陥る可能性があります。

POINT

「ととのう」と「めまい」の最大の違いは不快感の有無です。心地よければ「ととのう」、気持ち悪ければ「めまい」。この判断基準を忘れないでください。

安全に「ととのう」ための5つのポイントをおさらいしましょう。

  • 水分補給を忘れない:入浴前後はもちろん、セット間にも水分を摂る
  • 無理をしない:体調が優れないときはサウナを控える
  • 段階的に体を慣らす:いきなり長時間・高温は避ける
  • 外気浴を大切にする:「ととのう」のは外気浴のとき
  • 異変を感じたらすぐ中止:めまいや気持ち悪さを感じたら退出する

これらのポイントを意識すれば、サウナ初心者の方も安全に「ととのう」体験を楽しむことができます。正しい知識を身につけて、心身ともにリフレッシュできるサウナライフを送りましょう。

※持病のある方や妊娠中の方は、サウナ利用前に必ず医師にご相談ください。

アンケート - idetoxアンケート

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サウナにハマり「サウナ・スパ 健康アドバイザー」や「サウナ・スパ プロフェッショナル」「サウナ・スパ 健康士」の資格を取得。 サウナの利用は週に1回程度のミドルユーザーです。主に記事の執筆を担当しています。

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