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高齢者でもサウナに入って大丈夫なの?【有益な効果と禁止されている病気】

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高齢者でもサウナに入って大丈夫なの?【有益な効果と禁止されている病気】

はじめに

高齢化が進んだこともあり、サウナをかなりのご老人が長い時間利用している姿はよく見かけます。

ただ、自分の家族にサウナが好きでいつも入りに行くお爺さんやお婆さんがいると「大丈夫かな?」と少し心配になりますよね。また自分の年齢を考慮してサウナを控えるべきか悩む人も多いのではないでしょうか。

ここでは、サウナに入るべきではない人、また高齢者のおすすめの入り方について解説していきます。

 

高齢者はサウナに入っても大丈夫?

結論から言うと高齢者であってもサウナに入ることは問題ありません

実際サウナの本場であるフィンランドやサウナが広く普及しているドイツでは70歳以上の方でも日常的にサウナを利用している人は多いようです。

そして何より高齢者のサウナ浴は、年とともに衰える新陳代謝機能を活性化するなど多くの健康効果があります。(具体的な効果については後述します)

しかし、高齢者が抱えやすい一部の病気を持っているときにはサウナは推奨されていないどころか、医師から禁止されることがあります。

 

サウナが禁止されている病気

ではサウナが禁止される病気にはどんなものがあるのでしょうか。

一般的にサウナの利用を禁止される病気は以下のものがあります。

  • ガン
  • 炎症
  • てんかん
  • 心筋梗塞や脳卒中
  • 肝臓や腎臓の障害
  • 神経系の調整障害
  • 発熱を伴う急性の病気
  • 不整脈や狭心症などの循環器の病気
  • (第3群、第4群、第5群の)高血圧症

これらはあくまで一例です。抱えている病状によってはこれ以外の病気でもサウナが禁止されることはありますし、逆に心筋梗塞などはリハビリの一環としてサウナが勧められる場合もあります。またサウナは良くても水風呂(冷水浴)は禁止される場合などもあり、様々です。

持病がある方は、念のため一度医師に相談することをおすすめします。

 

サウナが治療に効果があるとされる病気

逆に、サウナ浴が勧められる病気もあります。例として以下のようなものがあげられます。

  • 喘息
  • 糖尿病
  • 神経皮膚炎
  • 線維筋痛症
  • 慢性リウマチ
  • 椎間板ヘルニア
  • 低血圧症、高血圧症(第1群、第2群)

これらの病気に関しては科学的な研究も進んでおり、サウナ浴を推奨する医師も多いようです。

 

高齢者に嬉しいサウナの効果とは

では高齢者にとって有益なサウナの効果にはどのようなものがあるのでしょうか?

まず、一般的に知られている以下のようなサウナの効果は年齢に関係なく得ることができます。

  • 睡眠の質を向上する
  • リフレッシュ効果・ストレス解消効果
  • 自律神経のバランスを整える
  • 血圧を正常値に近づける
  • 冷え性を改善する
  • 筋肉疲労を回復する
  • 痩せ体質になる
  • 頭痛を改善する
  • 腰痛や肩こりを改善する
  • 目を覚ます
  • 集中力を上げる
  • 育毛効果

これに加えて、高齢者にとって嬉しい効果が「老化の改善」です。

少し上記の効果と重複する部分もありますが、具体的には以下のような効果があります。

 

皮膚の老化の改善

加齢とともに皮膚は水分(含水)が低下し、それによって細胞圧が低下します。それが皮膚の「しわ」や「乾燥」につながるのです。

サウナでは体が温まることで、血流が増加し、体の隅々まで栄養や水分が行き渡るようになります。それによって皮膚に含まれる水分量の低下を防いだり、改善する効果が期待できるのです。

 

抵抗力が上がる

年齢を重ねると風邪などのウイルスに対する体の抵抗力が低下します。

サウナの熱を浴びることによって、皮膚組織の血管をトレーニングしたり、抵抗物質である白血球などの形成を促したりすることができます。その結果、風邪などを引きにくい強い体にすることができるのです。

実際70歳以上のサウナ利用者へのアンケートでは、「抵抗力が上がること」がサウナに入る大きな理由になっているようです。

 

呼吸機能の改善

人間の呼吸機能は20歳前後をピークに、加齢とともに低下することが知られています。

サウナに入ることで、気道を開き、肺の炎症を軽減することにより、呼吸機能を改善するのに役立ちます。

 

快眠・ストレス軽減・リフレッシュ効果

自律神経の働きは年齢とともに衰える傾向があります。性別や個人差もありますが、一般的には自律神経の力は60代になると10代の4分の1になることが報告されています。

自律神経の力が弱くなると体温の調節機能が低下したり、眠りの質が低下したり、立ちくらみしやすくなったり、また常に抑圧されたような、どんよりした感覚になったりします。

この自律神経を刺激して鍛える効果がサウナにあります。

それによって快眠になったり、抑圧された気分から開放されてリフレッシュしたりすることができるようになるのです。

サウナは高齢者の身体的な不調はもちろん、精神的な不調も改善する役割があるといえます。

 

高齢者の効果的なサウナの入り方

高齢者が効果的にサウナに入る際には以下の手順を参考にされてみてください。

  1. 健康状態を確認して医師に相談する
  2. しっかりと水分補給をする
  3. 短い時間を意識する
  4. 水風呂は無理に入らない
  5. サウナのセッションの間に30分程度休憩をする
  6. サウナ後には油性クリームで肌の手入れをする

 

健康状態を確認して医師に相談する

まずは、定期的な健康診断や人間ドッグなどで、何かと不調が出やすい体の状態をしっかりと確認するようにしましょう。気付かないうちにサウナに入ると悪化するような病気を抱えている可能性もあります。

検診結果を見ながら医師に相談し、サウナを安全に使用できるかどうかを確認することが重要です。

 

しっかりと水分補給をする

高齢になればなるほど、体内の水分量が減ったり腎臓機能が低下したりして脱水状態に陥りやすくなります

サウナでは多くの汗をかき、脱水状態になるリスクが高いため、サウナ前には300~500mlを目安にしっかりと水分補給をするようにしましょう。

 

短い時間を意識する

高齢者は、若い人に比べてサウナの中での体の変化に気づきにくいため、熱さや渇きを感じないまま、つい長時間滞在してしまいます。

サウナに滞在する時間は短い時間を意識して、体が苦に感じる前に出るように心がけましょう。

 

水風呂は無理に入らない

サウナの後には水風呂に入ってシャキっとしたいところですが、水風呂は血管や心臓に大きな負担をかけるため、無理に入る必要はありません。少し冷たいシャワーなどで汗を洗い流して代用しましょう。

特に血圧に異常がある方は、水風呂に入っていいかを必ず医師に確認してください。

 

サウナのセッションの間に30分程度休憩をする

サウナは3回ほど繰り返して入ることで、その効果を高めるとされています。

しかし疲れやすい高齢者が連続して入ると、かえって体に不調を来す恐れがあります。

サウナの後には外気浴などで30分程度、十分に休憩をするようにしましょう。

 

サウナ後には油性クリームで肌の手入れをする

サウナでは皮膚の老化を防止する効果がありますが、この効果を高めるためにサウナ後には油脂クリームを塗ることをおすすめします。それによってしっかり肌の水分を保ったり、新しい細胞の形成を促すことができます。

 

参考:

・サウナ・スパプロフェッショナル公式テキスト

・フランスベッド(https://medical.francebed.co.jp/special/column/34_elderly_dehydration.php)

・Let's リハ!(https://www.lets-reha.jp/news/2566/)

・NHK(https://www.nhk.or.jp/radio/magazine/article/my-asa/mwa_OSucmf.html)

サウナにハマり「サウナ・スパ 健康アドバイザー」や「サウナ・スパ プロフェッショナル」「サウナ・スパ 健康士」の資格を取得。 サウナの利用は週に1回程度のミドルユーザーです。主に記事の執筆を担当しています。

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