コラム

【日本のサウナはドイツ式?】世界のサウナの特徴と国別比較

【日本のサウナはドイツ式?】世界のサウナの特徴と国別比較

はじめに

日本では高温・低湿度の「ドライサウナ」がサウナの主流ですね。

しかし世界各地には様々な種類のサウナがあり、それぞれ温度や湿度の高さ、入り方などのサウナの条件が異なります。

 

近年日本では「フィンランド式サウナ」をPRしているサウナ施設も多いのですが、実は中身は「ドイツ式サウナ」だったりします。

そこでここでは、フィンランドやドイツを含めた世界のサウナ主要国で一般的なサウナの種類や条件、作りなどについて紹介します。

 

フィンランド

まずは、サウナの本場であるフィンランドです。フィンランド国民のほとんどがサウナを毎週利用していると言われています。

フィンランド式サウナは、木製の小屋を使われる場合が多く、中にはろうそくで明かりを灯している伝統的なサウナもあります。

 

サウナは比較的湿度が低いのが特徴で、温度は70〜90℃程度、湿度は20〜30%程度です。

定期的に熱した石に水をかけて蒸気を発生(ロウリュ)させ、湿度を上げることで効果的に体を温めます。このとき、ロウリュは利用者がそれぞれ行う「セルフロウリュ」が一般的です(後述するドイツ式との違いが生まれます)。

 

また、サウナ後に水風呂に入ったり、海や湖などでアイススイミングを行うことも一般的です。さらにヴィヒタと呼ばれる木の枝葉を束にしたものを使って身体を叩き、汚れを取ったりリラックス効果を高めたりします。

 

日本と同じように男女別々に利用したり、裸で利用することが多いのも特徴の一つです。(日本のサウナはフィンランド式サウナが源流のため当然と言えば当然ですね)

 

スウェーデン

フィンランドと同じ北欧諸国であるスウェーデンですが、サウナの条件や入り方はフィンランドと異なります。

まずスウェーデンのサウナはフィンランドのサウナと比べると湿度が高いのが特徴です。

 

一般的なスウェーデンサウナの温度は80℃前後、湿度は50%前後とも言われています。サウナの仕組みはフィンランドと同じですが、ロウリュで使用する水の量が圧倒的に多いようです。

 

またスウェーデンでは、フィンランドで一般的に使われるヴィヒタを使用しないことも特徴です。

さらに、サウナは毎週のように入るものではなく時々利用する程度のようです。

 

ドイツ

ドイツではヨーロッパの中でも、特にサウナが生活に浸透しているサウナ国の1つです。

ドイツのサウナは、フィンランドのサウナと同様に木製のサウナが一般的で、温度や湿度の条件もフィンランドとほぼ同じです。また、熱した石に水をかけるロウリュも行われます。

 

しかし、ドイツ式はフィンランド式と違って、基本的にロウリュを行うのはサウナマイスターである専門のスタッフだけです(セルフロウリュはありません)。加えて、タオルで仰ぐアウフグースもサウナマイスターが行ってくれます

 

またロウリュに使用する水にアロマなどを加えて、ロウリュ時に室内に香りを加えるのもドイツ式の特徴です。

 

さらにサウナで座る椅子には大きなタオルを敷いて、直接肌が触れないようにしているのもドイツ式と言われています(フィンランドでは木のベンチに直接座ることも多いようです)。

 

こうしてみると、日本の「フィンランド式サウナ」の多くが実は「ドイツ式」であることがよく分かりますね。

ただ、ドイツのサウナは男女混浴で水着を着用して利用する場合が多いようで、「入り方」という意味ではフィンランド式で正しいのかもしれません。

 

ロシア

ロシアのサウナは、ロシア語で「バーニャ」と呼ばれ、フィンランドのサウナと似た作りになっています。

サウナの条件は、温度が約60~70℃程度、湿度が40~60%前後とフィンランド式と比べて温度がやや低く、湿度が高いという特徴があります。

またロシアのサウナでは、ヴィヒタを使って身体を叩き、きれいにしたりリラックス効果を高める行為が必ず行われています。

施設によっては、サウナの中で横になり、スタッフがヴィヒタで身体を叩いてくれるサービスがあります。

 

トルコ

トルコの伝統的なサウナは「ハマム」と呼ばれています。

「ハマム」は、紀元前から存在している伝統的なもので、温度が低く湿度が高いのが特徴です。温度は25~50℃、湿度は100%近くになります。

また大理石や火山岩などで囲まれた華やかな見た目の部屋を使われます。

 

ハマムの中では、石鹸やオイルで全身をマッサージしたり洗い流すサービスを受けることができます。また女性にはワックスがけのサービスも行われています。

 

アメリカ

アメリカではフィットネスやスパの一環としてサウナを利用されています。

伝統的なフィンランド式サウナやスチームサウナなど多くのサウナ施設がありますが、近年健康志向の高まりから「遠赤外線サウナが急激に流行しています

遠赤外線サウナは、従来のサウナとは異なり、赤外線で体を温めるため、高い温度になりすぎず、かつ湿度が低いため、蒸し暑さが苦手な人でも快適に利用できるという利点があります。また、火事などのリスクも少なく、電気代も比較的安いという施設側のメリットも大きいです。

 

韓国

次におとなり韓国です。

韓国では、伝統的なサウナの1つに「汗蒸幕(ハンジョム)」があります。

この韓国式サウナは、大理石でできたドーム型の部屋を使われます。温度は60~100℃程度、湿度は20%前後ですが、その構造によって輻射熱を効果的に高め、身体を芯から温めやすくしています。

  

中国

中国ではサウナは「桑拿(サァンナァー)」と呼ばれています。そして中国は地域によっても一般的なサウナの条件が異なります。

 

中国の南部

南部ではもともと温暖で湿った気候ということも合って、日本で言うところのスチームサウナが主流です。

低温多湿の室内で蒸気によって体を温めていきます。温度は40℃程度、湿度は80%以上。蒸気に生姜やお茶などの香りを付けてリラックス効果を高めている場合も多いようです。

 

中国北部

一方北部では乾燥した地域ということもあって、日本で言うところのドライサウナが主流です。

温度は60~80℃、湿度はわずか10%程度です。湿度を上げるために、水に濡らした岩を置いたり、タオルを濡らして入浴する場合があります。

 

インド

インドでは、サウナがサンスクリット語で「スナーナ」と呼ばれおり、健康維持や病気の治療にも使われています。

インドのサウナの主流は蒸気を使ったいわゆるスチームサウナです。温度は40度~50度程度で、湿度は約50%~60%とされています。

またサウナの後にはハーブや香辛料を煮出した湯を使った水風呂に入り、温冷交互浴を行うことが一般的です。

 

 ※参考

https://nordicperspective.com/culture/finnish-vs-swedish-sauna

https://saunamafia.wordpress.com/2017/09/22/a-finn-getting-used-to-the-german-sauna/

https://gobanya.co.uk/russian-banyas-vs-saunas/

https://www.spaulysse.it/en/differences-between-sauna-and-turkish-bath

サウナにハマり「サウナ・スパ 健康アドバイザー」や「サウナ・スパ プロフェッショナル」「サウナ・スパ 健康士」の資格を取得。 サウナの利用は週に1回程度のミドルユーザーです。主に記事の執筆を担当しています。

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