サウナの後に下痢が出る理由と防ぐための入り方

はじめに

ストレス解消や睡眠の質の向上、また自律神経を鍛えるなど多くの健康効果があるサウナ。

しかし、サウナの後に下痢をしてしまう人もいます。これはなぜ起こるのでしょうか？

ここではサウナ後に起きる下痢の理由について、またそれを少しでも防ぐための入り方について解説していきます。

どうしてサウナの後に下痢が出るのか？

サウナの後に下痢をする理由についてですが、確率的には低い事例のようで、現在でも科学的な研究データは不足しています。そのため、100％これだと言える根拠は今のところありません。

ただ、医学分野の研究者などはサウナ後の下痢の理由について主に次の3つの仮説を立てられています。

• 消化不良
• 自律神経の影響
• 脱水症状

消化不良

まず、サウナでは体温が上がり、体中に血液が行き渡るようになります。それによって身体の隅々に酸素や栄養を送り込むことができるため、これは通常サウナの健康的な効果として考えられています。

しかし食後（とくに満腹時）には、これが悪影響になってしまうことがあります。

ご飯を食べた後は、消化をするために胃や腸に血液が必要です。それにもかかわらず、サウナで血液が体中に分散してしまうと、正常な消化が行われず消化不良になってしまうのです。

結果的に下痢を引き起こすことにつながると考えられています。

これを避けるためには、サウナの利用は満腹時を避け、食事は1時間前までに済ませておくことが推奨されています。また油物など胃腸に負担がかかる食事もサウナ前には控えておきましょう。

かといって、空腹時にはサウナの中で低血糖になるリスクが高まるため、空腹だったら良いというわけでありませんので注意しましょう。

自律神経の影響

通常、サウナから外気浴までのセッションをこなすと自律神経を整える効果が期待できます。

これは「サウナ・水風呂」が交感神経を優位に働かせ、逆に「外気浴」が副交感神経を優位に働かせることで、両方を効果的に鍛えるためです。

しかし、「サウナ・水風呂」で交感神経が優位になったままになっていると、下痢のリスクが増えてしまいます。交感神経が優位に働いているときは消化機能が十分に働かず、消化不良を起こしてしまうからです。

言い換えれば、外気浴（や休憩）が十分に取れていないまま日常生活に戻ると、下痢を起こす可能性が高まるのです。

加えて、真冬や真夏に外気浴を行うと、寒さや暑さがストレスになってしまい、何時間外気浴をしても副交感神経は優位になりません。サウナ後の外気浴は「適温」となる環境でリラックスするようにしましょう。

そのため、サウナのあとに下痢が起こってしまう人は、一度サウナから外気浴までの時間のバランスを見直してみることをおすすめします。サウナの時間や回数などを減らしたり、外気浴や休憩の時間を増やして様子を見ていきましょう。

脱水症状

「下痢によって脱水症状になる」というのは一般的によく言われることですね。しかし反対に「脱水症状によって下痢になる」こともあります。

脱水症状が下痢を引き起こすメカニズムは、複数の要因が絡み合っているとされています。重度の脱水により腸管の機能が低下し、水分吸収が適切に行われなくなること、また脱水で腸内細菌のバランスを崩すこと、さらに脱水によるストレス反応が腸の運動を促進することなどが下痢を引き起こすことにつながるようです。

サウナでは大量の汗をかくため、脱水症状になるリスクがあります。これによって下痢の症状が出ることがあるのです。

サウナで脱水症状にならないためには、サウナの前には十分な水分補給を心がけましょう。またこのとき、水ではなく電解質の入ったスポーツドリンクなどを摂取するようにしてください。

さいごに

前述したようにサウナと下痢の関連性は、まだまだ研究が不足していてはっきりしたことは分かっていません。

もし十分な水分補給やサウナの時間管理などを調整しても下痢が続くようであれば、それはサウナ以外が原因の可能性もあります。

一度医療機関で受診して、自身の健康状態を確認し、医師の診察を受けることをおすすめします。

※参考

・https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8324874/

・https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/7237454/

・https://saunahelper.com/how-to-breathe-in-the-sauna/

・https://www.infraredsauna.co.uk/blog/can-a-sauna-cause-diarrhoea

・https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0025619618302751

・https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6965508/