はじめに

「サウナに入ると肌がツルツルになった気がする」「サウナって美肌に効果があるって本当？」——そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

実はサウナには、ストレス解消やダイエット効果だけでなく、科学的にも裏付けられた美肌効果があります。温熱刺激によって血行が促進され、新陳代謝が活性化することで、肌のハリや潤いがアップし、透明感のある美しい肌へと導いてくれるのです。

この記事では、サウナがもたらす5つの美肌効果と、その科学的なメカニズムを詳しく解説します。さらに、美肌効果を最大限に引き出すための正しい入り方や、ニキビ・乾燥肌など肌トラブル別のおすすめサウナもご紹介。idetoxがお届けする情報で、サウナを上手に活用して理想の美肌を手に入れましょう。

サウナがもたらす5つの美肌効果

サウナには、肌を美しく保つためのさまざまな効果があります。ここでは、特に注目すべき5つの美肌効果を科学的な視点から解説していきます。

サウナでターンオーバーを整える効果

肌の表面では、古い角質が剥がれ落ち、新しい細胞が内側から生まれてくる「ターンオーバー」というサイクルが繰り返されています。このターンオーバーが乱れると、角質が蓄積して毛穴が詰まりやすくなり、くすみや肌荒れの原因になってしまいます。

サウナに入ると、体温が上昇し深部から大量の汗をかくことで、古い角質が自然と流れ落ちやすくなり、新しい細胞の生成が促進されると考えられています。この発汗作用によって、肌のターンオーバーが正常なサイクルに整えられ、肌荒れを予防する効果が期待できます。

皮膚科学の研究では、温熱刺激による血流増加が表皮基底層での細胞分裂を活性化させることが報告されています。

日本研究皮膚科学会誌

通常のターンオーバー周期は約28日と言われていますが、年齢とともに遅くなる傾向があります。サウナによる血行促進と発汗作用は、この周期を健康的に保つサポートをしてくれる可能性があります。

サウナの熱刺激によるアンチエイジング効果

いつまでも若々しく健康的な肌でいたい——そんな願いをサウナがサポートしてくれるかもしれません。

サウナの熱刺激を受けると、肌の細胞はヒートショックプロテイン（HSP）というタンパク質を生成することが知られています。HSPは、傷ついた細胞を修復し、コラーゲンの生成を促進する働きがあるとされています。

ヒートショックプロテインは、熱ストレスに応答して産生されるタンパク質であり、変性したタンパク質の修復や細胞保護に寄与することが複数の研究で確認されています。

National Center for Biotechnology Information (NCBI)

この現象は「ホルミシス効果」とも呼ばれ、適度なストレスが細胞を活性化させ、老化を遅らせたり免疫力を高めたりする効果があることが医学的にも認められています。サウナの温度帯（70〜100℃程度）は、このHSP生成に適した刺激を与えてくれると考えられています。

サウナでニキビを予防・改善する効果

サウナはニキビの予防や改善にも効果を発揮する可能性があります。

サウナで体温が上昇すると毛穴が大きく開き、毛穴の奥に潜んでいるアクネ菌（ニキビ菌）や皮脂汚れ、落としきれなかったメイク残りなどを大量の汗と一緒に排出しやすくなります。

さらに、サウナによる発汗は肌のpHバランスを弱酸性に整える効果があると言われています。健康な肌は弱酸性を保っており、この状態では雑菌の繁殖が抑えられるため、ニキビができにくい肌環境を作ることにつながります。

皮膚表面のpH値は4.5〜6.0の弱酸性であり、この酸性マントルが外部からの病原体の侵入を防ぐバリアとして機能しています。

日本皮膚科学会

サウナで肌のバリア機能を強化する効果

肌がかゆくなったり、湿疹ができやすかったりする方は、肌のバリア機能が弱まっている可能性があります。

定期的にサウナに入ることで、皮膚表面に付着した菌やウイルスを発汗とともに除去し、皮膚トラブルのリスクを軽減できる可能性があります。また、サウナによる血流改善は、肌に必要な栄養素や酸素を効率よく届け、肌本来の防御機能を高めてくれると考えられています。

さらに、サウナ後の水風呂による温冷交代浴は、自律神経を刺激し、肌の免疫力向上にも寄与する可能性があると報告されています。

ストレス解消による肌トラブル改善効果

「最近、肌の調子が悪い」「疲れが顔に出ている気がする」——そう感じることはありませんか？

肌はストレスの影響を受けやすい器官です。ストレスホルモンであるコルチゾールが過剰に分泌されると、肌荒れやしわ、たるみなど、さまざまな肌トラブルを引き起こしてしまいます。

慢性的なストレスによるコルチゾールの過剰分泌は、コラーゲンの分解を促進し、皮膚の弾力性低下やバリア機能の障害を引き起こすことが研究で示されています。

PubMed - 米国国立医学図書館

サウナでしっかり汗をかき、その後の外気浴でリラックスすることは、副交感神経を優位にしてストレスホルモンの分泌を抑える非常に効果的な方法とされています。内面から心身を整える「ととのう」体験が、結果として若々しい美肌を保つことにつながります。

サウナ後に肌がツルツルになる理由

サウナから出た後、肌がすべすべでツルツルになっていると感じたことはありませんか？この現象には、科学的な理由があります。

古い角質が汗と一緒に流れ落ちるから

サウナで大量の汗をかくと、その汗と一緒に肌表面の古い角質や毛穴の汚れが流れ落ちやすくなります。いわば、天然のピーリング効果に近い作用が得られるのです。これにより、くすみが取れて肌の透明感がアップすると感じられます。

蒸気や汗で肌が一時的に保湿されるから

サウナ室の蒸気やロウリュの水蒸気、そして自分自身の汗によって、肌表面が潤った状態になります。例えるなら、スチーム美顔器を全身に浴びているような状態です。毛穴も開いているため、肌が柔らかくなりツルツル感が増します。

【注意】サウナ後の肌は実は乾燥している

「サウナ直後はツルツルだったのに、家に帰ると肌がパサパサになる」——こうした経験をされた方も多いのではないでしょうか。

これを防ぐためには、サウナ後の適切なスキンケアが欠かせません。次の章で解説する「美肌につながるサウナの入り方」をぜひ実践してください。

美肌効果を最大化するサウナの入り方

サウナの美肌効果を最大限に引き出すためには、正しい入り方を押さえておくことが大切です。以下の8つのステップを意識してみてください。

①サウナ前に水分補給をする

サウナでは1セットで約300〜400mlもの汗をかくと言われています。水分が不足した状態でサウナに入ると、十分な発汗ができないだけでなく、肌の乾燥を招いてしまいます。

サウナに入る前には300〜500mlを目安に水分補給をしましょう。水やミネラルウォーター、麦茶など、無糖・ノンカフェインの飲み物がおすすめです。

②サウナ前に身体を洗い流す

サウナに入る前には、シャワーやお風呂で体を洗い流し、余分な皮脂や汚れを落としておきましょう。肌表面の汚れや皮脂を取り除いておくことで、毛穴からの発汗がスムーズになり、老廃物の排出効率が高まります。

また、これはサウナマナーとしても基本的なことです。清潔な状態でサウナを利用しましょう。

③適切な時間サウナに入る

1セットあたり8〜12分程度を目安にサウナを楽しみましょう。ただし、サウナの種類（ドライサウナは80〜100℃、ミストサウナは40〜50℃など）や体調によって調整が必要です。

高温のサウナで長時間過ごしすぎると、かえって肌に負担をかけ、乾燥や肌荒れの原因になることがあります。「気持ちよく汗をかけている」状態を維持することが大切です。

④サウナ後に身体を冷やす

サウナを出た後は、水風呂やシャワーで体を冷やしましょう。この温冷交代によって血管が収縮・拡張を繰り返し、血行がさらに促進されます。

血流が良くなることで、肌細胞に酸素や栄養が行き渡りやすくなり、ターンオーバーの活性化につながります。水風呂が苦手な方は、冷水シャワーから始めてみてください。

⑤ゆっくりとリラックスして休憩する

サウナと水風呂の後は、外気浴や休憩スペースで5〜10分ほどリラックスしましょう。この休憩時間に副交感神経が優位になり、自律神経のバランスが整います。

ストレスホルモンの分泌が抑えられることで、ストレス性の肌荒れリスクも軽減されます。いわゆる「ととのう」感覚を味わえるのもこの瞬間です。

⑥2〜3セット繰り返す

サウナ→水風呂→休憩のサイクルを2〜3セット繰り返すことで、血行促進効果と美肌効果を最大限に引き出すことができます。

ただし、無理は禁物です。体調に合わせて回数を調整し、気分が悪くなったら途中で切り上げましょう。

⑦サウナ後のスキンケアを丁寧に行う

サウナ後は毛穴が開いた状態です。肌に優しい洗顔料やボディソープで汚れを落とし、すぐに化粧水やボディクリームで保湿しましょう。

開いた毛穴をそのままにしておくと、新たな汚れが入り込んでしまいます。サウナ後のスキンケアは、美肌効果を持続させるために非常に重要なステップです。

⑧サウナ後にも水分補給をする

サウナ後は、失われた水分をしっかり補給しましょう。外側からのスキンケアだけでなく、内側からの水分補給も美肌には欠かせません。

常温の水やスポーツドリンク、ミネラルウォーターなどで、こまめに水分を摂取してください。

肌トラブル別おすすめサウナの種類

肌の悩みは人それぞれ。お悩みに合わせてサウナの種類を使い分けることで、より効果的に美肌を目指すことができます。

ニキビ・毛穴トラブルにはドライサウナ

ニキビや毛穴の詰まりが気になる方には、高温で大量に発汗できるドライサウナ（乾式サウナ）がおすすめです。

80〜100℃の高温環境で毛穴がしっかり開き、アクネ菌や皮脂汚れ、メイク残りなどを汗と一緒に効率よく排出しやすくなります。サウナ後は水風呂やシャワーで毛穴を引き締めましょう。

乾燥肌にはミストサウナ

乾燥肌やカサつきが気になる方には、ミストサウナが最適です。

ミストサウナは40〜50℃程度の比較的低温で、高い湿度が保たれています。温かい蒸気に包まれながら発汗することで、まるで全身にフェイシャルスチーマーを当てているような保湿効果が得られます。

肌が温まると角質層が柔らかくなり、水分が浸透しやすくなります。ドライサウナでは乾燥が気になるという方も、ミストサウナなら快適に利用できるでしょう。

ターンオーバーの乱れ・くすみには塩サウナ

古い角質が溜まってくすみが気になる方には、塩サウナがおすすめです。

塩サウナは比較的低温（50〜60℃程度）で湿度が高く設定されており、全身に塩を塗ってじっくり汗をかきます。

汗と塩が混ざり合うことで、「塩溶効果」と呼ばれる作用により、古い角質（タンパク質）が溶かされて除去されやすくなります。これにより、新しい細胞が肌表面に現れ、くすみのない若々しい肌を取り戻すことが期待できます。

塩溶効果とは、一定濃度の塩類溶液がタンパク質の溶解度を高める現象です。この原理により、塩と汗が混ざることで古い角質が柔らかくなり除去されやすくなると考えられています。

J-STAGE（科学技術情報発信・流通総合システム）

自宅でサウナの美肌効果を楽しむ方法

「サウナに行きたいけど、忙しくて時間がない」「周りの目が気になる」——そんな方には、自宅で楽しめるホームサウナがおすすめです。

idetoxでは、自宅で本格的なサウナ体験ができるホームサウナをご用意しています。いつでも好きなときに、自分のペースで美肌ケアができるのが大きなメリット。サウナ後のスキンケアもすぐに行えるため、美肌効果を最大限に引き出すことができます。

まとめ

サウナには、ターンオーバーの正常化、アンチエイジング、ニキビ予防、肌バリア機能の強化、ストレス解消など、科学的に裏付けられた美肌効果がたくさんあります。

ただし、その効果を最大限に引き出すためには、正しい入り方とサウナ後のスキンケアが欠かせません。水分補給を忘れずに行い、サウナ→水風呂→休憩のサイクルを2〜3セット繰り返すことで、血行促進と美肌効果を高めることができます。

また、ニキビには高温ドライサウナ、乾燥肌にはミストサウナ、くすみには塩サウナと、お悩みに合わせてサウナを使い分けるのもポイントです。

いつまでも若々しく健康的な肌でいるために、ぜひスキンケアの一環としてサウナを取り入れてみてください。